リモートワークで郊外移住のホント
こんにちは、或いはこんばんは。
株式会社FGHの高松です。
皆さんの業界でリモートワークは進んでますか?
不動産業界でのリモートワークはあまり進んでいないように感じますが、私が見聞きする限り、業種によっては出社日は2週に1回~月に1回程度まで浸透してきているようです。
今後もクリエイター界隈やBtoBセールス界隈でのリモートワークは拡大路線ではないかと予想しています。
しかし私が通勤で利用している有楽町線はコロナ禍以前の乗車率に戻ってしまっているような・・少なくとも、私が利用している時間帯ではほぼ満員です。
2020年4月の緊急事態宣言から少ししたころ「リモートワークの拡大により近郊・郊外移住が加速する」というトピックがあちらこちらで散見されました。
比較的、経済的に豊かな方たちの口から伺うこともありましたが・・私は当初から、そんな訳ない!と完全否定の立場を貫いていました。
なぜならば東京という土地は何も仕事の場所としてだけでなく人の交流の場としてこれ以上の場所はないからです。
当たり前のことを言いますが、人は一人では寂しくて死んでしまいます。
誰かとつながっていることで自分を認識し、自分の存在価値を確信することで生きる活力が湧いてくるものです。
だからこそ仕事仲間や家族以外とも簡単にコンタクト出来る東京には価値があります。
特に東京23区の人口動態では20代(大学生から単身社会人)ほど都心での人口が増加します。
この単身世帯の層が賃料や物件価格が安いから、もしくは広い間取りに住めるからといって郊外へ移住する動機になりうるのでしょうか?世代別人口動態を見る限りそれはなさそうです。
「東京都の流入人口がマイナスへ」という報道もありましたが統計を見ると、ほとんど外国人であると理解できます。
https://www.toukei.metro.tokyo.lg.jp/juukiy/2021/jy21000001.htm
※参考東京都の統計
どんな人に郊外移住というワードが刺さるのか?
Googleで2021/7/9に検索したキャプチャーです。
2020年の記事が多くなってきています。
リンクが紫になっていて全部見て来た感じが少し恥ずかしいです(笑)
1位の記事は神奈川県江ノ島のリノベーション物件の宣伝要素が強い記事ですね。
東京都心の新築マンションはコロナ禍以降も上昇が続いておりいよいよ富裕層とパワーカップル(夫婦共に高収入)などの資金力のある層でないと購入が現実的でない水準に到達しています。
そんな折、いわゆる住宅購入層のボリュームゾーン(30~40代家族世帯向け)へ向けたアプローチに”立地よりもゆとりある居住空間や住環境”を前面に出し近郊・郊外の物件購入を「言い訳にしないキャッチフレーズ」として「リモートワークの拡大により近郊・郊外移住が加速する」と多用された結果がブームと体感する域に達したのだと思います。
結果・・近郊ベッドタウンの狭小戸建ての売れ行きは絶好調だそうです。
確かに私の自宅の向かいに竣工した複数の戸建てはあっという間に完売していました。
近郊ベッドタウンにお住いの方たちの多くは都内に通勤している方だったりします。
結局のところ生活圏は東京から離れていないのです。
トピックとプロモーションが混在していた「郊外移住」
実際に郊外移住を実行されたケースももちろんありますが実態はトピックになるようなダイナミックなものではなく限定的かつ、別荘のような二次住宅として取得や賃貸した方が多いようです。
トピックとプロモーションは混在しているとどれもトピックに見えてしまいます。
都会の喧騒から離れたい・・って気持ちになるときも少なからずあるでしょう。
田舎暮らし・・と聞くと、いきなりハードルが上がってしまいますが郊外移住なら、あらゆる人の生活に「浮世離れしていない距離感」だったことがこのトピックとプロモーションが思いのほか共感、浸透した要因だと思っています。
ただ現在のところ、人の営みは人との交流によって生まれることが殆どですので物理的距離が人の営みを超えられるようになるのはもう少し先(いや結構未来)の話です。
このコラムを書いている人
高松 大樹
営業三部部長・執行役員 1986年生まれ 埼玉県育ち 2010年2月よりフォースグループで投資用不動産仲介の第一線でキャリアを積む。中古ワンルームを中心に800件に迫る成約実績。 イレギュラー案件の交通整理も得意。実体験からモアベターな選択を提案致します。 保有資格:宅地建物取引士
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