
ただし、仲介も不動産会社によっては、売却までのスピードが早まっている傾向があります。この記事では、買取の仕組みと仲介との違い、それぞれのメリット・デメリットについて解説します。
そもそも「ワンルームマンション買取」とは?
ワンルームマンションを売却する際には、不動産会社に仲介を依頼し、買主を探す方法を思い浮かべる方がいるかもしれません。
しかし、不動産買取という選択肢もあります。
買取とは、不動産会社が買主となって物件を直接購入する売却方法のことです。
仲介で必要となる販売活動や内見対応を省略できるため、売却にかかる手間を抑えやすいのが特徴です。
ここでは、ワンルームマンションの買取がどのようなものか、そして仲介との違いについて、わかりやすく解説します。
不動産買取とは?仲介との違いをやさしく解説
不動産買取とは、不動産会社が買主となる売却方法です。
通常、不動産を売却する場合、まず不動産会社に仲介を依頼して査定を受け、買主を探してもらうのが一般的です。
しかし買取の場合は、物件を仲介に出すのではなく、買取業者が直接売買契約を締結してくれます。
仲介は「不動産会社が宣伝広告を行い、購入希望者との間に立って交渉を進める」という流れですが、買取では買主が不動産会社になる点が最大の違いです。
仲介と比較すると、買取では原則として「仲介手数料」が発生しない点も特徴です。
仲介手数料の上限は法律(宅地建物取引業法)で定められており、不動産の売却価格によって異なります。
【仲介手数料の上限(速算式)】
売却価格 | 仲介手数料の上限 |
---|---|
売却価格が200万円以下の部分 | 売却価格の5%+消費税 |
売却価格の200万円超から400万円以下の部分 | 売却価格の4%+2万円+消費税 |
売却価格の400万円を超える部分 | 売却価格の3%+6万円+消費税 |
計算例(売却価格1,000万円の場合) (1,000万円× 3%+6万円)+消費税=39.6万円
買取は仲介手数料が原則かからないため、売却コストの一部を削減できます。
ただし、一般的に買取価格は仲介で売れる金額に比べて、低くなると言われています。これは、不動産会社が再販時の利益確保やリフォーム費用、営業コストなどを見込んで買い取るためです。
買取は「早く・確実に」売れるが、価格は低め
買取は、売買契約の成立から決済(現金化)までの期間が短い傾向があります。
たとえば、マンションの売買が活発な東京都や大阪府、あるいは地価上昇がみられる地域であっても、仲介で売りに出しても、すぐに買主が見つかるとは限りません。
しかし買取なら、査定から売買契約の締結、そして決済までを比較的スピーディに進められるでしょう。
賃貸中の物件で空室や家賃滞納などの問題を抱えている場合でも、条件次第ではすぐに現金化したいというオーナー様の要望に応えてくれる不動産会社があります。
一方で、スピードや確実性を優先する分、価格面では仲介売却よりも下がる傾向あり、ワンルームマンションの場合、市場価格の2割程度安く査定されると言われています。
さらに、築年数が古い、あるいは家賃が低下して利回りが悪化しているワンルームマンションなどは、買取価格が相場よりも低くなったり、場合によっては買取を断られたりするケースもあります。
なぜ買取を検討する人が多いのか?
ワンルームマンションのオーナー様が買取を検討する理由の一つとして、手間を省きたいという点が挙げられます。
投資用マンションを売却する場合、現在の入居者を退去させるのか、あるいはオーナーチェンジで売るのかなど、さまざまな判断が必要です。
仲介で売り出す場合は、内見対応やリフォームの検討、入居者様との調整なども出てきます。
買取を検討する方の中には、こうした労力を回避するために、不動産会社に直接買ってもらいたいと考えている方も少なくありません。
また、住宅ローンや投資ローンを早く清算したいという方にとっても、買取はメリットを感じるでしょう。
買取は、売買契約から引き渡しまでの期間が比較的短いため、長期的な金利負担を抑えられる点もメリットといえます。
さらに、確定申告で譲渡所得が発生する場合でも、売買の時期をある程度コントロールできるため、税金の支払いで手元の現金が出ていく時期が把握しやすくなります。
買取と仲介を比較!どちらがあなたに合っている?
