寄付金控除について

公開日2022/03/06
更新日2022/12/24

大量の1万円札
花粉シーズンが始まっていますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか?
 
ふるさと納税がすっかり主流になっている昨今ですが、実はNPOなどの営利団体へ個人的に寄付した場合にも「寄付金控除」として所得控除を受けられます。
 
今回は、ふるさと納税に比べるとあまり目立たない寄付金控除について解説していきます。

寄付金控除の算出方法

寄付金控除では、実際にどれくらいの額が控除されるのでしょうか?
 
寄付金控除(所得控除)と寄付金特別控除(税額控除)は、それぞれ算出方法が異なります。
 

【所得控除の算出方法】 寄付金控除(所得控除)=寄付金額の合計額-2,000円

【認定NPO法人または公益社団法人などに対する寄付】 税額控除額= (寄附金の額の合計額-2,000円)×40%

【政党や政治資金団体への寄付】 税額控除額= (寄附金の額の合計額-2,000円)×30%

 
所得税額は大まかにいうと、以下のフローで計算されます。
 
⑴ 総所得金額を算出
⑵ 総所得金額から所得控除の合計額を引いて「課税所得金額」を算出
⑶ 課税所得金額に税率をかけて「税額」を算出
⑷ 課税額から税額控除して「申告納税額」を算出
 
上記からわかるように、寄付金額に30%あるいは40%をかけた額が税額控除されることから、所得税率が30%未満あるいは40%未満であれば、寄付金特別控除の方が有利でしょう。

ふるさと納税の場合

ふるさと納税では通常の基本控除に加えて、住民税の特別控除があります。
 
実質2,000円程度の負担で返礼品をもらえるため、人気を集めているふるさと納税の算出方法は以下のとおりです。
 
【所得税】
控除額=(寄付金の念案合計額-2,000円)×所得税率
 
【住民税】
基本分 : 控除額=(寄付金の念案合計額-2,000円)×10%
特別分 : 控除額=(寄付金の念案合計額-2,000円)×(90%-所得税×1.021)
 
寄付金控除、寄付金特別控除、ふるさと納税、いずれかの控除を受ける場合も基本的には確定申告を行わなければなりません。
 
ただし、ふるさと納税には確定申告を行わなくても寄付金控除が受けられる「ワンストップ特別制度」があります。

まとめ

日本では寄付が欧米に比べて大幅に少なく、あまり浸透していない印象です。
 
企業のCSR活動やクラウドファンディングなどの活動を通して、働くモチベーションの向上、より良い商品・サービスを届ける意識を高めることにつながると言われています。
 
また、ステークホルダーとの信頼関係を築き、企業ブランド力の強化につながるとされており、これは個人での寄付でも同様にいえることではないでしょうか。
 
個人レベルでも、寄付活動を通して社会や人とのつながりを実感し、自分自身の価値を高めることができると思います。
 
寄付金控除は税額控除以外のメリットもあるはずなので、積極的に活用していきたいところですね。

このコラムを書いている人

aihara

aihara

東京都府中市生まれ 2級ファイナンシャルプランニング技能士

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