民泊は空き家問題の対策になるか?~不動産投資コラム~
空き家問題とは
2015年「空き家等対策の推進に関する特別措置法」、通称「空き家法」が成立しました。
この空き家法は自治体による空き家調査や、空き家の所有者への指導などができるようにさだめたものです。
更に、倒壊の恐れがある建物や景観・衛生上問題があるものは特定空家とよばれ、自治体から指導や勧告ができるようになります。
住宅用の土地に対しては200平方メートルまでの土地に対しては6分の1に、200平方メートルを超える部分の土地に対しては3分の1に固定資産税を減額するという特例があり、勧告を受けると固定資産税の特例から外され、最大で固定資産税が6倍になります。
この特例措置は住宅用地に建てられている住宅が対象で、更地になってしまえば特例の対象外となってしまうため、空き家のまま放置されている家の増加につながっています。
2013年の空き家率の調査では当時の13.5%から5年後の2018年には16.9%にも上ると予測されましが、実際は空き家法や自治体の取り組みもあり、13.6%と0.1%の上昇に留まりました。
ただし2013 年と比べると、「賃貸用の住宅」が3万5千戸も空室が増えており、一概に安心ともいえません。
区分マンションが空き室になった場合
では区分マンションが空き室になった場合はどのような問題が考えられるでしょうか。
一般的に築30年を超えると、マンションの空室率が高まるといわれていますが、管理費や修繕積立金の滞納も同じように高まります。
そうすると管理が不十分になり、マンション全体の管理のグレードも低下してしまう悪循環が指摘されています。
投資用として貸し出している場合、マンション全体の入居率が下がれば家賃相場や強気な賃貸付けをすることは難しくなるでしょう。
投資用不動産の場合収入は資産価値に直結するので、購入する際にマンション全体で空室率を検討することが大切になってくるでしょう。
注目された民泊だったが・・・
空き家が問題になる一方、都市部や観光資源がある地方都市などでは宿泊需要が高まっており、宿泊施設が足りない地域も出てきています。
そんな地域でここ数年、インターネットを使って空き家に宿泊させる民泊が登場しました。
空き家を活用したいニーズとインバウンド旅行者を捕まえたいニーズが合致し、民泊事業は空き家対策の特効薬に思われました。
そんな中、2018年に今までグレーだった民泊を合法にしようと、住宅宿泊事業法が施行されました。
ただし、民泊新法に則った運用方法では手続き上の煩雑さや収益性を確保することが難しく、現状解決策には至っていません。
様々な要因で今後空き家は増えていくのは間違いなく、国も対策に取り組む姿勢を見せるところまで動いてきました。
抜本的な解決策はまだまだ改良の余地はありますし、現在では空き家を壊さず、いかに有効活用していくかというステージまで来ています。
是非ご覧になった皆さんも空き家に目を向けてみてはいかがでしょうか。
このコラムを書いている人
渡邉 幸也
1990年 秋田県鹿角市生まれ 東京都日野市育ち 2013年 株式会社FGH入社。不動産業界歴10年のノウハウを生かし収益不動産のプロフェッショナルとして、数多くの不動産を仲介する。 現在は、投資用不動産の売却・販売など幅広く担当している。 保有資格:宅地建物取引士
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