不動産投資の節税は本当に嘘?根拠と真相を徹底解説
投稿日2019/03/12

不動産投資には節税効果があるという話から逆に『実際には嘘』という主張まで、さまざまな情報が飛び交っています。
本当に節税ができるのかどうかは、税制の仕組みや投資対象となる物件の種類などによって変わるため、一概に断定できません。だからこそ、正しい知識と計画的な運用が必要になってきます。
本記事では、不動産投資の節税が嘘と言われる背景を整理すると同時に、実際に節税を実現するための仕組みやポイントを詳しく解説します。
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不動産投資で節税が「嘘」と言われる理由
不動産投資は節税になるとよく言われますが、実際にはそうではないという声も少なくありません。ここでは、その背景や理由を解き明かしていきます。
不動産投資による節税効果は、過去の税制や高額所得者向けの優遇が大きく影響しています。
しかし法改正により損益通算などの制度が厳格化される傾向があり、思ったほどの節税効果を得られなくなったケースも増えました。
また、節税目的だけにフォーカスしてしまうと、物件の収益性や空室リスクなど本来考慮すべきリスク管理がおろそかになり、結果として「節税が嘘だった」と感じる可能性があります。
1. 初年度の減価償却に過度な期待がある
不動産投資で大きな節税効果を実感する最初のポイントとして挙げられるのが減価償却です。
特に初年度は建物の価値を大きく償却し、書面上の経費を増やすことで所得を圧縮できるケースがあります。
しかし、これはあくまで一時的な効果に過ぎず、長期的には年々償却額が減っていくため、期待以下の節税につながる可能性も否定できません。
投資前に、初年度だけの効果に過度な期待を抱かないことが重要です。
2. 法改正による節税効果の低減
減価償却や損益通算のルールは、国の財政や不動産市場の動向に応じて見直しが行われます。
以前は中古物件の耐用年数が優遇されていたため、大幅な減価償却費を計上しやすい時期もありました。
ところが、近年の法改正によって厳格化が進み、思うような節税メリットを得られなくなった投資家も少なくありません。
こうした改正動向を常に把握していないと、投資計画が狂い「嘘だった」という誤解につながる可能性があります。
3. ローン返済の元本は経費にできない
不動産投資におけるローン返済は、利息部分のみが経費として計上でき、元本部分は経費に算入されません。
そのため、毎月の返済額そのものを見ていると大きな経費が認められているような錯覚に陥りがちです。
実際にはキャッシュフローの管理がより重要で、元本返済に伴う支出を正確に認識しなければ、資金繰りを誤り大きな負担を抱える可能性があります。
4. 土地は減価償却できない
不動産投資で建物部分の減価償却を行うことは可能ですが、土地は経年劣化しない資産として扱われるため減価償却が認められていません。
その結果、購入価格の多くを土地代が占める場合、想定したほど経費を計上できないことが多々あります。
土地の評価額ばかりが高い物件を選ぶと、節税の恩恵は少なくなり、実利回り面でも不利になる恐れがあります。
投資判断の際は、建物と土地のバランスや将来的な収益性を見極めることが大切です。
5. 空室リスクや修繕費による想定外の持ち出しで節税以上の費用が発生
不動産投資で得られる家賃収入は、空室リスクや修繕費の増大によって想定外に減少することがあります。
特に大規模修繕等が必要になった場合、節税以上にコストがかさみ、キャッシュフローが大幅に悪化する可能性があるのです。
表面的な節税効果だけに注目していると、このような持ち出しリスクを見逃しがちになります。
結果として「節税どころか余計な出費が増えた」と後悔する事態にもなりかねません。
山丸慎太郎
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不動産投資が節税として機能する4つの仕組み
節税が「嘘」と言われる一方で、正しく理解・活用すれば効果的な節税手段となるのも事実です。
ここでは、不動産投資が節税として機能する具体的仕組みを紹介します。
