マンション購入後に増えているトラブル2~退居後のリフォーム~
将来のことを考え都内のワンルームを購入したKさん。
購入した物件は葛飾区600万のワンルーム。
建てられてから30年経過したマンションでしたが、お家賃も相場より高く、入居者も10年以上住んでいて安心だと説明され購入しました。
引き渡し後、半年で空室に
マンションを購入し、1年も経たず入居者から退居届が届きました。
退居届をきっかけにKさんの投資は急展開をむかえます。
退居まで時間はあるものの空室期間が長引いてしまうと、見込んでいた収益が入ってこないだけでなく、月々の積立金を支払うことになり、キャッシュフローはマイナスになります。
原状回復に100万円
Kさんはすこしでも赤字期間を短くするために懇意の管理会社にすぐに連絡しました。
入居者が退居後、原状回復費用の見積もりを取り、次の募集に備えようとしたところ、工事業者から送られてきた見積もりは100万円。
16㎡ほどのお部屋にも関わらず、キッチンやお風呂の水回りの修理で費用が嵩んでしまったのでした。
落とし穴は2つ
設備の故障について、引渡し後7日間は売主さんが、8日目以降は買主さんが修理費用を負担することになっています。
引き渡し後、半年で入居者が退居したことは運が悪いとしか言いようがありません。
しかし、購入前に気を付けることができたポイントがあります。
1つは入居者が10年以上住んでいることがわかっていた点です。
東京都の賃貸ルールでは経年劣化による原状回復費用は貸主負担になっています。
また、長く住んでいただいていた分劣化も激しく、通常よりも多くかかってしまう結果となりました。
2つめは長く住んでいたため、家賃が周辺相場よりも高かった点です。
実際にKさんは次の募集で家賃を5千円落とさざるを得なくなりました。
収益性が落ちてしまったため、利回りも1%悪化しました。
利回りがすべてではない
今回の事例は築年数が経過しているマンションのよくある失敗例です。
築年数が経過している分利回りが高い分リスクも高く、内部の設備も古くなっています。
引き渡し後にエアコンや給湯器などの設備が故障し、修理や交換で費用がかさんでしまうことも珍しくありません。
掘り出し物件を見つけた際に検討する時間は短く、確認しなければいけないことは多岐に及びます。
ただし中古物件の購入を検討する際は物件の価格や利回りに惑わされないよう注意してください。
最低でも周辺家賃相場、直近のリフォーム履歴や入居期間は確認して検討するようにしましょう。
このコラムを書いている人
渡邉 幸也
1990年 秋田県鹿角市生まれ 東京都日野市育ち 2013年 株式会社FGH入社。不動産業界歴10年のノウハウを生かし収益不動産のプロフェッショナルとして、数多くの不動産を仲介する。 現在は、投資用不動産の売却・販売など幅広く担当している。 保有資格:宅地建物取引士