介護休業法をご存じですか?
みなさんは、「育児・介護休業法」をご存知でしょうか。
育児休業は知っていても、介護休業についてはくわしく知らない方も多いのではないでしょうか。
同じ法律でも、育児休業と介護休業は趣旨が違います。
育児休業は「自分で子を養育するための期間」、一方で介護休業は「自分で家族を介護するのではなく、仕事と介護を両立するための体制を整える期間」と言われています。
今回は、育児・介護休業法に定められている介護休業について、ご紹介します。
介護休業とは
介護休業とは、労働者が要介護状態にある対象家族を介護するための休業期間のこと。
つまり、父母や配偶者、配偶者の父母などの対象家族が要介護状態になったとき、対象家族1人につき3回まで、通算93日間会社を休むことができるという制度です。
要介護状態というのは、負傷、疾病または身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態のことで、公的介護保険では要介護2以上が当てはまります。
介護休業を取得する際は、原則として開始予定日の2週間前までに会社に申し出る必要があります。
総務省の「就業構造基本調査 2017年」によると、介護休業などの制度を利用した雇用者はわずか9%しかいないという調査結果になりました。
会社内の制度が整備されていなかったり、制度があっても社員が知らなかったりとさまざまな理由が挙げられています。
介護休業中の賃金について法的な定めはなく、会社の規定により異なりますが、介護休業の場合は介護休業給付金制度を利用できます。
介護給付金について
以下の条件を満たせば、雇用保険から介護給付金を受け取ることができます。
支給の条件
・介護休業開始日前の2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上の月が12ヶ月以上あること
・介護休業中、就業日数が10日以下であること
・介護休業中の賃金が、休業前の賃金の80%未満であること
給付金は休業前の賃金月額の原則67%で、支給上限は現在約33万円となっています。
介護休業給付金の支給額は、下記の計算式で算出可能です。
・休業開始時賃金日額×支給日数×67%
支給額には上限があり、毎年8月1日に支給限度額が見直されます。
令和3年8月1日時点の支給限度額は、332,253円となっています。
まとめ
家族の介護のために会社を休まないといけない状況になった時に、介護を支援する制度を事前に知っておくことは大きな強みとなります。
介護で会社を休むと立場が悪くなるのではと心配になるかもしれませんが、事業主が介護休業の取得を理由に不利益な扱いをすることは、法律で禁止されています。
介護離職を防ぐためにもこうした制度があることを知っておき、活用してみてはいかがでしょうか。
このコラムを書いている人
YI
神奈川県出身 保有資格:宅地建物取引士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士
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