不動産投資による節税効果は、税制の隙間や経費計上の仕組みを上手に活用することで生み出されます。
特に高い税率が適用される高年収者や、相続を見据えた財産形成を行おうとする人にとっては、大きなメリットを得やすいのが特徴です。
制度改正の影響や物件選びの失敗を避けるためには、不動産の経年劣化や空室リスクといった要素まで含め、長期視点でのプランニングが欠かせません。
1. 減価償却を活用した損益通算
建物部分の減価償却を行うと、見かけ上の経費を増やすことができ、他の所得と合わせて損益通算することで所得税や住民税の負担を軽減できます。
特に中古の物件は耐用年数の短さから、比較的短期間で大きな償却費を計上できる場合があります。
ただし、耐用年数が切れるタイミングで減価償却が終了すると節税効果は落ち着き、家賃収入からの純利益が増える可能性も考慮が必要です。
最適な時期や物件構造を踏まえた計画的な運用が重要となります。
2. 不動産所得として経費計上できる項目を正しく把握
不動産投資では、管理費や修繕費、ローンの利息、固定資産税などさまざまな支出を経費として計上することが可能です。
これらを正確かつ漏れなく計上することで、課税所得を下げて節税につながる仕組みです。
ただし、経費として認められない項目を安易に計上すると、のちの税務調査でトラブルになるため注意が必要です。
3. 相続税・贈与税対策に活かせる
現金や預金の場合そのままの評価額で相続税が計算されますが、不動産を保有している場合、相続税評価額は実勢価格より低く算定されるのが一般的です。
さらに、賃貸中の建物は貸家建付地として評価され、相続税評価額がさらに下がることがあります。
結果として、相続や贈与の場面で大きな税負担の軽減が期待できます。
しかし、相続税対策を目的に不動産を購入する場合も、賃貸需要のあるエリアや物件選定を慎重に行う必要があります。
4. 青色申告特別控除による節税
個人事業として青色申告を行えば、不動産所得に対して最大65万円の特別控除が適用されます。
これにより、実質的な納税額を抑えることが期待でき、節税メリットが大きくなります。
帳簿の作成や申告手続きがやや煩雑になるものの、正しい知識とサポートを活用すれば大きな負担にはなりません。
予め税理士や専門家に相談して制度の要件をきちんと満たすことで、トラブルを回避しつつ節税を実現できます。
節税目的だけで失敗する不動産投資の事例
安易に「節税になるから」と物件を購入すると、かえって大きな損失を招くこともあります。ここでは、特に注意すべき失敗事例を紹介します。
不動産投資はあくまで事業であり、収益と支出のバランスを整えて初めて効果を発揮します。
節税メリットのみを追いかけて物件を買ってしまうと、運用コストや空室リスクを見落とし、結果的に負債が増える場合も少なくありません。このような失敗を防ぐために、具体的な成功・失敗事例を知っておくことは有効な手段です。
節税分以上に持ち出し負担が大きくなったケース
初年度の減価償却効果や税金の還付を期待して、資金計画を明確にしないまま物件を購入してしまう投資家がいます。
ところが、実際には修繕費や管理費、空室時の家賃損失といった支出が徐々に増え、節税で得られるメリット以上にコストがかさんでしまう事態が起こります。
特に築年数が古い物件では、想定外の修理や補修が必要になるケースが増えます。
最終的には毎月のキャッシュフローがマイナスとなり、家計を圧迫する結果につながってしまうのです。
中古物件の修繕費増大で赤字が膨らんだパターン
中古物件を購入する際、表面的な利回りだけを見て飛びつくと、蓄積された劣化による修繕費がかさむことがあります。
特に水回りや屋根、外壁などの大規模改修が必要な場合、当初見積もっていた費用の何倍にも達することも珍しくありません。
こうした修繕コストが想定外に発生すると、節税効果を打ち消すほどの赤字を生み出すリスクが高まります。
急な売却時に想定以上の税金が発生した事例
投資開始後、急な出費やライフプランの変化によって物件を売却しなければならないケースもあるでしょう。
短期間で売却すると、譲渡所得税の課税率が高く設定されており、思わぬ税負担が生じる可能性があります。
