ワンルームマンション投資で損切りを検討する前に知っておきたい基礎知識

公開日2025/09/02
更新日2025/09/02

ワンルームマンション投資で損切りを検討する前に知っておきたい基礎知識
ワンルームマンション投資は比較的少額から始められるため、多くの人が資産形成の一環として取り入れやすい手法といえます。ただし、市場動向や物件の管理状態によっては赤字運用に陥り、やむを得ず損切りを検討しなければならない場合もあります。
こうしたリスクをしっかり理解し、必要に応じて適切な判断を下すためにまずは基礎知識を整理しておきましょう。

損切りとは、投資の損失が拡大する前にあえて損失を確定させることで、さらなる悪化を防ぐ戦略的な売却行為を指します。
ワンルームマンション投資では空室や家賃の下落などにより慢性的な赤字が続いたり、大きな修繕費を要してキャッシュフローがひっ迫したりする場面で、損切りが検討されることがあります。投資目的や資金状況によっては、決断のタイミングが重要です。

この記事では、ワンルームマンション投資が赤字になる原因や損切りを行うメリット・デメリット、さらにはそれを回避するための物件選びや運用方法を解説します。
基礎知識を押さえておけば、不測の事態が発生しても慌てずにリスクヘッジできるようになります。最適な運用を目指すうえで、ぜひ参考にしてください。
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そもそも損切りとは?ワンルームマンション投資における意味と背景

まずは損切りの定義や、投資においてどのような場面で行われるのかを理解しましょう。
 

ワンルームマンションの「損切り」とは?

ワンルームマンション投資における損切りとは、物件の収支が悪化している状況下で、あえて売却して損失を確定させることを指します。
通常、投資家は家賃収入などのインカムゲインを重視しますが、赤字が長期化するとローン返済や維持費に影響し、資金繰りが難しくなる可能性があります。
そのため、状況を冷静に見極めて早めに見切りをつけ、さらなる損失を回避する戦略が損切りです。

投資の世界では、株式やFXなどでも同様に損切りの考え方が使われています。損失を確定させる行為は心理的にも抵抗がある一方、長期的な視点からは資金を他の投資に振り向ける機会を確保するうえでも有効です。

ただし、損切りには売却コストや次に選ぶ投資リスクも伴います。
焦って損切りをしてしまうと、市場価格を下回る安値で売却してしまう場合もあり得ます。
そのため、安易に決断するのではなく、まずはなぜ赤字になっているのかを分析し、改善策の余地があるかどうかを見極めることが大切です。

ワンルームマンション投資が赤字になる主な原因

赤字経営に陥る理由を整理して、今後のリスク回避や改善策を検討する材料とします。
以下のような原因が考えられます。ご自身の物件にリスクの芽がないかチェックしてみましょう。
✅空室率の上昇や家賃の下落
✅予想外の修繕費や管理費の負担増
✅大規模修繕や周辺エリアの資産価値下落
✅ローン借入金利の上昇
 

空室率の上昇や家賃の下落

ワンルームマンション投資において最もリスクとなるのが空室率の高さです。
入居者が途切れると家賃収入がゼロになり、その期間もローン返済や管理費などのコストは発生するため、収支が一気に悪化します。
さらに競合物件の増加や周辺相場の影響で家賃を下げざるを得なくなる場合もあり、家賃収入の安定性が損なわれると赤字運用が長期化してしまいます。

こうした事態を避けるためには、立地条件と需要を十分に見極めることが大切です。駅からのアクセスが良い物件や大学や企業が多いエリアでは一定の需要が見込めますが、家賃設定には注意が必要です。
 

予想外の修繕費や管理費の負担増

築年数を重ねると、配管や設備の故障などが起こりやすくなり、大きな修繕費が必要となる場合があります。
突発的な出費はキャッシュフローを一気に圧迫するため、修繕積立金だけではまかないきれないとリスクが高まります。予防保全や日常的な点検を徹底していなかった場合、想定以上の費用がかかることも珍しくありません。

また、修繕積立金の値上げも赤字を招く要因になります。管理組合の事情や建物の老朽化により、管理費や修繕積立金の積み増しが決まるケースもあり得ます。
購入時に想定していた費用と実際の費用が大きく異なるとキャッシュフローが崩れるため、将来的な管理コストの増加も十分に見越しておく必要があります。

マンション全体として定期的に行われる大規模修繕は、マンション維持のためには欠かせないものですが、場合によっては想定外の追加費用が発生することがあります。
特に建物構造に深刻な問題が見つかった場合、大規模な工事費用を一時的に負担しなければならないケースもあり、その間は入居者の退去リスクが高まることも考えられます。

