ワンルームマンション投資の確定申告方法!メリット・手続き・必要書類まで徹底解説
【目次】

ワンルームマンション投資で生じる収入を正しく申告することは、税負担の軽減につながる重要なポイントです。
とりわけ給与所得がある場合や不動産所得が年間20万円を超える場合、確定申告は避けて通れません。投資成果を最大化するためにも、確定申告の手順や要点をしっかり押さえておきましょう。
オーナー様の中には、物件購入時から不動産業者や提携の税理士に丸投げしている方もいらっしゃるでしょう。(サポートしてくれたのは初年度だけで、いつの間にか音信不通、というケースもあるそうですよ!)
しかし、自分で申告書を作成することで不動産にかかる経費の構造や実際のキャッシュフローがよりクリアになります。ご自身の資産がどう動いているのかを正確に把握することが今後の資産形成に大いに役立つと思います。
確定申告が初めてという方でも心配いりません。本記事では必要書類やスケジュール、注意点をわかりやすく解説します。
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ワンルームマンション投資で確定申告が必要となるケース
まずは、ワンルームマンション投資において、どのようなケースで確定申告が必要になるのかを具体的に見ていきましょう。
確定申告の要否は、一般に不動産所得の金額とご自身の収入などによって異なります。
給与所得者ならば、本業の給与から源泉徴収されていても、不動産所得が20万円を超える場合に確定申告が必要です。
専業投資家の場合は原則としてすべての不動産収入を申告しなければならず、その所得状況により住民税や事業税も変動します。
会社員・給与所得者の場合
会社員の場合、給与から源泉徴収されているため、通常は確定申告不要と思われがちです。
しかし、ワンルームマンション投資による不動産所得が年間20万円を超えると、給与との合計所得を税務署に申告する義務があります。
家賃収入を正しく把握し、経費を漏れなく計上することで、節税対策に役立てましょう。
専業投資家の場合
専業投資家は、給与所得がない代わりに、不動産所得が主な収入源となるケースがほとんどです。原則として不動産所得について、金額の多少に関わらず確定申告を行う必要があります。
確定申告を怠ると、後々の追徴課税や融資審査への悪影響など、さまざまなリスクが生じるため注意が必要です。
青色申告と白色申告の違いを知ろう
確定申告には青色申告と白色申告があり、それぞれに独自のメリット・デメリットがあります。どちらを選ぶかが節税効果を左右するため、特徴をしっかり理解しておきましょう。
青色申告は、一定の帳簿作成や複式簿記の導入が必要ですが、その分大きな控除額を得られる可能性がある制度です。
一方、白色申告は手続きが比較的簡単ですが、節税面での恩恵は限られます。物件の管理形態や将来的な投資拡大を見据え、自身に合った申告方法を選択しましょう。
青色申告のメリット・デメリットや注意点は?
白色申告より税制面で有利と言われる青色申告ですが、注意点や押さえておかなければいけないポイントがあります。
青色申告のメリット・デメリットについて確認していきましょう。
青色申告のメリット
✅最大65万円の特別控除を受けることができる
✅赤字を3年間繰り越せる
✅青色事業専業従事者給与
✅少額減価償却資産を経費化することができる
青色申告では、最大65万円の特別控除を受けることができます。
ただし、最大控除を受けるためには複式簿記での記帳と決算書を整えることが必須です。
簡易簿記のみで対応する場合でも10万円の控除が認められ、いずれにしても所得税の負担が軽くなるのが大きなメリットです。
青色申告のデメリット
✅記帳・帳簿作成が複雑
✅事業会社から2ヶ月以内の事前申請が必要
✅帳簿を7年間保存する義務がある
青色申告で最大の控除を受けるには、複式簿記による正確な記帳が必要です。
仕訳帳や総勘定元帳を作成し、毎日の入金と出金、資産や負債をしっかり把握することが求められます。
帳簿が不完全な場合、青色申告の特典が取り消されてしまうリスクがあります。
青色申告を行うための条件と注意点
青色申告を活用するためには、所定の期限内に届出を出し、帳簿をきちんと整える必要があります。
優遇を確実に活かすために、あらかじめ手続きを確認しておきましょう。
青色申告を選択すると、さまざまな控除や損失繰り延べなどの制度を利用できるため、長期的な節税効果が期待できます。
しかし、その分帳簿の整備や申請手続きが複雑になるため、初めて申告する場合は早めに準備することが大切です。
届出の締切や書類の不備など、些細なミスが後々大きな損失につながる可能性もあるため注意しましょう。
申告書の提出期限は、3月15日までとなります。
青色申告承認申請書の提出期限
青色申告を始めるためには、原則事業開始から2ヵ月以内に「青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要があります。
もし提出期限を逃してしまうと、その年度は白色申告でしか申告できなくなります。
すでにワンルームマンション投資をしていて翌年度から青色申告を選択したい場合は、年度末までに申請を検討することがおすすめです。
白色申告のメリット・デメリットや注意点は?