ワンルームマンションの売却方法として、仲介と買取それぞれにメリット・デメリットあります。
自身がどちらを選ぶべきかを判断するには、価格面、スピード、手間、リスクなどを総合的に検討する必要があります。
ここでは、それぞれの違いをもう少し詳しく見てみましょう。
仲介と買取の違い【価格・スピード・手間】徹底比較
ワンルームマンション売却における、仲介と買取の主な違いを、価格面、スピード、手間の観点から比較してみましょう。
仲介業者 | 買取業者 | |
---|---|---|
仲介手数料 | 必要 | 不要 |
売却金額 | ○ 相場かそれ以上 |
× 安くなりがち |
売却期間 | × 長引く場合もある |
◎ 即日の場合もある |
手間 | △ | ○ |
仲介の場合は市場価格での売却を目指せる(高値の可能性あり)のに対し、買取は市場価格より低めとなります。
やはり一番のメリットは「スピード」になるでしょう。
仲介は買主を探すための販売期間が必要となり、成約まで数ヶ月以上かかるケースもあります。
それに対して買取は、不動産会社が直接購入するため話がまとまればスピーディな売却が可能です。
数週間から1ヶ月程度で、早ければ即日で現金化できることもあり、早期売却を希望する場合に適しています。
一方で、現金化を急ぐユーザーの
手間の面では、仲介では販売活動、内見対応、買主との交渉など、オーナー様自身の手間が多く発生します。
買取の場合は不動産会社との打ち合わせが中心となるため、手間は大幅に軽減されるでしょう。条件が合意できれば、スムーズに契約へ進められます。
「高く売る」なら仲介、「早く手放す」なら買取?
一般的な目安としては、ワンルームマンションをできるだけ高値で売りたいと考えるのであれば、仲介を検討するのが最初のステップになるでしょう。特に築年数が浅かったり、人気エリアに位置していたりする場合は、思わぬ高額で成約に至ることもあります。
一方で「早く手放したい」「転勤などで売却時期が限定的」「空室リスクや賃料下落に備えたい」など、スピードを重視する事情がある場合、買取を検討すると良いでしょう。
ただし、最近では、物件が一定期間売れなかったときに、あらかじめ決めておいた金額で不動産会社が物件を買い取る「買取保証付き仲介」などのプランを用意している場合もあります。
したがって、仲介で高値での売却を狙いつつ、最終的には早期に現金化したいというニーズにも対応できるプランも存在します。
実は手間も少ない!?最近の仲介売却はスムーズ
ひと昔前は「仲介で売り出すと内見対応や連絡が面倒」というイメージが根強かったかもしれません。
しかし、IT重説(インターネットなどITツールを使った重要事項説明)をはじめとしたネットを活用した仕組みの普及により、仲介売却における面倒なやり取りは減ってきています。
購入希望者と直接会わず、オンラインで内見のスケジュール調整を済ませるケースもあるほか、賃貸中のオーナーチェンジ物件であれば、入居者とのやり取りは不動産会社が仲介に入って管理会社と協力しながら進めてくれることが一般的です。
このように、仲介におけるオーナー様の負担は、減少傾向にあります。
ワンルームマンションを高く売るコツは「仲介」にあり
ワンルームマンションを少しでも高く売却したい場合、買取よりも仲介が有利となるケースが多くあります。
買取価格には業者の利益や経費が含まれる一方、仲介は市場の需要を直接反映しやすいためです。ここでは、仲介で高値を目指せる理由と、成功のためのポイントを解説します。
買取価格は相場の20%も安いって本当?