社長

代表取締役社長
山丸慎太郎

私たちFGHは、日々多様なワンルームマンションと向き合っています。
修繕積立金の水準や物件規模、マンションシリーズの特徴などから、将来の負担をある程度予測することが可能です。気になる点があれば、ぜひお気軽にご相談ください。

 

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周辺エリアの資産価値下落

エリア全体の資産価値が下がった場合、売却価格も思うように伸びずにローン残債を下回る恐れが出てきます。
人口減少や周辺の再開発失敗など、地域要因がワンルームマンション投資の価値を左右する点を見逃せません。
こうした外部環境の変化はオーナー様個人ではコントロールしづらいため、購入前のエリア選定や地域の将来性を見極めることが必須です。

購入後も、周辺や近隣エリアの再開発の情報をキャッチアップしていくことが大切です。
また、人口動向については既に2050年までの試算がされているため、あらかじめ把握しておきましょう。
東京の中でも一部のエリアや地方都市などでは総人口・生産年齢人口が共に減少が始まっています。
 

エリアごとのワンルームマンションの特徴をみてみる

 

ローン借入金利の上昇

ワンルームマンション購入時に変動ローンで借り入れしている場合、金利の変動により返済額が急に上がってしまいキャッシュフローを圧迫してしまうことがあります。

例えば、借入金額:2,000万円 借入期間:35年の借り入れをした場合の金利の変動による返済額の違いを見てみましょう。

金利 毎月の返済額 負担増額 総返済額(35年)
2% 66,252円 27,825,861円
2.5% 71,499円 約5,000円増 30,029,275円
3% 76,970円 約12,000円増 32,327,083円

 
弊社の営業マンの体感としても、ローン借入金利の上昇が始まっています。
数年前に1.5-2%程度で借り入れしていたものが、急に金利が3%に上がってしまうなどということで売却に至るケースも散見されています。

損切りのメリット・デメリットを正しく理解する

損切りはリスク回避には有効ですが、メリットとデメリットをしっかりと把握しておく必要があります。
 

損切りによるリスク回避のメリット

損切りを行う最大のメリットは、これ以上の損失を拡大させない点にあります。赤字物件を保有し続けると、ローン返済や管理費といった固定費がかさみ、資金繰りに大きな圧力がかかります。
一度リスクを確定させて売却すれば、新たに生じる支出を抑えることができ、投資ポートフォリオ全体の安定につなげやすくなります。

また、手元に資金を戻すことで、別の有望な投資先へ資金を振り向けられるのも大きなメリットです。
損切りを決断できずにズルズルと赤字物件を抱え続けると、好機を逃し続ける可能性があります。リスクを受け止めて次の一手に移ることで、機会損失を最小限に抑える考え方が重要です。
 

損切りで生じるデメリットと今後の課題

損切りをするということは、購入時の投資コストより売却価格が下回るため、損失が確定してしまう事実は避けられません。
特にローン残高が売却額を上回っている場合、追加で返済が必要になるケースも考えられます。
短期間の運用で損切りすると、大きな資金の目減りが起きる点がデメリットです。

また、もし物件運用の改善余地があった場合には、早急に損切りしてしまうことで将来的な回復のチャンスを逃すリスクもあります。手放す前に、投資戦略や運用改善策を再検証することが欠かせないでしょう。
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損切りのタイミングを見極める判断基準

ずるずると損切りのタイミングを失ってしまったり、逆に焦って損切りしてしまったりしないためには、いつ売却すべきかを判断するための基準を設定することが重要です。
次のような場合は
 

運用中のインカムゲインが安定しない場合

家賃収入が大幅に上下を繰り返す、あるいは長期間にわたり空室が続く場合など、インカムゲインが著しく不安定な場合には早めに損切りを検討する価値があります。毎月の赤字が積み重なると、長期保有によるメリットよりも負担が上回ってしまいます。
オーナー様の資金状況やローンの条件によっては、早期の売却でダメージを最小化する方が賢明です。

ただし、短期間に焦って結論を出すと不動産市場の一時的な調整に振り回される可能性もあります。
家賃の下落が一時的なのか、中長期的な需要の変化なのかをよく見極めることがポイントです。
安定したインカムゲインを得られるかどうかは、損切りの判断で最も重視すべき観点の一つといえます。
 

売却時のキャピタルゲインが望めない場合

ワンルームマンション投資においては、将来的に売却益(キャピタルゲイン)を見込めるかどうかも収益性を左右する重要な要素です。
しかし、市場下落や周辺エリアの競合激化などによって、物件の売却価格がローン残高や購入価格を下回る可能性が高まった場合、損失確定を前向きに検討せざるを得ません。

