田舎で不動産投資をする際のポイントとは?
【目次】
「田舎での不動産投資は儲からない」というのは、ただの誘導?
「田舎での不動産投資は儲からない」というような意見を聞いたことはないでしょうか?
たしかに田舎と聞いただけで、いかにも入居者を見つけづらく、収益性も確保できそうにないイメージがあります。
とはいえ、「本当に儲からない」ということを、肌で実感している人は少ないでしょう。
実は「田舎での不動産投資は儲からない」という意見には、不動産業界における”カラクリ”が隠されているのです。
「田舎の不動産投資は儲からない」というのは、真実なのか?
まずは「田舎の不動産投資が儲からない」という評判について、はっきりさせておきましょう。
結論から言えば、「儲からない、なんてことはない」と言ったところです。
たしかに、田舎での不動産投資には、都会にはないさまざまなデメリットが注意点もあるでしょう。
一方で、田舎だからこそのメリットもあり、一概に「(その他の投資スタイルと比較して)田舎が儲からない」とは言えません。
それでも「田舎の不動産投資は儲からないよ」と言われるのには、カラクリがあります。
一言で言えば、「田舎よりも都会の不動産投資をやってくれたほうが、都合がよい」という人たちがいるからです。
たとえば、セミナー講師や不動産会社の営業担当者、あるいはオンラインサロンオーナーたちが該当します。
都心で登壇するセミナー講師たちや営業担当者は、
・田舎よりも都会で不動産投資をしたほうがいい
・田舎だと利回りも取れない
・そもそも人がいないし、減っていく
というように、一律で「田舎の不動産投資を否定する趣旨」を述べたりします。
しかし冷静に考えれば、「田舎だと利回りが取れず、人もいない」とは、一概には言えないはずです。
田舎で利回りが取れないなら、「田舎で賃貸業をやっている人がいること」と、辻妻は合いません。
田舎に人が「いない」のではなく「少ない」のであって、それが「入居者が捕まらない」こととは直結しないでしょう。
田舎は人が減っていくというのも誤りで、人口増加傾向にある市町村はいくらでも存在します。
たとえば人口1,700人あまりの沖縄県与那国町は、2015年から2017年の間で、人口は14%以上増加しました。
(参考:東洋経済オンライン)
他にも、人口を増やした”田舎”は、多数存在します。
というように、誤解を恐れずに言えば「ウソをついて誘導しようとしている」わけですね。
なぜ誘導しているかというと、「田舎よりも都会で投資して欲しいから」です。
講師や営業担当者(不動産会社)からしてみれば、やはり田舎よりも、都会にある不動産を売った方が利益になりやすい側面があります。
手数料や講師料なども、都会のほうが恵まれています。
さらに不動産自体の管理も容易であり、田舎にある不動産よりも優先して売りたいのは明らかです。
というような事情から、「田舎での不動産投資は危険だ」というように誘導しているわけですね。
こういったカラクリを見抜いて、田舎での不動産投資をフラットに評価する必要があります。
田舎で不動産投資を成功させた例とは
田舎で不動産投資を成功させた例は、いくらでも存在します。
また、都会や都心ではあり得ないようなルートで成功を手にした、というケースも少なくありません。
たとえば、不動産市場としては斜陽にある「神奈川県横須賀市」を例に挙げてみましょう。
横須賀市は、「人口が減少している」「目立った再開発が期待されていない」などのネガティブな材料がそろっており、きわめて難しいエリアです。
よって不動産価格も低い傾向にあり、それでも買い手がつかないという非常に厳しい状態でした。
しかし横須賀には米軍基地があり、基地関係者からのニーズは多少ながら期待できるという、特殊な条件を持っています。
とある不動産投資家はこのことに目をつけ、
・2戸のアパートを450万円
・戸建てを150万円
という相当な安値で取得。
するとアパートのほうは利回り24%、戸建てにいたっては利回り30%という、すさまじいポテンシャルを持つに至りました。
これは、いわゆる「掘り出し物を見つけた」というパターンです。
もちろん日本全国に、同じような「掘り出し物」の不動産は数多く存在します。
このケースで言えば、家賃も低減されてしまうので、収入額はさほど大きいものではありません。
しかし圧倒的な利回りの高さ(と、それに付随するメリット)を考えれば、「田舎での不動産投資を成功させている」と表現して問題ないでしょう。
というように、田舎の不動産に目をつけて、大きな成功へ結びつけた例は、枚挙に暇がありません。
田舎での不動産投資には、一般的に知られていない成功のチャンスが数多く隠されています。
田舎の不動産投資に取り組むメリットとは?