買取業者に売却を依頼した場合、目安として市場相場よりも20%程度低い金額となることがあります。
これは、買取業者は再販時の利益とリスクを考慮して買取価格を設定するためです。リフォームやクリーニング、再販のための宣伝費用、それに伴う人件費や時間的リスクなどが価格に反映されるため、低い価格が提示されがちです。
しかし、築年数が古いワンルームマンションや空室期間が長い物件など、一見すると投資価値が下がっているように見える物件であっても、仲介市場に出すことで状況が変わる可能性はあります。
手頃な販売価格、立地の良さ、あるいはリノベーションによる価値向上を見込めることなどを理由に、複数の投資家が興味を示し、結果的に競り合いになることも考えられます。
したがって、仲介のほうが買取価格よりも高い金額で成約する可能性は十分にあるでしょう。
仲介でも「売れるまでが長い」は過去の話
仲介売却に対して「内見や購入希望者との交渉が長引き、なかなか売却が成立しないのでは」という不安を抱える方もいるかもしれません。確かに、以前はそうしたケースが頻繁にありました。
しかし、最近はネット広告やSNSを通じた効率的な販売活動が普及しており、条件さえ合致すれば短期間で成約する事例が増えています。
とくに人口の流入が続く東京都心エリアや、駅近の利便性が高い立地などは需要が高く、売却までの期間が比較的短いことが期待できます。
仲介での売却期間と成功のポイント
仲介でワンルームマンションを売り出す際、売却期間の目安は数ヶ月、場合によっては半年以上と言われています。
もちろん市場の状況や物件の条件によって期間は変動しますが、売却を成功させるポイントは、適切な価格設定と販売戦略をいかに立てられるかという点にあります。
まず近隣の物件相場を把握し、売り出すタイミングでの需要を見極める相場調査が重要です。次に、不動産会社に宣伝方法の提案をしてもらい、魅力的な写真や物件情報を整備する販売計画の立案が求められます。
さらに、複数の買主候補から問い合わせがあった場合には、条件面や引渡し時期を調整しながら最終的な売買金額を柔軟に交渉し、決定していくことが大切です。
仲介売却の流れを知っておこう
ここからは、仲介によるワンルームマンション売却の具体的な流れとしては、基本的に以下の4つのステップを踏むのが一般的です。
大手不動産会社のみならず、投資用物件に強い専門業者でもこのフローはほぼ変わりはありません。
【STEP1】査定依頼〜相場把握
不動産売却の第一歩は、査定依頼で現在の市場価値(相場)を把握することです。
不動産価格は常に変動するため、複数社に査定を依頼し比較することで、より適正な価格を知ることが重要になります。
売却をお考えなら、まずは査定から始めましょう。
査定はインターネットから無料で申し込めることが多く、通常、数日内に概算価格が提示されるのが一般的です。
不動産会社は、立地、築年数、家賃相場、周辺の取引事例などを基に査定額を算出します。
より良い条件での売却を目指すには、複数の不動産会社へ査定を依頼し、価格やサービスを比較検討することをおすすめします。
複数の不動産会社に依頼するときは、一括査定サイトを利用すると効率的です。
不動産相場は都市部・地方を問わず変動します。ご自身の判断だけでタイミングを逃さないためにも、売却の意思があれば査定で市場動向を確認しましょう。
査定結果を踏まえ、具体的な売却時期や希望価格の検討を進めることができます。
【STEP2】媒介契約
査定内容に納得したら、次は売却活動を依頼する不動産会社と「媒介契約」を結びます。
これは売却活動を正式に依頼するための契約であり、スムーズな売却には不可欠なステップです。
契約の種類によって不動産会社の義務やオーナー様の活動範囲が変わるため、それぞれの特徴を理解し、ご自身の売却方針に合ったものを選ぶことが重要となります。
