投資信託の失敗談とは?失敗しないために注意すべきポイントを解説

公開日2020/08/26
更新日2022/12/24

初めての投資信託で気をつけたいこと

  • 「初めての投資信託」となると、どうしても失敗したときのリスクを考えてしまいますよね。 プロにお金を任せる投資信託のリスクは少なく感じられますが、中にはもちろん投資信託に失敗してしまうケースもあります。 投資信託に失敗する人には、次のような共通点があります。 •他人任せである •内容や商品について理解していない •目先の利益を重要視する  投資信託を始める前に、注意すべきことをしっかりと学習しておくことで、リスクを最小限に抑えることができます。

投資信託をスタートするときの失敗事例とは?

分からない人
ここからは、投資信託をスタートするときの失敗事例について、紹介します。
 

すすめられた投資信託を購入

投資信託をスタートしたいと考えるのであれば、まず証券会社や金融機関に相談する方がほとんどではないでしょうか。
 
担当者に相談すると、「こちらの投資信託が初心者の方にはおすすめ」「現在売れている投資信託です」などと言って、パンフレットを紹介されることが多くあります。 
 
しかし、このような投資信託は基本的に相談者のことを考えて選んだものではなく、販売する側への利益が大きいなど、”担当者が売りたいもの”であることが多いため、十分に注意しましょう。
 

人気ランキングがトップの投資信託を購入

「人気ランキングがトップの投資信託」と聞くと非常に魅力があるように思えますが、全ての人が運用に成功しているということではありません。
 
特に前の項目で紹介した、担当者がすすめるような投資信託は、証券会社や金融機関の担当者が積極的に紹介しており、なおかつ販売しやすいものであるため、人気ランキングのトップに入りやすいのです。
 
また、ランキングが見るたびに下がるような投資信託は、純資産残高が徐々に少なくなっていると想定できるため、注意が必要です。
 
投資信託の人気ランキングは役に立つこともありますが、全てを鵜呑みにせず、冷静に判断できる力を身につけておきましょう。
 

勢いで投資信託を購入

他人に言われたことをあてにするなど、投資信託について十分に把握しないまま購入して、失敗するケースも少なくありません。 
 
投資信託を購入する際は、自分で責任を持ち、しっかりと把握した上で買うことが非常に大切です。
 

投資信託の手数料を把握しないで購入

投資信託をスタートするときは、手数料について把握する必要があります。
 
投資信託の手数料を大きく分類すると、次の3つがあります。
 

投資信託の購入に必要な販売手数料

銀行の窓口で買う場合は、一般的に申込み金額の2~3%が相場になります。
 

年間•日割の信託報酬

投資信託を持っている間、運用•管理してもらうためにずっと払い続けるものです。
 
信託報酬は投資信託の種類によって違っていますが、一般的に年0.5%~2.0%程度です。
 

投資信託を解約する時に必要な信託財産留保額 

投資家が、投資信託を解約する時に払う費用です。
 
信託財産留保額は投資信託の種類によって違っており、差し引きされないものもありますが、一般的に0.3%程度です。
 
投資信託が成功するかどうかは、手数料と信託報酬が関係していると言っても過言ではありません。
 
運用をスタートする前に、手数料がどの程度かかるかを十分にチェックしましょう。
 
目先の利益にとらわれて購入すると、最終的に手数料の方が高くなり、投資信託に失敗してしまうケースもあります。
 
また、売却する場合にも手数料がかかることがあるため、投資信託を購入する前にしっかりと手数料について把握しておくことが大切です。
 

定期預金と一緒に投資信託を購入

投資信託と定期預金を一緒に申し込むと、特別な金利がつくような投資信託がありますが、受け取る利息よりも手数料の方が非常に高くなっているケースも存在します。
 
例えば、次のような投資信託があったとしましょう。
 
•投資信託と定期預金を一緒に申し込むと特別な金利がつく
•定期預金の金利が年3%になる
•なお、当初の半年間だけは定期預金の特別金利が適用になる
•満期になった後は普通の店頭金利となる
 
