賃貸マンションの家賃が過去最高水準で高騰中!原因は?
賃貸マンションの家賃が全国的に上昇していることはご存じでしょうか?
特に2023年~2024にかけて賃貸借契約の更新を迎えた賃借人様の中には、更新時の書類と一緒に「家賃の値上げのお願い」という内容の書面が管理会社から送られてきた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
物件を所有されているオーナー様であれば、管理会社に対して更新時に家賃の値上げ交渉を依頼したという方もいるでしょう。
今年2月にある賃貸関連の新聞に「全国の管理会社を対象に管理物件における家賃の値上げ状況」という独自調査による記事を目にしました。その記事によれば、家賃の値上げを実施したと回答した全国の貸管理会社は全体の51.7%、家賃の値上げ時期は2023年においては66.2%という結果だったそうです。
家賃が上昇した要因とは?
家賃が上昇した要因は、建物や土地の価値が上がったということではなくインフレ(物価上昇)が理由と考えられます。確かに賃貸運営に関わるものだけでもオーナー様の負担がかなり増えました。
・建物の管理費の値上げ
・建物の修繕積立金の値上げ
・物価上昇による設備交換費や修繕費の値上げ
・管理会社の運営コストの増加による管理手数料の値上げ
・原状回復工事期間中や賃貸募集期間中の内見用の電気料金の値上げ
今後は、マイナス金利政策解除によりローンのお支払いにも影響がでてくることもあるでしょう。
実際に、弊社の管理物件のオーナー様からも更新時に家賃の値上げ交渉をして欲しいと要望される方も増えましたし、その多くは建物の管理費の値上げと建物の修繕積立金の値上げが要因となっています。
家賃の値上げはできるものか?
結論、正当な理由であれば値上げできる可能性はあります。
正当な理由として認められるのは、おもに以下のような点です。
・土地または建物に対する租税その他の負担の増減により不相当となったとき
・土地または建物の価格の上昇または低下その他の経済事情の変動により不相当となったとき
・近傍同種の建物の家賃に比較して不相当となったとき
逆に正当な理由として認められないのは、以下のような点です。
・賃貸人の経営悪化などの賃貸人都合によるもの
・周辺の不動産物件の相場からかけ離れている
・賃貸借契約に家賃増額をしないと規定されているもの。
正当な理由として根拠が欠けていると当然に値上げは不可能ですが、正当な理由があったとしても賃借人の同意が得られないと、オーナー様が一方的に値上げをすることはできません。
まとめ
さまざまな事情から家賃の値上げを希望されるオーナー様は増えていらっしゃると思います。
管理会社は賃借人様から家賃の値上げにご理解を得るために、家賃の値上げの根拠となる資料を作成し交渉に動くわけですが、ほとんどの賃借人様は家賃の値上げに対して難色を示されます。
賃借人様も家賃という固定費の値上げは生活に大きな影響を与えますから当然の反応です。
ただオーナー様の中には下記のようなことを主張する方もいらっしゃいますので、管理会社としては対応に困ることもあります。
「希望通りの金額で家賃の値上げに応じてもらえないのなら、期間満了で契約を終了させてください。」
→普通賃貸借契約は、オーナー様から一方的に契約を終了させることはできません。
定期賃貸借契約の場合は、契約期間満了にて契約を終了させることができます。
「絶対に家賃の値上げをしてください。または絶対に賃借人を退去させないことを約束してください」
→家賃の値上げ交渉を行うことはよいのですが、賃借人様が家賃の値上げに応じてくださるか、更新をしてお部屋に住み続けてくださるか、退去を選択されてお引っ越しをされるかは賃借人様の権利になりますから、「絶対に」というお約束は出来かねます。
アーバンフォースでは、賃借人様の経済状況や今後も住み続けていただける意思がある方なのかをヒアリングした上で、どこまでなら交渉に応じてもらえるのかを見定めます。 オーナー様に対しても賃借人様が退去を選択された場合の賃貸募集の開始時期やリーシングコスト、空室リスクなどをオーナー様に助言し交渉の枠を見定めて、交渉の押し所と引き所を見極めご提案しております。
双方の意見をただ右から左に伝えることは交渉とは言えませんからね。
柔軟な「交渉」を行える管理会社であれば、必然的に家賃収益も安定し、健全な賃貸運営を行うことができます。賃貸管理でお困りの方はぜひアーバンフォースにお声掛けください。
>> 賃貸管理ならURBAN FORCE(アーバンフォース)
このコラムを書いている人
徳永 裕幸
1982年 神奈川県出身 2014年アーバンフォース入社 保有資格:宅地建物取引士/不動産賃貸経営管理士/管理業務主任者
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