最適な契約を選び、内容をよく確認してから締結しましょう。
媒介契約には、主に以下の3つの種類があります。それぞれの特徴は次の通りです。
一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 | |
---|---|---|---|
複数社への依頼 | 可能 | 不可 (1社のみ) | 不可 (1社のみ) |
自己発見取引 | 可能 | 可能 | 不可 |
レインズ※への 登録義務 |
任意 | 義務あり (契約から7日以内) |
義務あり (契約から5日以内) |
業務状況の報告義務 | 任意 | 義務あり (2週間に1回以上) |
義務あり (1週間に1回以上) |
契約の有効期間 | 法令上の定めなし (標準媒介契約約款では3ヶ月以内) |
3ヶ月以内 (宅地建物取引業法で定められている) |
3ヶ月以内 (宅地建物取引業法で定められている) |
※Real Estate Information Network System(不動産流通標準情報システム)の略称。登録すると全国の不動産会社に物件情報が共有されます。
それぞれの契約形態には利点と欠点があります。不動産会社の説明を聞いて、ご自身の希望に最も合うものを選びましょう。
なお、仲介手数料は、媒介契約を結んだ時点ではなく、売買契約が成立した際に成功報酬として発生します。
契約書に記載されている仲介手数料の金額や支払時期については、契約締結前に確認しておくことが大切です。
【STEP3】販売活動〜内見対応
媒介契約を結ぶと、不動産会社が販売活動を開始します。物件情報を広く伝え、購入希望者に物件を確認してもらうことで売却を目指す段階です。
不動産会社としっかり連携して進めましょう。
販売活動では、不動産ポータルサイトへの掲載や、不動産会社のネットワークを通じて物件情報が発信されます。
空室物件には購入希望者の内見案内が入ります。賃貸中の場合は、入居者様付きのオーナーチェンジ物件として販売することも可能です。
内見の日程調整は不動産会社が行うのが一般的ですが、オーナー様の立会いが必要か事前に確認しておくと安心です。
リフォームやハウスクリーニングの提案を受けることもありますが、実施は必須ではありません。必要性をよく検討しましょう。
【STEP4】契約・引渡し・確定申告
購入希望者との間で売買条件が合意に至れば、売買契約の締結に進みます。
これは売買を法的に確定し、所有権移転と税務処理を行う最終段階です。各手続きを確実に進めましょう。
契約時には、重要事項説明を受けたうえで契約書を取り交わし、手付金を受領するのが一般的です。
決済日には、残代金の受領と同時に、抵当権抹消や所有権移転登記の手続きを行い、物件の引渡しが完了します。
不動産売却によって譲渡所得(売却益)が生じた場合は、確定申告が必要です。
譲渡所得にかかる税金(所得税・住民税)は、物件の所有期間などによって税率が異なります。
また、固定資産税や都市計画税は、引渡し日を基準に日割りで精算することが一般的です。
税金の計算や確定申告については、不明な点があれば不動産会社や税理士へ相談することをおすすめします。
仲介による売却を選ぶべきケースとは?
売却価格を重視するなら、仲介のほうが市場価格に近い価格で売れる可能性が高いため、おすすめです。
ここでは、特に仲介が有利となる具体的なケースをご紹介します。
築年数が浅い/立地が良いなら「仲介」で高値売却
築年数が比較的浅い、あるいは駅に近いなど好立地のワンルームマンションは、高値での売却が期待できます。
購入希望者にとって魅力的な物件は値引き交渉が発生しにくく、スムーズに売買が成立しやすい傾向にあるからです。時には価格競争が起こり、市場相場よりも有利な条件で売却できる可能性も考えられます。
広めの物件・ファミリータイプは空室リフォームなしでも売れる!