次に、白色申告のメリット・デメリットについて確認していきましょう。
白色申告のメリット
✅青色申告に比べて記帳が簡単
✅事前申請不要
白色申告の最大の特長は、簿記の知識や手続きが比較的簡単である点です。
ただ、その代わりに大きな控除がないため、取得できる節税効果は限定的です。
特に今後の不動産投資を拡大する可能性がある方は、長期的な視点で青色申告への切り替えを検討するのも一案です。
白色申告のデメリット
✅青色申告特別控除(最大65万円)が使えない
✅赤字の繰り越しができない
✅節税効果が小さい
白色申告を行うための条件と注意点
白色申告の場合は、青色申告ほど条件は厳しくなく、事前の申請などは必要ありません。
しかし、白色申告の場合も青色申告程細かくはないにせよ収入や経費を記録する帳簿は必要です。
提出期限は青色申告と同じ、3月15日までとなります。
ワンルームマンション投資の確定申告に必要な書類
必要書類を事前に揃えておけば、確定申告の作業をスムーズに進めることができます。収入関係や経費関係、各種控除の証明に関する書類を整理しておきましょう。
ワンルームマンション投資では、不動産所得を算出するための収入・経費の書類が必須となります。
領収書や契約書、保険料控除証明書などは紛失すると修正申告が必要になる可能性があるため、日頃からしっかり保管しましょう。
特にローン返済が絡む場合は、金利部分の明細も重要な経費となるため、抜け漏れがないよう注意が必要です。
収入に関する書類
家賃収入を確認できる書類としては、管理会社からの送金明細や銀行通帳の入金履歴が挙げられます。
賃貸借契約書のコピーも、契約期間や家賃金額を証明する資料として有用です。こうした書類を準備しておくことで、申告時に正確な収入額を算出しやすくなります。
経費計上に必要な領収書や契約書
不動産投資に要する支出には、管理費や修繕費、固定資産税、ローンの利息などがあります。
これらを経費として計上するためには、各支出の根拠となる領収書や契約書が重要です。
適切な整理と保管を怠ると、申告時に経費を十分に認めてもらえない恐れがあるため、普段からこまめに管理しましょう。
控除を受けるための資料(保険料控除証明書など)
ワンルームマンション投資に関連する各種保険に加入している場合、保険料控除証明書を申告に使うことで税額が軽減されることがあります。
年末調整で処理しきれなかった生命保険や地震保険などがあれば、確定申告で併せて手続きすることが可能です。
きちんとファイリングしておくことで、確定申告時に手間取らずに済むでしょう。

ワンルームマンション投資における確定申告の流れ
確定申告は複数のステップを踏んで行う必要があり、それぞれで必要書類や手続きが異なります。
流れを押さえておくと、期限内にスムーズに手続きを終えやすくなります。
まずは1年間の収支を整理し、決算書や収支内訳書を作成します。次に確定申告書本体へ必要事項を記載し、税務署やe-Taxから提出するのが一般的です。
年度によって提出期限が多少前後することがありますが、大抵は3月15日までとなっているため、遅れないよう十分に注意しましょう。
1. 決算書・収支内訳書の作成
経理処理の基本となるのが決算書や収支内訳書です。
家賃収入や管理費、ローン利息などの経費を正確に集計するためには、日々の入出金を記録した帳簿が不可欠です。最初の段階できちんと仕分けすることで、後の申告作業が格段に楽になります。
2. 確定申告書の作成
作成した決算書や収支内訳書をもとに、不動産所得欄など必要項目を誤りなく転記します。
数字の転記ミスや控除額の入力漏れはよくあるトラブルであり、後日修正申告が必要になることも珍しくありません。
税務署の窓口やe-Taxを活用しながら、確認作業を丁寧に行うことがポイントです。
3.必要書類を提出する
原則的には毎年3月15日が所得税の確定申告期限とされていますが、土日祝日に重なる場合は前後する場合があります。
提出方法は税務署への郵送、窓口持参、e-Taxのいずれでも可能です。
期限を過ぎると、無申告加算税や延滞税などの追加負担が発生する恐れがあるため、早めの対応を心掛けましょう。
4. 申告漏れ・遅延時のリスクとペナルティ
申告をしなかったり、提出期限をすぎてから申告した場合には、無申告加算税や延滞税が課せられることがあります。
追徴課税は費用負担が大きくなるだけでなく、今後の税務調査リスクを高める可能性も否定できません。
事前に必要書類を揃え、期限内に提出を完了させるのが何よりも重要です。
