“マンション管理適正化法”が変わります

公開日2022/03/24
更新日2022/03/17


みなさんは、“マンション管理適正化法”をご存じですか?
マンション管理適正化法とは通称で、正式には“マンションの管理の適正化の推進に関する法律”といいます。
 
マンション管理適正化法は、その名の通り、マンションの管理の適正化と良好な住環境の確保を図るため、2020年に施行された法律です。そして、改正法が2022年4月に施行されますが、改正に至った背景とポイントを簡単にまとめたいと思います。

制定の背景

マンションの管理については、2020年にマンション管理適正化法が制定されるまで、主に宅地建物取引業法・建物の区分所有等に関する法律が適用されてきました。
 
しかし、中堅管理会社の倒産によって預けていた修繕積立金が戻ってこないなど、マンション管理についての問題がその当時大きく取り上げられ、このような背景からマンション管理適正化法が誕生しました。
それまで、管理組合の会計業務を行う管理会社には法的なルールがなく、誰でも営業をすることができましたが、マンション管理適正化法の制定によって国土交通省への登録制となったのです。
 
また、マンション管理全般について管理組合からの相談に応じて助言や指導を行う「マンション管理士」という国家資格も創設されることとなりました。

改訂の背景

現在、マンション管理適正化法が制定されてから約20年が経ち、マンションの高経年化、区分管理者の高齢化、長期修繕計画・修繕積立金の不足など、さまざまな問題が発生しています。
国土交通省によると、全国のマンションストック数は約655万戸、築40年超えのマンションは81万戸となっており、10年後には198万戸、20年後には367万戸となる見込みだそうです。
 
今回の法改正の内容は、
①国による基本方針の策定として、国土交通大臣はマンション管理の適正化を推進するための基本的な方針を策定する
②地方自治体は基本方針に基づき、管理の適正化を推進するための施策に関する事項等を定める計画を作成する(任意)
③マンション管理適正化推進計画を作成した地方公共団体は、適切な管理計画を有するマンションを認定する
④地方自治体は管理の適正化のために、必要に応じて、管理組合に対して指導・助言等を行う
 
今回の法改正では、③のいわゆる「マンション管理計画認定制度」の新設が注目されているようです。
わかりやすく言うと、マンションの管理計画が一定の基準を満たすことで、適切な管理計画を持つマンションとして地方公共団体から認定を受けることができる制度です。
これにより管理への意識が高まることが期待されるほか、今までは管理の良し悪しについて客観的に判断する基準がなかったのですが、今後の中古マンションの価値を査定するためのツールになったり、購入の決め手になったりするかもしれません。
 
また、修繕積立金の積立方法についてのガイドラインで、期間中の積立金の額が均等となる“均等積立方式”が望ましいと明記されていました。
しかし、現在ほとんどの分譲マンションが積立金を段階的に増やしていく“段階増額積立方式”を採用しているので、今後どのように変わっていくのか注目していきたいと思います。

まとめ

今回の法改正により、個人の所有物であるマンションの管理に行政も関わりを持つようになりました。
 
マンション管理適正法はあまり馴染みのない法律だと思いますが、マンションの管理の質が上がることでマンションの資産価値は間違いなく上がるので、マンションの居住者だけではなく投資家としても着目したい法改正ですね。

このコラムを書いている人

sakamoto

sakamoto

1985年 愛媛県今治市生まれ 宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、管理業務主任者、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、簿記2級、JNA日本ネイリスト協会本部認定講師

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