マンションが空室の状態だと、オーナー様の中には「家賃収入が途絶えるため、買主が見つかりにくいのではないか?」という懸念が生じます。
しかし自宅用マンションの購入を希望する方にとっては、内見が容易で購入後に自分の好みに合わせてリフォームしやすいという利点があり、好印象を与えやすい場合もあります。
中古マンション市場では、購入後にリフォームしたいという需要も一定数存在するため、オーナー様側で大規模なリフォームを行わなくても、仲介で売却できるケースは少なくありません。
投資用マンションはオーナーチェンジで仲介売却が狙い目
現在、入居者様がいるワンルームマンションも、投資用不動産としてオーナーチェンジという形で仲介売却できます。
これは、買主が賃貸借契約を引き継ぎ、購入後すぐに家賃収入を得られる点が大きな魅力となります。
投資家にとっては、購入後のキャッシュフローや利回りが計算しやすいというメリットにつながります。
賃貸管理会社によって物件が適切に管理され、修繕積立金や管理費などが適正な水準であれば、仲介で買い手が付くことが期待できるでしょう。
「投資用」「自宅用」それぞれのベストな売却タイミング
マンション売却の最適なタイミングは、「投資用」か「自宅用」かで異なります。
さらに、築年数・金利・市況といった客観的な要素も重要な判断基準です。
ここでは、ご自身の状況に合わせて最適な時期を見極めるポイントを詳しく解説します。
自宅用マンションを売るタイミング
ご自宅としているマンションを売却する場合、ライフイベントの変化や住宅ローンの状況が主なきっかけとなるでしょう。
これは住み替えの必要性や経済的な負担軽減のニーズが生じるためです。
ご自身の状況に合わせて最適なタイミングを見極めることが大切です。
具体的には以下のようなケースが考えられます。
家族構成の変化: お子様の独立、転勤やUターンによる引越しなどが挙げられます。
住宅ローンの残債状況: ローン残高よりも市場価格が高く売れる可能性がある時期に売却すると、経済的な負担を軽減しやすくなります。
買い替え需要: より広い部屋への住み替えや、利便性の高い駅近くへの移住を検討する際も売却のタイミングとなり得ます。
ご自宅用マンションの場合、実際に住むことを目的とした購入希望者とマッチングしやすい時期に売り出すと、有利に売却を進められる可能性があります。
例えば、春の新生活シーズンなど、引越し需要が高まる時期を狙うのも良いでしょう。
投資用ワンルームを売るタイミング
投資用ワンルームマンションの売却は、収益性の変化や市場の動向が主な判断材料となります。これは投資効率の最大化や損失回避を目指すためです。
収益性や市場を注意深く見極め、最適な売却時期を判断しましょう。売却を検討する具体的なタイミングには、以下のようなものがあります。
利回りの変化: 家賃の下落や空室率の上昇により、期待していた利回りが得られなくなった場合。
資金の再投資: 売却によって得た資金を、他の不動産投資や金融商品など、より有利な投資先に振り向けたい時期。
維持費の増加: 築年数の経過に伴い、固定資産税や修繕費などの維持コストが増加し、収益を圧迫し始めた場合。
投資用物件の場合、物件の収益率(表面利回りや実質利回り)やローンの金利状況などを総合的に考慮して、売り時を見極めると良いでしょう。
特に地価上昇が見込めるエリアの物件であれば、価格がある程度上昇したタイミングでの売却も有効な戦略となります。
「築年数」「金利」「市況」で見る売り時の判断軸
マンションの売却時期を判断するうえで、築年数、金利、市況は重要な要素です。
なぜなら、物件の市場価値や購入希望者の需要に大きく影響を及ぼすからです。
これらの要素を総合的に分析して、最適な売り時を見極めることが大切です。
築年数: 一般的に、築20年を超えると建物の価値は下がる傾向にあります。
一方で、築年数が浅い物件は市場価値が高く評価され、売却価格も高くなることが期待できます。
金利: 金融機関のローン金利が上昇すると、投資家の購入意欲が低下し、成約価格が下落しやすくなる傾向があります。
逆に、低金利の局面では不動産市場の需要が旺盛になる可能性があります。
市況: 国内外の経済情勢や、都道府県ごとの地価の動きなど、不動産市場全体のトレンドを把握し、売却のタイミングを見極めることが大切です。
よくある誤解:「仲介は面倒」「時間がかかる」?