このようなケースで、定期預金に100万円を預け、手数料が3.24%の投資信託を100万円購入するとして、計算してみましょう。 
 
100万円の投資信託を購入する場合、購入金額に3.24%を掛けたものと、年間1%~2%の信託報酬をプラスした、約4万円~5万円が手数料となります。 
 
一方、100万円を預けたときの定期預金の1年目の利息としては、半年間3%の特別の金利と半年間0.03%の普通の金利をプラスしたものから、利息の約0.2%のさまざまな税金を差し引きした約1万2千円となります。
 
この結果から、受け取る利息よりも支払う手数料の方が大きくなることがわかります。
 
小さな目先の金利でなく、「手数料のバランスがきちんととれているか」「自分が信用できる投資信託かどうか」「サービス内容は十分かどうか」などの観点から判断することが大切です。
 

新興国債権の投資信託を購入

新興国債権の投資信託は利回りが強調されることが多く、非常に魅力的に感じるかもしれませんが、リスクが潜んでいることを十分に把握しておきましょう。
 
代表的な新興国としては、ブラジル•ロシア•インド•中国•南アフリカの「BRICS」があります。
 
現在、BRICSをはじめとした新興国は急速に発展しているので、投資信託でも大きな利益が期待できるほか、高い利回りで、毎月多くの分配金が受け取れる可能性もあります。
 
しかし、新興国は政治や情勢が安定しないため、為替の急激な変動や大きな市場規模の変化が起きることが多くあり、最悪の場合は多額な損失が発生します。
 
安心•安全に資産を増やしたいと考えているのであれば、新興国債権の投資信託は避けた方が良いでしょう。
 

目先の分配金が高い投資信託を購入

 
毎月分配型の投資信託は、分配金が毎月もらえるということでメリットが大きいように思えますが、毎月分配型のシステムがわかっていないと、後々後悔することになるかもしれません。
 
投資信託の分配金を受け取る場合、以下の項目をしっかりチェックしておきましょう。
 
•分配金は利息のようなものではない
分配金は投資家から集めたお金の中から出されるため、分配金が多く出されるほど、投資した人の資産が少なくなり、基準価額も低下していきます。
 
•分配金を受け取る時にも税金がかかる
分配金を受け取るたびに税金がかかるため、この分の資産が少なくなります。 
 
•分配金は運用によって変わってくる
初めに示された分配金は、運用によって変わってくるもので、預貯金の利息のように一定ではありません。
 
そのため、初めの計算では利益が出ていたはずでも、実際には分配金が少なくなってきて、考えていたような結果にならない可能性もあるので、注意が必要です。

投資信託の失敗事例における共通点とは?

お金について話す人たち
ここまでは、投資信託におけるさまざまな失敗事例について、ご紹介しました。
 
投資信託の失敗事例における共通点としては、以下が挙げられます。 
 

他人任せである

「信じて」「託す」というものが投資信託ですが、基本的に自分のお金は自分の責任で運用をするという考えが大切です。
 

投資信託の内容を把握していない

投資信託を購入する前に、投資信託がどのような形でどこに投資しているかが十分に把握できるまで、前もって学習しておきましょう。
 
また、投資信託のメリットとデメリットを把握しておくことで、考えられるリスクについても回避できるはずです。
 

目先の儲けを重要視する

投資信託は、長期的に運用するために作られているものであることを把握しましょう。
 
“分配金が高い””外貨や新興国銘柄を使った商品”などの投資信託は、値動きが短期的に変わるので、リスクが非常に高いと言えます。
 
リスクをできるだけ避け、資産を安全安心に運用したいのであれば、基本的にシンプルで低コストな投資信託を選んで、長期的な運用を目指すことをオススメします。

投資信託をスタートするときの失敗事例まとめ

ポイント
今回は、投資信託をスタートするときに知っておきたい失敗事例について、紹介してきました。
 
まずは投資信託について十分に知識をつけ、事前に回避できるリスクについてしっかりと対策した上で、投資信託をスタートすることが大切です。
 
これから投資信託を始めようと考えているのであれば、ぜひこの記事を参考にしてみてはいかがでしょうか。

このコラムを書いている人

マンション経営ラボ 編集者

マンション経営ラボ 編集者

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