不動産運用とは?そのメリットとリスクを詳しく解説

公開日2021/04/19
更新日2023/10/13

不動産投資イメージ
「不動産運用」は非常に広い意味を持つ言葉ですが、一般的には「不動産賃貸」か「不動産売却」のことを指します。
 
賃貸は、所有する不動産を貸して家賃収入を得ることを目的とした運用方法であり、売却は、購入した不動を売却することで値上がり益を得ることを目的とした運用方法です。
 
今回は、不動産運用のリスクや成功させるためのポイントなどについて解説していきます。

不動産運用とは?

不動産運用
不動産運用とは、不動産を運用して資産を増やすことを言います。
 
不動産運用には様々な方法がありますが、一般的に不動産運用と言ったら「賃貸」することによって収益を得る方法か、「売却」することによって収益を得る方法のいずれかを指します。

今、注目される不動産運用

資産運用は、その方法によってリスクとリターンの大きさが変わってきます。
 
預貯金は代表的な「ローリスク・ローリターン」の資産運用です。元本が減るリスクはありませんが、インパクトのあるリターンを期待することはできません。
 
株式投資やFXは「ハイリスク・ハイリターン」の資産運用だと言われます。
 
短期間で大きな利益を得られる可能性もありますが、失敗すると投資資金を失ってしまうリスクもあります。
 
そして、この中間に位置する「ミドルリスク・ミドルリターン」の資産運用が不動産運用です。
 
老後の年金不安が高まる昨今、リスクとリターンのバランスが取れた不動産運用は大きな注目を集めています。

不動産運用で稼ぐ方法とは?

不動産運用でお金が増えるイメージ

不動産運用で稼ぐ方法としては、不動産の「賃貸」や「売却」が考えられます。
 
また、売却して手にしたお金で他の投資をするという選択肢もあります。
 

01:不動産を賃貸する

不動産運用のもっとも代表的な方法が、不動産の賃貸です。
 
保有しているアパートやマンションを第三者に貸し出し、長期的に家賃収入を得ることを狙います。
 
なお、家賃収入のように不動産を保有していることによって得られる収益のことを「インカムゲイン」と言います。
 
大きな収益を得るまでには時間がかかりますが、入居者がいる間は安定的に収益を得られるのがメリットです。
 

02:不動産を売却する

不動産運用の方法としては、不動産を売却するという手もあります。
 
たとえば、値上がりが見込める土地を購入して、数年後に地価が上昇したタイミングで売却して売却益を獲得します。
 
また、購入した更地に建物を建てることで付加価値を高めて売却することも可能です。
 
なお、価格が上がったときに売却することでもたらされる売却益のことを「キャピタルゲイン」と言います。
 
不動産が値上がりすれば、一度にまとまった現金収入を得ることができるのがメリットです。
 

03:不動産を売却して他の投資をする

不動産を売却して売却益(キャピタルゲイン)を狙うのではなく、不動産を売却して得たお金で他の投資をする方法です。
 
たとえば、株式や債権、投資信託や外貨などに投資して、配当金や分配金といった収益を狙います。複数の方法で投資をすれば、リスクを分散することができます。

不動産運用(売却)の相場とは?

収益不動産運用

上述した02、03の不動産運用では、所有する不動産を売却します。
 
このときに重要なのは、不動産が「いくらで売れるのか?」という売却価格を正しく把握することです。
 

複数の不動産業者に査定依頼をする

不動産が「いくらで売れるのか?」を把握するには、不動産業者に査定してもらう必要がありますが、その際は複数の不動産業者に査定依頼をするようにしましょう。
 
不動産の査定価格は査定をする業者によって差が出るのが通常なので、複数の業者に査定してもらうことで高く売却できる可能性が高まります。
 
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不動産運用(賃貸)がおすすめの理由

不動産運用のポイント

不動産運用(賃貸)をおすすめする主な理由を2つご紹介します。
 

理由01:安定した収益を得られる

不動産運用(賃貸)をすることで、毎月安定した家賃収入を得ることができます。
 
不動産運用は物件の購入費が高額になるので、金融機関から融資を受けるのが通常です。
 
ローンを完済するまでには長い時間がかかりますが、完済後は、家賃収入から修繕費などの経費を差し引いた分がそのままキャッシュフローとして残ります。
 
たとえば、35歳で不動産運用をスタートして15年でローンを完済すれば、50歳以降は毎月安定した収益が得られることになります。
 
会社員にとっても個人事業主・経営者にとっても、本業以外で安定した収益を確保できるのは重要なことで、老後を考えるうえでも生活費の大きな足しになるでしょう。
 
不動産運用で特に人気があるのは、区分マンション運用や一棟アパート運用です。
 
  ▼区分マンション運用
たとえば、家賃7万円の区分マンションを運用する場合、年間で84万円の家賃収入が得られます。この区分マンションの購入価格が1,500万円だったとすると、表面利回りは以下のように算出できます。
84万円 ÷ 1,500万円 × 100 = 約5.6%
 