仲介売却には「手続きが面倒」「売れるまで時間がかかる」といったイメージがあるかもしれません。しかし近年、不動産会社のサポート体制は充実し、売却期間の不安に対応する新サービスも登場しています。その背景について、解説します。
不動産会社がすべてサポートする時代
先述の通り、ITやネットを活用した販売活動が普及し、仲介売却でもオーナー様の負担を抑える仕組みが整ってきています。
例えば、内見のスケジュール調整や契約書類の作成、金融機関との交渉などは基本的に担当者が行います。
賃貸物件の管理会社と連絡を取り合ってくれるため、入居者とのトラブルリスクも減らせるでしょう。
仲介のデメリットをカバーする新サービスとは
仲介は売れ残りリスクがあるという懸念を解消するため、最近は「買取保証付き仲介」というサービスを提供する不動産会社も登場しました。
これは、あらかじめ定めた期間内に仲介での売却が成立しなかった場合に、不動産会社が買い取る仕組みです。
これにより、仲介で高値売却を目指しながら、万が一売れなかったときのリスクヘッジにもなります。
また、売却活動の途中経過を報告する不動産会社も多く存在します。
レインズ(不動産流通機構)への登録状況や内見数、問い合わせ状況などを定期的に報告するため、今どの程度買い手が付いているのかを把握しやすくなります。
スピード重視なら買取保証付き仲介という選択も
今すぐ売りたいけれど、できれば仲介で高値を狙いたい。そのような希望に応えるのが買取保証付き仲介です。
仲介のメリットである高値売却への可能性を追求しつつ、販売活動期間を過ぎても成約しない場合は不動産会社に買い取ってもらえるため、売却資金の計画を立てやすい点がメリットです。
通常より多少査定価格が下がる可能性はあるものの、スピードと価格の両立を求めるオーナー様には適した選択肢といえるでしょう。
実例紹介:仲介で高く売却できたケース
実際に仲介を活用して、買取業者の提示額より高く売却できた事例は数多く存在します。
ここでは、投資用ワンルームマンションを高値で売却できた実例をいくつかご紹介します。
実際にあった!「買取提示より100万円以上アップで売却成功」
福岡市 1998年築 ワンルームマンション
業者買取価格630万円でしたが、弊社仲介により750万円で成約しました。
成約のポイント:近隣にお住まいの高所得者層へアプローチし、実際に現地をご確認いただいたことがスムーズな成約につながりました。
京都府 2016年築 ワンルームマンション
業者買取価格2100万円でしたが、弊社仲介により2290万円で成約しました。
成約のポイント:既に同エリアに物件をお持ちのオーナー様へ、買い増しを提案しました。
このように、全国各地に顧客基盤があることやデータに基づき、顧客へ適切なタイミングでアプローチできることが、有利な条件での売却につながっています。
投資用マンションをスムーズに売却できた理由
同じマンション内であっても、投資家から見て魅力的な物件であれば、予想以上に早く買い手が見つかることがあります。
家賃収入や利回り、管理状況が良好な物件は、売買価格の値引き交渉も少なく済む傾向にあります。
特に、家賃滞納やサブリース契約に関する問題がないクリーンな物件であれば、購入を安心して検討する投資家が多く見られ、仲介でもスムーズに契約へ至る可能性が高まるでしょう。
売却事例から見る「仲介の実力」
買取業者の提示価格は、リスクヘッジと利益確保を考慮するため、どうしても市場価格より割安になる傾向があります。
それに対して仲介では、複数の投資家や一般の購入希望者が物件を検討するため、売買価格が市場相場に近づきやすくなります。
最終的にどちらの方法を選ぶかは、売却にかけられる時間と手間を考慮し、オーナー様自身の優先順位に従って判断することが重要です。
信頼できる仲介業者を見極めるポイント
仲介を選択する場合、どの不動産会社に依頼するかで売却の成功が大きく左右されることがあります。
特に投資用物件では、投資家向けのネットワークや実績を持つ業者を選ぶことが大切となります。
ここでは、信頼できる仲介業者を見極める際のチェックポイントを紹介します。
専門性が高いか?投資物件に強いか?
投資用ワンルームマンションは、購入の際に収益性や賃貸ニーズが重視される傾向があります。
そのため、投資物件の仲介実績が豊富な不動産会社であれば、的確な査定と効果的な販売戦略を期待できるでしょう。
一棟アパートやマンションを主に扱う投資家との繋がりを持つ会社の場合、ワンルームマンションの売却にも強い可能性があります。
査定の根拠をしっかり説明してくれるか?
