ホントにあったマンションのコワイ話~不動産投資コラム~
【目次】

投資用マンションを購入するとき、立地や価格、利回り等に目が行きがちかと思います。
「マンションは管理を買え」という、フレーズにもあるように購入してから資産価値を落とさないことも不動産運用では大切になってきます。
今回ご紹介するのはホントにあったマンション管理に関しての怖いご相談です。
ある日届いた一通の手紙
数年前に中古のワンルームマンションを購入した相談者。
購入した当時は現地に行かず、販売図面だけで購入を決めました。
決め手は相場よりも高い積立金、16平米で10,000円が毎月積み立てられていたこと。
以前から積立金の値上がりリスクを懸念していた相談者は、これならしばらくは値上がりのリスクもなく、良好な管理が期待できると気をよくしていました。
ところが、ある日、マンションの元理事を名乗る方から1通のお手紙が届きました。
内容は理事長と管理会社の癒着と積立金の着服を告発するものです。
ことの発端は10年前、不動産会社を営む理事長は、自ら理事に立候補しました。
管理への関心が薄い投資用マンションを狙い理事長に任命されると、息のかかった管理会社に変更し、積立金の値上げを上程しました。
そのマンションの総会では理事長以外出席するものはおらず、定数が必要な議案も理事長の一存にて決定されていました。
物件の所在地から離れた場所に住む所有者も多く、高齢者が多いマンションだったこともあり、やりたい放題されていました。
結果、高い積立金は理事長の懐と管理会社へのキックバックへと消えていたのでした。
マンション総会に参加することで防げた事態かもしれない
マンションを所有していると定期的に総会のお知らせが届くと思います。実際にお住いの方は総会に参加した事がある方も多いのではないでしょうか。
しかし、投資用でマンションを持っている方は出席したことが無い方がほとんどだと思います。おそらく大半が委任状を提出されていることでしょう。
中には委任状すら提出されていない方ももいます。
総会では修繕積立金の改定議案、管理規約一部改定、マンション管理の収支状況報告など、マンションを運営する為に重要な内容が議案として取り上げられます。
修繕積立金の議案では自分の月々負担する費用も変わりますので、事前にしっかりと確認しておきましょう。
因みに総会に出席できなくても、自分の意見は議決権行使欄で話し合われる各議案に対して賛成・反対の意思を示す事が出来るようになっています。
投資用だから、自分には関係ないというスタンスではなく、内容を確認して議決権を行使し、適正にマンションが管理されているかどうか確認しましょう。資産価値を保つことにもなります。
総会の種類
基本的にマンションの総会は通常総会と臨時総会の2種類です。
通常総会とは基本的に1年に一回開催される総会です。
一方、臨時総会とは通常総会以外の場合に臨時で話し合わなければいけない時に開催されます。
売却時影響を受けることも!
弊社では数多くのマンションの仲介を行っていますが、物件調査の際に管理組合に修繕積立金の借り入れが数千万円あり売却するのに時間がかかってしまう、一部の組合員の管理費修繕積立金の滞納金が多すぎて売却が難航する、という事が稀に有ります。
管理組合の借り入れ、滞納金額どちらも総会で議案として挙がる内容です。
マンションは管理を買え!とも言われるぐらいですので、投資用といえども資産価値にも影響しますので、通知が届いた際は目を通してみてはいかがでしょうか。
管理は1部屋じゃなくマンション全体に目を向けて
管理を建物管理会社に丸投げで任せるのではなく、大事な資産を守るために年に1.2回の総会の時期は資料に目を通してマンション全体の運営状況を確認してみるのもいいのではないでしょうか。
総会がそういうきっかけだと思って前向きに取り組んでいただけたらと思います。
「マンションは管理を買え」だけでは足りない
冒頭の事例のマンションでは悪事が露呈してから、幸いにも元理事を中心に所有者たちで悪徳理事長と管理会社を追い出すことに成功しました。
なんとか管理状況を戻すことができたものの費やされた時間や失った積立金が大きかったため、今後の大規模修繕計画や修繕積立金の予算など残された課題は山積みとのことです。
投資マンションの場合、住まいからマンションまで遠方なことも多く、管理会社や管理組合に全て委任している方もすくなくありません。
積立金の値上げなど十分に検討しなければいけない事項でも短い期間で総会の開催の連絡が行われ、管理会社にとって都合のいい方へ決まってしまいます。
投資用マンションは買って終わりではなく、もっとも重要なことはマンションを管理する意識をもつことです。
マンションは管理を買えというフレーズがありますが、これは管理状態が良好なマンションを買えということです。
ただし、管理をするのはあくまで管理組合を構成する区分所有者一人一人です。
管理を買うという意識から、管理会社に依存することなく主体的に管理していくという時代に変わっています。
管理状態が良好なマンションを選ぶことはもちろんのこと、意識をもって維持し管理していくことは当たり前のこととなっていくでしょう。
目を離すと、ご所有のマンションももしかしたらゾッとするようなことが起きてるかもしれません。
\ FGHにおまかせ /
このコラムを書いている人

渡邉 幸也
1990年 秋田県鹿角市生まれ 東京都日野市育ち 2013年 株式会社FGH入社。不動産業界歴10年のノウハウを生かし収益不動産のプロフェッショナルとして、数多くの不動産を仲介する。 現在は、投資用不動産の売却・販売など幅広く担当している。 保有資格:宅地建物取引士
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