さらに、売却時に仲介手数料などの諸経費が発生し、トータルコストが予想以上に膨らむこともあります。
結果として、節税目的で購入したはずの不動産が、短期的な運用では大きな損失を生む原因になることを理解しておく必要があります。
節税効果を最大化するための5つのポイント
節税目的だけにとらわれるのではなく、長期的な運用を見据えて投資判断を行うことが重要です。以下では、実際に効果を高めるためのポイントを確認します。
税制の恩恵を最大化するには、投資計画や運営管理を最適化する必要があります。
単なる税負担の軽減だけでなく、物件の収益性や将来の修繕費やローン返済計画も総合的に見渡すことが重要です。
これらのポイントをバランス良く押さえることで、リスクとリターンの両面から納得感のある投資を実現できます。
✅ポイント1:長期的なキャッシュフローを重視する
✅ポイント2:適切な利回りと返済計画を把握する
✅ポイント3:メリット・デメリットを正確に認識する
✅ポイント4:信頼できる不動産会社を選ぶ
✅ポイント5:相続・贈与も視野に入れたプランニング
ポイント1:長期的なキャッシュフローを重視する
投資判断では、目先の税金還付額や減価償却費の大きさだけでなく、長期的な家賃収入と支出のバランスを考えることが欠かせません。
空室リスクや修繕費用の増加、そのほか突発的な出費を考慮したうえで、キャッシュフローに余裕を持たせる計画が必要です。
家賃収入が安定していれば、節税がある程度落ち着いた後も安定的な収益を確保でき、投資全体のリスクが抑えられます。
ポイント2:適切な利回りと返済計画を把握する
投資物件を選ぶ際は、表面利回りだけでなく実質利回りや返済比率も総合的に検討しましょう。
金利が上昇局面にある場合は、ローンの支払いが増えるリスクを考えた上で、返済計画に余裕を持たせることが重要です。
適切な利回りを見極めた上で無理のないローンを組むことで、節税効果と安定したキャッシュフローの両立が期待できます。
ポイント3:メリット・デメリットを正確に認識する
不動産投資には、減価償却を利用した損益通算や相続税対策などのメリットがありますが、同時に空室リスクや家賃下落リスクも存在します。
自分の収支バランスやライフプランに照らし合わせ、リスクを取れる範囲で投資を行うことが大切です。
メリットのみを追求すると失敗の可能性が高まるため、客観的な数字をもとに判断する冷静さが求められます。
ポイント4:信頼できる不動産会社を選ぶ
不動産会社の選択は、情報収集やアフターフォローの充実度など多方面にわたって影響します。
透明性のある価格設定や修繕履歴の共有、リスク面の丁寧な説明などを行う会社であれば、投資家として安心感を得られます。
実際に契約を結ぶ前には、複数社を比較し、その対応や提案内容を見極めることが無難です。
ポイント5:相続・贈与も視野に入れたプランニング
不動産投資は相続税対策としても注目されやすく、贈与や世代交代を考慮しながら運用計画を立てることがポイントです。
適切な時期に資産を移転し、評価額を抑えることができれば、将来的な税負担を大幅に減らせる可能性があります。
現金資産よりも不動産の評価を低く抑えられるメリットを最大限活用するには、税理士や専門家の助言を得ながら慎重に検討することが求められます。
巧妙なセールストークに騙されないためのチェックリスト
不動産投資にはリスクがあるにもかかわらず、メリットばかりを強調する営業トークも存在します。
ここでは、そんなトークに惑わされないためのチェック項目をまとめます。
セールストークをそのまま信じ込んでしまうと、後から明らかになるリスクやコストに驚かされることになりかねません。
投資家の立場で正しい情報をキャッチし、不動産会社や営業マンのスタンスをしっかり見極めることが大切です。
次に示すチェックポイントを活かして、より安全な投資判断を下しましょう。
デメリットやリスクをしっかり開示しているか
優良な不動産会社や担当者は、節税メリットだけでなく空室リスクや修繕リスクなど、投資に伴うデメリットも正直に説明してくれます。
注意喚起をすることで投資家にマイナスイメージを持たせる可能性があるのに、それでもリスク共有をする姿勢は信頼につながります。