ワンルームマンション投資で活用できる主な節税策
不動産投資は、経費や各種控除をうまく利用することで、最終的な課税所得を低く抑えることが可能です。
代表的な方法を押さえて、有利に投資を進めましょう。
現金収支を大きく変動させずに、課税所得を軽減できる仕組みとして減価償却や損益通算があります。
物件ごとに耐用年数が異なるため、減価償却費の計算は正確に行う必要があります。
また、修繕費や保険料なども適切に経費計上することで、トータルの所得税・住民税の負担を抑えられます。
損益通算による税負担軽減
不動産所得が赤字の場合、他の所得(たとえば給与所得)と合算して所得税負担を軽減する方法が損益通算です。
赤字分が大きければ、結果として納める税額を減らせる可能性があります。
ただし、将来的に不動産所得が黒字化した際や物件売却時の税務処理なども考慮し、長期的な視点で計画を立てることが望ましいでしょう。
減価償却費の計上による税負担軽減
建物や設備は時間の経過とともに価値が減少すると考えられ、その分を経費として計上できるのが減価償却です。
表面的に見ると赤字でも、実際には現金は減っていないケースがあるため、税負担の軽減に効果的です。
耐用年数や算出方法を誤ってしまうと、後の修正申告になるリスクがあるため、正確な計算を心掛けましょう。
貸倒引当金や修繕費をこまめに計上する
入居者が家賃を滞納した場合のリスクを考え、貸倒引当金として将来的な損失を見込む方法もあります。
さらに、修繕費をこまめに計上すれば、投資用不動産の品質維持と節税を同時に図ることが可能です。
経費を見直す際には、投資の長期的な価値保証と税負担軽減のバランスをとりつつ活用しましょう。
確定申告を怠った場合どのようなリスクがある?
不動産所得を正しく申告しない場合、追徴課税をはじめとするさまざまなトラブルを引き起こす可能性があります。
リスクの詳細を押さえておき、早めの対応を計画しましょう。
どんなに収益が少ない場合でも、申告をしなければ税務当局が後から調査に動く可能性があります。
大きな問題になる前に、日頃から帳簿の記帳と書類管理を徹底しておくことが重要です。
税務調査が入ると多大な時間と労力を要するため、正しく申告を行うことが一番の防御策となります。
追徴課税や無申告加算税の可能性
確定申告を行わない、あるいは所得を過少申告した場合、無申告加算税や重加算税などのペナルティが課されることがあります。
これらの税額は決して少額ではなく、資金繰りに影響を及ぼす可能性も高いです。
円滑な投資活動を続けるためにも、期限内申告を徹底することが欠かせません。
金融機関ローンへの影響
不動産投資を継続的に行うためには、追加のローンによる物件取得が有効な手段になる場合があります。
しかし、確定申告を怠り納税証明が出せないと、金融機関からの評価が下がり、融資審査にも悪影響を及ぼします。
将来の投資拡大を考えるのであれば、毎年の確定申告を欠かさず行い、融資審査に必要な書類を整えておきましょう。
まとめ・総括
ワンルームマンション投資で安定的な利益を得るためには、正確で適切な確定申告が欠かせません。各制度の特徴を理解し、書類をしっかりと整備しておくことが大切です。
給与所得者の場合、不動産所得が20万円を超えると確定申告が必要となり、専業投資家であれば収益の大小にかかわらず申告が必須です。
青色申告は手間がかかるものの、65万円控除や損失繰越など優遇措置が多く、長期的な節税効果が期待できます。
確定申告を行わないリスクは追徴課税や金融機関ローンへの悪影響などさまざまなので、毎年の期限管理と書類整理を徹底し、投資成果の最大化を目指しましょう。

宅地建物取引士 / 賃貸不動産経営管理士 / 住宅ローンアドバイザー
株式会社FGH 代表取締役社長
株式会社アーバンフォース 代表取締役社長
2007年2月フォースグループ創業以来、投資用不動産仲介の第一線でキャリアを積む。
中古ワンルームマンションはもちろん、不動産全般に関する多岐にわたる経験と知識でお客様からの信頼も厚い。
これまで400名以上のお客様の資産形成のお手伝いをしている。
\ FGHにおまかせ /
このコラムを書いている人

Sayuri Takahashi
マーケティング部 保有資格:宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士/2級ファイナンシャルプランニング技能士/インテリアコーディネーター
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