先ほどは、「田舎の不動産投資をされると都合が悪い人たちがいる」解説しました。
彼らによって、田舎での不動産投資が秘めているメリットは、あまり出回らない部分もあります。
ゆえに、なかなか知る機会もないというのが実情。
下記では田舎での不動産投資ならではのメリットについて解説するので、この機会にぜひおさえておいてください。
苛烈な競争を回避しやすい
第一に、苛烈な競争を回避しやすいという点が挙げられるでしょう。
当たり前ですが、基本的に人口が少なければ少ないほど、競争相手は少なくなります。
個人の不動産投資家やはもちろん、不動産投資会社や建設会社の数も限られるでしょう。
仮にいたとしても、都会ほど厄介な相手ではないケースも多々あります。
たとえば不動産投資家の場合はいわゆる「地主」であることが多く、さほど利益を追求していません。
むしろ節税を目的にしているか、そもそも「単に所有しているだけで、具体的に何もしていない」というケースもあります。
不動産投資会社も同様で、都会ほど本腰を入れていないというケースもよくあるもことです。
よって苛烈な競争を回避しやすく、安定した不動産投資が展開しやすいと言えるでしょう。
不動産価格が低い
当たり前ですが、不動産価格が低いというのもメリットです。
用意すべき費用も安くなるので、融資額も低くなります。
また、失敗してしまっても経済的な意味で再起不能になる可能性は低いと言えるはずです。
もちろん利回りも高くなり、きわめて健全な運用が実現しやすくなる可能性もあるでしょう。
利回りについては、10%を超えるケースも珍しくありません。
先ほどの成功事例でも挙げたように、20%、30%という利回りを得られるケースもあります。
差別化の有効性がきわめて高い
差別化の有効性が高いというのも、田舎ならでは。
田舎にはライバルが少ないため、小さな差別化で大きなアドバンテージへつなげることが可能です。
少しリフォームしただけで、周囲とはまったく違ったバリューを持たせられるケースも少なくありません。
さらに先ほども触れたとおり、田舎では「節税」を目的とした競合が多いのも、差別化の有効性を高めています。
そもそも必死で入居者を集める必要がないため、設備や内装を充実させないケースが多いのです。
よって少しリソースを費やして設備や内装に手を加えるだけで、はっきりとした差別化ができます。
田舎では、こういった差別化を怠らないことが重要となるでしょう。
掘り出し物の不動産を見つけられるチャンスが多い
先ほどの成功例でも触れたとおり、田舎では、「掘り出し物」と呼ばれる不動産を見つけられるチャンスが多いものです。
少なくとも都心などと比較すれば、チャンスは多いと考えるのが自然でしょう。
たとえば田舎では、「相続してすぐに売却される不動産」が多い傾向にあります。
相続した子供が、親から受け継いだ不動産を「安くてもかまわないから早く手放したい」と考えていて、安値で売却するケースですね。
安値で売却された不動産が、こちら側から見れば「掘り出し物」というふうに認識できるわけです。
もちろん、都会においても掘り出し物の不動産を見つけられる可能性はあります。
しかし都会には競合が多く、存在に気づいた時には誰かが手をつけてしまっているというケースがしょっちゅうです。
一方で、田舎はさほど競合相手がおらず、比較的掘り出し物を見つけやすいというわけですね。
ただし、同じように田舎の不動産投資に目をつけ、動いている競合が増えているのも事実。
今後は田舎における不動産投資の旨味を知る人たちが流れ込み、苛烈な競争が起こるかもしれません。
田舎の不動産投資で成功するためのポイントは?