査定を依頼した際、なぜその査定額になるのかという根拠を明確に説明してもらえるかが重要なポイントといえます。
近隣の成約事例、賃料相場、想定利回りといった具体的なデータを示して説明する会社は、誠実に業務へ取り組んでいる証拠と判断できるでしょう。
逆に、明確な根拠を示さずに高額な査定額だけをアピールする会社には注意が必要です。
対応のスピード・提案力・実績を見る
対応のスピード、提案力、そして実績も、不動産会社を見極めるうえで重要な判断材料となります。
まず、問い合わせや査定依頼に対して迅速かつ丁寧に対応する会社は、信頼しやすいといえるでしょう。
次に、提案力も重要です。買取保証付き仲介やオーナーチェンジでの売却といった選択肢を含め、オーナー様個々の状況や希望に合わせた柔軟なプランを提案できるかどうかも確認すべき点となります。
さらに、売却を希望する物件と同じエリアや、類似した条件の物件に関する売却実績が豊富かどうかも確認しましょう。
十分な実績があることは、安心して任せられるかの判断材料になります。
「迷ったらまず相談」が後悔しない第一歩
ワンルームマンションの買取を検討される背景には、売却スピードを重視したい、あるいは手間をできるだけ省きたいといったご事情があるかもしれません。
しかし、仲介売却に関するサービスも日々進化しており、結果としてより高く売却できるチャンスが増えています。
迷ったら、まずは複数の不動産会社へ相談し、買取と仲介の両方を比較検討してみることが、後悔しないための第一歩となるでしょう。
仲介・買取を比較したうえでの最適な選択を
買取ですぐに売却を決める前に、一度は仲介での査定額や提案内容を確認してみることをおすすめします。
物件の条件次第では、短期間であっても予想以上の高値が付く可能性もあります。
一方で、例えば入居者様との関係性や近隣との問題などが複雑な場合には、買取が最善の選択となるケースもあるでしょう。
無料査定から始めてみませんか?
多くの不動産会社が無料査定を提供しています。インターネット経由での簡易査定だけでなく、担当者が直接物件を訪問してヒアリングを行う「訪問査定」を利用すると、より詳細な査定金額の提示を受けられます。
住居用・投資用どちらの物件にも対応する会社も多いため、まずは複数社に査定を依頼して、ご自身の物件の相場観を掴むことから始めましょう。
高く売るための第一歩は「信頼できる査定」から
信頼できる不動産会社は、「いくらで売れそうか」という価格面だけでなく、「どのような売却方法が最適か」「想定される諸経費や税金はどのくらいか」といった点も含めて、総合的なアドバイスを提供してくれる傾向があります。
売却に伴う費用や、譲渡益が出た場合の税金対策などについても事前に相談しておくと安心です。
早い段階で必要な情報を整理しておくことで、精神的にも時間的にも余裕を持った判断がしやすくなるでしょう。
まとめ
ワンルームマンション売却には、早さと手軽さの買取と、高値を目指せる仲介があります。ただし、近年は買取保証など仲介のデメリットを補うサービスも登場しています。
最適な方法は物件状況やオーナー様の優先順位で異なります。信頼できる不動産会社を見極め、複数社に相談・比較検討することが後悔しないための第一歩です。まずは無料査定から始めましょう。
株式会社FGHは全国のワンルームマンション売却に特化した収益不動産の仲介業者です。
過去10,000件以上の取引実績、最新の取引事例、今後の経済情勢も踏まえ、お客様の様々な状況にあったオンリーワンプラン型のコンサルティングをさせて頂きます。

宅地建物取引士 / 賃貸不動産経営管理士 / 住宅ローンアドバイザー
株式会社FGH 代表取締役社長
株式会社アーバンフォース 代表取締役社長
2007年2月フォースグループ創業以来、投資用不動産仲介の第一線でキャリアを積む。
中古ワンルームマンションはもちろん、不動産全般に関する多岐にわたる経験と知識でお客様からの信頼も厚い。
これまで400名以上のお客様の資産形成のお手伝いをしている。