不動産投資アービトラージって何?~不動産投資コラム~
1.アービトラージとは
アービトラージとは「裁定取引」のことです。
裁定取引とは、金利差や価格差に注目して、割安な投資対象を買い、割高な投資対象を売るポジションを取ることで、一般的には株式投資やFX・仮想通貨などの金融商品で使われる用語です。
株式投資の場合、特定の銘柄が2つの異なる国で上場されている場合、為替レートの変動の影響で2つの取引所において株価は同一銘柄でも異なります。
株を1つの市場で売り、他方の市場で同時に購入すると、トレーダーはその価格差により利益を得ることができます。
こうして金額の歪みを見つける手法になりますが、不動産ではどうでしょうか。
2.不動産アービトラージの手法
不動産において、金額の歪みが発生する要因はいくつかありますが、代表的なものでいうとファミリータイプの収益区分マンションです。
まず、それを収益物件として収益価格で購入します。
購入後入居者が勝手に退去していくのを待ちます。
当然、自発的な退去を待つため立退料も発生しません。
退居後、今度は「自分で住む」人たちをターゲットとして中古分譲マンションとして売却するのです。
これは不動産の用途による歪みを使った取引になります。
「人に貸す場合」の価格は収益還元法という投資利回りに着目した収益価格というもので求めます。
投資向きなワンルームマンションと違い、マンションの面積が広くなっていくにつれて賃料の伸びは鈍化していくため、ファミリータイプの分譲マンションに投資すると、収益率は落ちる(=賃料利回りが低く)ことになります。
つまり期待される相場利回りをベースに価格を求めようとすると、賃料が低いために通常マーケット価格よりも割安に価格形成されてしまうのです。
逆に、「自分で使う場合」の不動産価格は、コストに着目した積算価格や取引事例比較法という類似の取引事例をベースに算出された比準価格というもので求めています。
そうして安く賃貸中のファミリーマンションを買い、賃貸中のうちは家賃を得て、空室時に高く売却することが狙えます。
3.投資にはリスクも付き物
賃貸中ファミリーマンションは一般的には4年ほどで退居になるといわれていますが、必ずぬけるというものでもありません。
長年住むとなってしまった場合は流動性が低い投資商品としての価値でしかなくなってしまいます。
不動産を使って歪みを見つけるためには権利関係や時間などさまざまですが、一時期では普通賃貸の物件を民泊にすることで収益率を上げる手法も流行っていましたが、今のコロナ禍で撤退を余儀なくされた方も居ます。
うまく歪みを見つけて取り掛かるにはリスクもある商品もあるので信頼できるパートナーと取り組むのがいいのではないでしょうか?
このコラムを書いている人
渡邉 幸也
1990年 秋田県鹿角市生まれ 東京都日野市育ち 2013年 株式会社FGH入社。不動産業界歴10年のノウハウを生かし収益不動産のプロフェッショナルとして、数多くの不動産を仲介する。 現在は、投資用不動産の売却・販売など幅広く担当している。 保有資格:宅地建物取引士
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