賃貸経営の空室リスク|入居者が退去する本当の理由とその対策

空室が長期化したことで家賃収入が途絶え、残債や修繕積立金、管理費のお支払いが負担に感じていらっしゃるオーナー様は多いのではないでしょうか。
空室対策は、一棟マンション・アパートと区分マンションでオーナー様の意向で行える対策が異なるため、今回は区分マンションの空室対策について解説していきます。
賃貸募集時と賃貸中の空室対策
空室対策はおもに2つの対策に分類されます。ひとつは賃貸募集時には空室期間を短縮するための対策、もうひとつは賃貸中には早期に解約にならないようにするための対策です。
賃貸募集時の対策
空室期間を短縮することを目的とするなら、相場賃料の把握は当然として、近傍同種の賃貸条件(賃料だけでなく、礼金・敷金・客付け業者への広告料の有無も含みます。)や募集しているお部屋の数も把握しておくことが重要です。
端的に言えば、ライバルを認識するということです。
同じ建物や近傍同種の賃貸物件は必ず競合します。申込を検討している方にとってオーナー様のお部屋の賃貸条件よりも他のオーナー様のお部屋の賃貸条件の方が魅力的な場合、どの部屋に申し込みをするかの最終判断で競り負けます。
少しでも賃料を高く賃貸したいというオーナー様のお気持ちは重々承知しておりますが、申込を検討している方は数ある賃貸物件の中から、自分にとってメリットの高い部屋に絞り込み1つの部屋に申し込みを行いますので、ライバルを把握して戦略を立てないと空室期間は長引きます。
また、オーナー様はお部屋を「商品」という意識を持っておかなければなりません。
原状回復工事は費用がかかるものではありますが、費用を抑えるためにいい加減な原状回復工事を行ってしまうと申込を検討している方が内見をした時に「他の内見した部屋より汚い印象だな。これだったら他の部屋の方がいいかも。」と申込のチャンスを失うだけでなく、他のオーナー様の賃貸付けの後押しをすることになってしまいます。
賃貸中の対策
賃借人から早期に解約の申入れを受け付けない契約にすることで、家賃収入を途絶えないようにするだけでなく、原状回復費用の支出を防ぎ、更新料などの収益を得るチャンスを生むことができます。
賃借人の解約理由には、①解約が防げない理由、②解約を防げたかもしれない理由、③解約を防がないといけない理由に分かれます。
①解約が防げない理由
・学校を卒業して就職する
・転職で勤務地が変更になる
・同棲、結婚、離婚をする
・子供が生まれた、または子供が成長し今よりも広い部屋に住みたい
・物件を購入した
・法人契約で入居者が退職する
・収入が減り家賃を大幅に下げないと支払えなくなる
・オートロックや宅配ボックスのある建物に住みたい
・新築や築年数が新しい物件に住みたい
・今よりも駅から近い物件に住みたい
・今よりも職場に近い物件に住みたい
・建物の横を走る電車の音が気になる
・高速道路が近くて排気ガスが気になる
解約が防げないケースは賃借人の生活の変化や建物の立地がおもな解約の理由です。
②解約を防げたかもしれない理由
・収入が減り少し家賃を下げたい。
・気分転換に引っ越ししたい。
・もう少し新しい設備がある部屋に住みたい。
オーナー様のご理解とご協力は必要ですが、更新のタイミングなどに少し家賃を下げる、設備に不具合があった時に直ぐに対処するなど、賃借人のストレスを軽減することで、オーナー様や管理会社の心象が良くなり住み続けてもらえる可能性が上がります。
③解約を防がないといけない理由
・隣や上階の住人がうるさい。
・隣の住人がバルコニーにゴミを溜めている。
・廊下やゴミ集積所など共用部が汚い。
・管理会社の対応が悪い。
第三者が原因によるものや、管理会社の対応の悪さが解約に繋がっている場合は防がないといけない理由と言えます。
まとめ
全国の賃貸物件における平均入居年数は、単身者層で約3年3ヶ月、家族層で約5年1ヶ月とされています。
首都圏は、利便性や環境の影響で平均居住期間が長くなる傾向がありますので、それ以外の地域はもっと短い居住期間であることが想定されます。
賃貸経営を健全に行うためには、数年毎に訪れる空室リスクをオーナー様と同じ目線で理解し、対処してくれる賃貸管理会社の存在は必要不可欠です。
もしお付き合いしている賃貸管理会社の姿勢や日々の対応に疑問を感じることがあれば、アーバンフォースにお声掛けください。
>> 賃貸管理ならURBAN FORCE(アーバンフォース)

宅地建物取引士 / 賃貸不動産経営管理士 / 住宅ローンアドバイザー
株式会社FGH 代表取締役社長
株式会社アーバンフォース 代表取締役社長
2007年2月フォースグループ創業以来、投資用不動産仲介の第一線でキャリアを積む。
中古ワンルームマンションはもちろん、不動産全般に関する多岐にわたる経験と知識でお客様からの信頼も厚い。
これまで400名以上のお客様の資産形成のお手伝いをしている。
このコラムを書いている人

徳永 裕幸
1982年 神奈川県出身 2014年アーバンフォース入社 保有資格:宅地建物取引士/不動産賃貸経営管理士/管理業務主任者