上述してきたとおり、田舎での不動産投資は決して悪いものではありません。
ただし田舎で不動産投資をするときは、「場所が田舎であることを踏まえたうえで、適切な戦略を取る」というのも事実です。
下記では、田舎での不動産投資を成功に導くうえで必須となるポイントについて解説します。
いずれも、田舎での不動産投資において、おさえておくのは必須とも言えるポイントです。
また、あくまでも最低限必要なポイントであって、下記がすべてというわけでもありません。
いかにして成功へ導くか、普段から研究することは必要です。
管理体制を強化する
田舎で不動産投資をする場合は、やや特殊な管理体制が必要です。
多くの場合、自分が住んでいるところと離れたところに不動産を持つということになるでしょう。
つまり自分の足を運んで見て回るのは、やや難しい部分があるはずです。
となると、間違いなく不動産管理会社を頼ることとなります。
しかし不動産管理会社の能力が低いと、不動産管理は著しくずさんなものとなってしまうでしょう。
よって、たとえ自分が離れていた場所にいてもきちんとした管理を実施するような、信頼できる不動産管理会社を選ぶ必要があります。
また、できることなら現地へ足へ運ぶという手間も必要です。
いくら不動産管理会社が優秀だったとしても、「自分が介入できる」に越したことはありません。
多少は面倒でしょうが、できるだけ現地には訪れるようにしましょう。
しかし、田舎での不動産投資において選択できる不動産管理会社の数は、都会と比べれば少ないでしょう。
信頼できる不動産管理会社が見つからなければ、自分で介入する余地をできるだけ広げるといった工夫も必要です。
差別化には妥協しない
また、差別化に妥協しないことも重要です。
先ほども触れたとおり、田舎における差別化は、たいへん大きな効果をもたらします。
多少リソースがかかったとしても、積極的に差別化したいところです。
もちろん「どこを差別化するべきか」というところも、よく考えておく必要があります。
たとえば「差別化するべきポイントは内装なのか設備なのか、それとも外装なのか」というようなことですね。
その上で、競合に負けない品質の差別化ができていれば、田舎での不動産投資においてかなり有利なポジションを取れるでしょう。
とにかく田舎の不動産投資においては、差別化というポイントで妥協してはいけません。
勝算が高いエリアで勝負する
また、勝算が高いエリアで勝負するというのも重要なポイントとなるでしょう。
なぜなら田舎と一口に言っても、「有利に立ち回れるエリア」とそうでないエリアが存在するからです。
たとえば、
・周辺と比較して人口が集中している
・近隣住民の動線になっている
・今後、開発が進むと予測できる
・周辺にライバルがいない
といったエリアを選択できれば、勝算は高くなるでしょう。
とはいえ、遠く離れた地域においてどこが勝算の高いエリアかを把握するのは、なかなか難しいものです。
・現地に足を運んで観察する
・地元住民や企業から情報を集める
・信頼できる不動産会社などからヒアリングする
といった形で、できるだけたくさんの情報を集めるようにしましょう。
その中で、「現在、エリア内の人口が増えている」「今後、開発が進められる」というような裏付けを取れれば、有利に立ち回れるようになるはずです。
土地を買うなら、規制について調べておく
田舎での不動産投資では、相場の安さを活かして、「土地を買って上物を建てる」といった手段も好んで使われます。
もし、土地から不動産投資をスタートさせるのであれば、「建築における規制」について理解しておきましょう。
具体的には、
・建ぺい率
・容積率
・斜線制限
・高さ制限
・セットバッグ
などについて、よく調べておく必要があります。
まとめ:講師や営業に振り回されず、田舎での不動産投資を正しく評価しよう
「投資」である以上、田舎での不動産投資もシビアなものであることは間違いありません。
しかし「田舎での不動産投資が儲からない」と断言するのは、大きな誤りです。
それでも不動産業界の人間が「儲からない」と言いたがるのには、「田舎よりも都会で投資させて儲けたい」という打算が隠されています。
田舎での不動産投資は、うまく立ち回れば大きな成功を掴むことも可能です。
彼らのポジショントークに惑わされず、田舎という市場を適切に評価しましょう。
冷静に考えれば、「田舎での不動産投資は勝ち目がある」と気づけるはずです。
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このコラムを書いている人
マンション経営ラボ 編集者
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