表面利回り5.6%の区分マンションを運用すれば、1年間の家賃収入で購入価格の5.6%を回収できることになります。空室リスクや諸経費を考慮しなければ、18年弱で物件価格の元が取れる計算になります。
 
区分マンション運用に関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。
>> 中古マンション投資のメリットとは?リスクや注意点も解説
>> ワンルームマンション投資失敗の理由とリスク・注意点

 
  ▼一棟アパート運用
たとえば、家賃7万円の住戸が6つある一棟アパートを運用する場合、年間で504万円の家賃収入が得られます。この一棟アパートの購入価格が5,000万円だったとすると、表面利回りは以下のように算出できます。
504万円 ÷ 5,000万円 × 100 = 約10%
 
表面利回り10%の一棟アパートを運用すれば、1年間の家賃収入で物件価格の10%を回収できることになります。空室リスクや諸経費を考慮しなければ、約10年で物件価格の元が取れる計算になります。
 
一棟アパート運用に関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。
>> アパート投資のメリットとリスクとは?始め方も解説
 

理由02:節税対策ができる

不動産運用をおこなうことで、所得税や住民税の節税効果を高めることができます。
 
不動産運用を始めた初年度は何かと初期費用が発生するため、赤字になることも少なくありません。
 
このような場合、給与所得から不動産運用の赤字分を差し引くことができます(損益通算)。
 
この損益通算によって税務上の所得が減るため、所得税や住民税の節税につながります。
 

不動産運用のリスク

不動産運用のリスク

不動産運用の代表的なリスクを4つご説明します。
 

リスク01:空室リスク

不動産運用の最大のリスクが空室リスクです。
 
たとえば、一戸の区分マンションを運用している場合、空室になってしまえば、その間、家賃収入はゼロになります。
 
一棟アパートを運用している場合は空室リスクを分散できますが、それでも空室が多くなれば収益率は低下します。
 

リスク02:流動性リスク

不動産運用における流動性リスクとは「売却できない=現金化できない」リスクのことです。
 
預貯金や株式、国債などは流動性の高い(=現金化しやすい)資産だと言えますが、不動産は流動性の低い資産です。
 
必要なときにすぐ現金化できないことは、一つのリスクだと言えるでしょう。
 

リスク03:老朽化リスク

マンションやアパートなどの不動産運用において避けられないのが、老朽化リスクです。

建物は例外なく経年劣化が進んでいきます。

老朽化した不動産は資産価値が下がるので、家賃下落の原因になるほか、将来売却しようと思ったときに「買い手が見つからない」「希望の金額で売れない」といったリスクにもつながります。
 

リスク04:金利上昇リスク

不動産運用はほとんどの場合、金融機関から融資を受けてスタートします。
 
基本的に、毎月の家賃収入からローンを返済していくわけですが、変動金利の場合、金利が上昇してローンの支払総額が増えるリスクがあります。
 
そうなると、当初の運用計画は修正を余儀なくされるでしょう。

安定した不動産運用(賃貸)をするポイント

不動産運用のリスク、リターン
 
安定した不動産運用をおこなうポイントを3つご紹介します。
 

ポイント01:長期的な視点を持つ

安定した不動産運用をおこなうには、長期的な視点で戦略を立てなければいけません。
 
どんな建物も年月とともに老朽化が進み、修繕費や設備交換費などがかさんでいくので、長期的な視点でランニングコストを見積もる必要があります。
 
また、将来、周辺環境が変わってエリアとしての魅力が低減すれば、空室リスクが高くなります。
 
そのため、不動産運用を始めるときはエリアの将来性を見極めたうえで、物件を選ぶことが重要です。
 

ポイント02:リスク対策をする

不動産運用の成否は、「いかにリスクを回避できるか」にかかっています。
 
幸い、不動産運用はリスクを予測しやすいので、対策を講じるのはそれほど難しくはありません。
 
不動産運用には、上述した「空室リスク」「流動性リスク」「老朽化リスク」「金利上昇リスク」以外にもいくつかのリスクがあります。
 
以下の記事を参考に、不動産運用のリスクと回避方法を押さえておきましょう。
>> 不動産投資のリスクと回避方法
 

ポイント03:知識をつける

不動産運用で成功するには、実績豊富な不動産業者を味方につけることが重要です。
 
しかし、「不動産業者に全部お任せ」というスタンスでは危険です。
 
最低限の知識やトレンドを把握していないと、業者の担当者のアドバイスが的確かどうかを判断することもできず、担当者に言われるがままに不動産運用をして失敗してしまう人もいます。
 
不動産運用に関する情報収集の手段としては、セミナーがおすすめです。
 
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まとめ

不動産運用について説明する人
 
不動産運用は「はじめの一歩」が重要です。幸先の良いスタートを切ることができれば、運用する不動産を増やすなど、資産をさらに拡大していくことができます。
 
その意味でも、不動産運用デビューをサポートしてくれる不動産業者の存在は重要です。ぜひ、最適なパートナーとともに実り多い不動産運用をしていきましょう。
 
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このコラムを書いている人

マンション経営ラボ 編集者

マンション経営ラボ 編集者

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