特に新築で購入した物件は、築年数が経過すると価値が下がるペースが想定より早まることがあります。
もしも長期保有しても価値の回復を期待できないと判断できるなら、損切りという決断が資金効率を高める一案です。
売却額とローン残高のバランスをこまめに確認し、市場環境と照らし合わせて検討しましょう。
 

回復の可能性はあるが、リスクや手間が上回りそうなとき

リフォームなどのバリューアップや賃上げ交渉により、空室期間を短縮できたり利回りを向上できたりする可能性もあります。
またローンの借り換えなどで支出を減らす策も考えられるでしょう。

しかし、あくまで不動産投資は副業で、手間をかけずに資産形成したいというオーナー様にとってはそういったこまごました手続きは面倒なものです。
キャッシュフロー回復に時間を費やすよりは、その分本業により一層力を入れて取り戻したほうがよいケースでは早めに不動産の方に見切りをつけるという考えもあります。

社長

代表取締役社長
山丸慎太郎

いわゆる“損切り”のつもりでご相談いただくケースも少なくありません。
ただ、物件を丁寧に拝見すると、キャッシュフローを改善できる余地が見えてくることもあります。
その場合には、まず具体的な改善策をご提案します。その上で売却に進むほうが、結果的にプラスになるケースも多いのです。

そもそも損切りすべき?ケース別の検討ポイント

損切りの判断は所有者の属性によっても異なります。個人オーナーと法人オーナーの視点で比較しましょう。
 

個人オーナーの場合:なるべく早期に決断を下す

個人オーナーは、一般的に資金力が法人に比べて限定的なことが多く、家計への影響が直接的に及びます。余裕資金が少ない状況で赤字が続くと、生活費やローン返済に支障をきたすリスクが高まります。そのため、無理をして長期保有するよりも、早急に損切りを決断して被害を最小限に抑える考え方が重要です。

また、個人オーナーはライフプランの変化によって資金が必要になる場合があります。
例えば、子どもの教育資金や引っ越し、転職などで現金が急に必要になったときに、値下がり物件を抱え続けると資産形成全体に悪影響が及ぶかもしれません。
将来における資金計画との兼ね合いを考慮し、損切りのタイミングを適切に見定めましょう。
 

法人オーナーの場合:戦略的な代替プランを視野に入れる

法人としてワンルームマンション投資を行う場合、損切りを検討する際には節税や他事業とのシナジー効果など、多角的な視点で判断することが求められます。
キャッシュフローが苦しい物件でも、帳簿上の損失を活用して節税効果を高められるケースがあるため、単純に売却するよりもほかの事業戦略を検証することが重要です。

また、法人の場合は複数の物件をポートフォリオとして保有しているケースが少なくありません。
収益性の低い物件を損切りし、より収益性の高い新たな投資案件に資金を移すことで、法人全体の収益を底上げできる可能性があります。
長期ビジョンをもって損切りの判断を下し、資産をうまく再配分することが鍵になります。

ワンルームマンション投資を持ち続けるための回復戦略

赤字運用に陥った場合でも改善策を講じることで再びプラス収支を目指すことは可能です。
 

空室対策と入居率向上策

空室対策の基本は、物件の魅力を高めることと適切な賃貸マーケティングにあります。
インターネット広告や不動産仲介会社との連携強化など、露出を増やすことで入居希望者を確保することが可能です。部屋の内装や設備をターゲット層に合わせて見直すことで、家賃を下げずに新規入居者を獲得できる可能性も高くなります。

「AD」とよばれる広告費を賃貸募集の際に仲介業者に支払うことで、早く・高く入居者が決まる可能性が上がります。
仮にAD家賃1ヶ月で、1ヶ月早く決まり2,000円の家賃上昇が叶うのであれば最初の支出はあれどキャッシュフローとしてはメリットがあると言えます。

また、長期入居を促すために、契約更新時の優遇や小規模リフォームなどを行うのも有効な手段です。
一度入居した人が快適に住める環境を整えることで、退去率を抑えることができます。空室期間をできるだけ短くする工夫が、赤字からの脱却には欠かせません。
 

コスト削減と経費管理の工夫

管理会社に支払う手数料など、見直しできるコストは意外に多いものです。
複数の管理会社を比較検討して管理委託費用を下げられないか、不要なサービスが含まれていないかをチェックしてみましょう。