表面的なことや、良い面しか話さない営業トークには注意が必要です。
投資家の年収・資産状況に合わせたプランか
不動産投資の魅力は、人によって感じ方が異なるため、営業担当が投資家の年収や資産状況を正確に把握しているかがポイントです。
適切なローン枠や必要経費を踏まえ、無理のない投資プランを提案してくれるのであれば、リスクも相応に抑えられます。
営業成績のために年収や資産を無視した高額投資をすすめるような場合は要注意と言えます。
過度な「節税」メリットのみを強調していないか
節税効果は不動産投資の特徴の一部であるものの、実際には多くの前提条件が必要です。
ローンの返済計画や物件管理に手間がかかることもあり、短期間で大きな節税を得るのは簡単ではありません。
節税だけを殊更にアピールする営業トークは、リスクを軽視している可能性が高いので、疑問点はしっかり確認する姿勢を保ちましょう。
実際に運用している投資家の事例や口コミを確認
投資を始める際には、実際に運用中の投資家の声や第三者の口コミを参考にするのが有効です。
成功事例だけでなく、失敗例やトラブルにどう対処したかも把握することで、業者の対応力や物件の真の魅力が見えてきます。
口コミはあくまで主観的なものが多いですが、複数の意見を集めれば傾向や信頼度を推測しやすくなります。
不動産投資で節税が期待できる人・できない人
すべての人にとって不動産投資が最適な節税策というわけではありません。ここでは、特に効果を得やすい人と、慎重に検討すべき人の特徴を整理します。
不動産投資は税制上のメリットを得られる可能性がありますが、収入や資産状況によって大きく効果が変わります。
高年収や課税所得が大きいほど節税効果を得やすい
不動産投資の損益通算によって所得が下がれば、税率の高い高年収者ほど納税額を圧縮しやすくなります。
また、住民税も下がることで複合的な節税効果が期待できます。
所得が高い場合は、不動産投資で生じる経費を十分に吸収しやすいところもメリットとなるでしょう。
相続税対策を検討している場合
不動産を活用すると、現金と比較して相続税評価額を抑えられるため、大きな財産を持つ家庭では軽減効果が顕著に表れます。
特に都心立地のマンションや賃貸需要の高い物件であれば、将来的な資産価値を維持しつつ評価額を低く抑えられる可能性があります。
相続対策として購入した物件を賃貸することで、相続後も安定した収入を得られる点も魅力です。
ローン返済負担や家計に余裕がない人は要注意
不動産投資はキャッシュフロー管理が大きな課題となる投資形態のため、家計に余裕がない状況で参入すると返済負担が重くのしかかることがあります。
空室や修繕費用など、思わぬ出費が発生すると毎月の生活費を脅かしかねません。
財務的な余裕がないと、節税どころか物件を手放さざるを得なくなる危険性もあり、慎重な判断が必要です。
まとめ
不動産投資の節税効果は一概に嘘とは言えませんが、リスクを伴う投資であることも確かです。
本記事で紹介したポイントを踏まえ、十分な情報収集と計画に基づいた不動産投資を検討してください。
不動産投資は節税効果を狙える手段の一つですが、法改正の動向や空室リスクなど、考慮すべき要素は多岐にわたります。
一時的に税金が抑えられても、修繕費や資金繰りの問題が発生するとトータルの収支は悪化する可能性があります。
特に、高年収や相続対策を目的とする場合は大きなメリットを得られる半面、慎重な計画が求められます。投資の目的を明確にし、様々なシミュレーションを行ったうえで行動することが、後悔を防ぐためのカギとなるでしょう。
\ FGHにおまかせ /
宅地建物取引士 / 賃貸不動産経営管理士 / 住宅ローンアドバイザー
株式会社FGH 代表取締役社長
株式会社アーバンフォース 代表取締役社長
2007年2月フォースグループ創業以来、投資用不動産仲介の第一線でキャリアを積む。
中古ワンルームマンションはもちろん、不動産全般に関する多岐にわたる経験と知識でお客様からの信頼も厚い。
これまで400名以上のお客様の資産形成のお手伝いをしている。
このコラムを書いている人

マンション経営ラボ 編集者
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