また、安心のためサブリース契約を結んでいるというオーナー様も多くいらっしゃるかと思いますが、一度見直してみるのもよいかもしれません。
入居者からもらう賃料は値上げしたのに、オーナー様へ支払うサブリース料金は値上げしない、など実賃料との乖離が発生しているケースもみられます。
入居者とオーナー様との直接契約ではないだけに、ブラックボックスにされがちな部分です。

また、サブリース契約は売却の際にも価格に影響することが多いです。
メリットもありますが、デメリットも十分理解しておきましょう。
 

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資金繰りと収益改善プランの再構築

ローンの借り換えや金利の交渉を行うことで、毎月の返済額を抑えられる可能性があります。
特に金利が高いローンを利用している場合、他の金融機関への切り替えや金利引き下げ交渉は大きな効果が期待できます。
金融情勢やローン残高の状況を把握しながら、定期的に検討してみる価値があります。

 

エリア選定と需要予測のリサーチ

ワンルームマンション投資で成功する鍵は、エリア選定と需要予測にかかっているといっても過言ではありません。
人口が増加傾向にある都市部や大学や大企業が集まる地域は、入居需要が安定しやすい傾向にあります。
駅からの距離や周辺の商業施設の充実度なども考慮に入れ、長期的に価値が落ちにくいエリアを選ぶことが大切です。

さらに、地域の再開発計画や自治体の人口ビジョンを確認しておくことで、将来の家賃相場や不動産需要の予測精度を高められます。
需要をしっかりと把握したうえで投資を行えば、空室リスクや家賃下落リスクを大幅に抑えることが可能です。
 

エリアごとのワンルームマンションの特徴をみてみる

 

適正価格での購入と現実的な収支シミュレーション

物件を購入する際には、相場をよく調べて適正価格で手に入れることが重要です。
新築だからといって割高な価格で購入すると、数年後に物件価値が下落し、売却時に大きな損を被ってしまうリスクがあります。
中古物件の場合も、リフォーム費用や管理費の負担を加味して、実際の投資総額を正確に把握することが大切です。

また、購入前にはローン返済や管理費、修繕積立金なども含めた詳細な収支シミュレーションを行いましょう。
楽観的な家賃収入予測だけを信じるのではなく、空室率や修繕リスクを織り込んだ複数のシナリオを用意しておくと、実態に即した投資判断ができます。
 

信頼できる不動産会社や専門家への相談

物件選びから運用開始後のコンサルティングまで、信頼できる不動産会社や専門家の意見を取り入れることで、失敗リスクを大幅に下げることができます。
特に初めての投資や地方への投資を検討している場合は、物件の選定基準や管理ノウハウをプロの視点で確認することが有効です。

複数の業者や専門家に相談することで、異なる見解やリスク提案を比較でき、より客観的な判断材料が得られます。
自分で判断しきれない部分は専門家を活用し、総合的にリスクをチェックする姿勢が、損切りリスクを抑えるうえでも役立ちます。

まとめ・損切りの選択も視野に入れつつ最適な運用を目指そう

損切りは最終的な手段のひとつであり、事前対策や改善策によって避けられる場合もあります。
最適な運用につなげるために、総合的な視点で検討することが重要です。

ワンルームマンション投資で赤字が続くと、経済的にも精神的にも大きな負担を強いられます。
こうした状況から抜け出すために損切りを行うことは、必要な選択肢のひとつです。
しかし損切りによる損失確定というデメリットや、売却後の代替投資の検討など考慮すべき要素も多いため、短絡的な結論には注意が必要です。

そもそも損切りを回避するためには、物件選びやエリア選定、資金計画を入念に行い、経費を管理しながら長期的に運用することが欠かせません。
もし赤字運用に陥っても、空室対策やコスト削減、ローン条件の見直しなどの改善策を講じることで状況を好転させられる可能性があります。
損切りを含むあらゆる選択肢を検討したうえで、最適な運用を目指しましょう。

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山丸 慎太郎
コラム監修 山丸 慎太郎
資格

宅地建物取引士 / 賃貸不動産経営管理士 / 住宅ローンアドバイザー

プロフィール

代表取締役社長

代表取締役社長

2007年2月フォースグループ創業以来、投資用不動産仲介の第一線でキャリアを積む。

中古ワンルームマンションはもちろん、不動産全般に関する多岐にわたる経験と知識でお客様からの信頼も厚い。

   

これまで400名以上のお客様の資産形成のお手伝いをしている。

このコラムを書いている人

Sayuri Takahashi

Sayuri Takahashi

マーケティング部 保有資格:宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士/2級ファイナンシャルプランニング技能士/インテリアコーディネーター

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