【2025年上期】首都圏投資用マンション市場動向まとめ

公開日2025/08/12
更新日2025/08/30

首都圏投資用マンション市場動向まとめ

静かに進む市場の変化

投資用ワンルーム市場は、ここ数年で「供給減少」と「価格変動」が同時進行しています。
株式会社不動産経済研究所が発表している首都圏投資用マンション市場動向をもとに、2025年最新の市況を解説していきます。
それぞれのグラフで過去を振り返りながら、詳しく見ていきましょう。

投資マンション発売戸数

投資マンション発売戸数の年次別推移表

※本グラフは、2025年上期及び2024年年間の首都圏投資用マンション市場動向よりFGHが作成したものです。

 
首都圏における投資用マンションは、超低金利や賃料収入(資産運用)期待の購入を背景に1990年代後半から2000年代半ばにかけて供給戸数を伸ばし、2007年には供給エリアを拡大して9,210戸と最多供給を記録しました。

しかし、2008年に地価の高騰やリーマンショックによって供給戸数が7,006戸に減少して以降は低水準で推移しています。
コロナ禍後は一時回復しましたたが、土地価格高騰・建築コスト上昇で再び減少傾向にあります。

2025年上期は前年同期比で供給戸数が14%減少し、物件数も25%減少しています。
首都圏の投資用マンション市場は、東京23区内では厳しい用地取得競争が続いていることと建築費の高騰が影響し、縮小の傾向にあると言えるでしょう。

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投資マンション平均価格・平均専有面積推移

投資マンション平均価格・平均専有面積推移

※本グラフは、2025年上期及び2024年年間の首都圏投資用マンション市場動向よりFGHが作成したものです。

 
2025年上期の平均価格は3,434万円で、前年同期比4.5%の下落。
専有面積は26.60㎡から25.74㎡へと3.2%縮小しました。つまり、物件はやや小型化しているにもかかわらず、価格は下落している状況です。

平均専有面積は15年前と比べると広くなっています。これは単に建築のトレンドではなく、入居者が「住み心地」や「設備の充実」を重視するようになってきた表れです。
言い換えれば、面積が狭く設備面で見劣りする物件は、将来的に空室リスクを抱えやすいと投資家が意識していることの反映ともいえるでしょう。

2025年上期、供給地区ランキング

第1位東京都葛飾区 311戸

第2位埼玉県川口市 208戸

第3位横浜市鶴見区 170戸

第4位川崎市川崎区 166戸

第5位東京都江東区 153戸

供給地域全20エリアの中で、上位の5エリアで供給の54.1%をシェアしています。
つまり、供給が特定の地域に大きく偏っている状況です。

背景には「用地を確保しやすい」「地価の上昇が比較的穏やか」といった理由がありますが、これは必ずしも実需の強さに裏打ちされた動きとは限りません。
むしろ、供給が集中するエリアほど、将来的に賃貸物件同士の競争が激化し、賃料の下落リスクが高まりやすい点には注意が必要です。

市場動向から出口戦略を考える

現状の賃料や稼働率が安定していると、つい「まだ大丈夫」と思いがちです。
しかし、次のような要素が重なれば、物件の収益性や売却価格に影響が出る可能性があります。

✅集中エリアでの競合激化による賃料下落
✅金利上昇による買い手減少
✅築年数経過による資産価値の下落
✅政策変更による税制・融資条件の変化
 

集中エリアでの競合激化による賃料下落

投資用ワンルームの供給が特定エリアに集中すると、一見「人気がある場所だから安心」と思いがちですが、実際には競合が増えることで賃貸市場のバランスが崩れるリスクがあります。
入居者にとっては物件選択肢が増えるため、築年数が浅く、設備が充実した物件に需要が偏りやすくなります。

すると、築古物件や設備面で劣る物件は、賃料を下げなければ入居者を確保できない状況に追い込まれる可能性が高まります。
特に葛飾区や川口市など、供給が集中している地域では、将来的な空室リスクと賃料下落リスクを見据えた戦略が必要となります。
 

金利上昇による買い手減少

不動産投資市場において、金利動向は売却価格に直結します。
低金利環境では投資家が積極的に融資を利用して購入するため需要が下支えされますが、金利が上昇すると借入コストが増し、利回りが相対的に低下します。
その結果、買い手が慎重になり、以前と同じ価格では売却が難しくなるのです。

とくに投資用ワンルームは融資依存度が高いため、金利上昇の影響を受けやすい資産といえます。
現状は低金利に支えられていますが、金融政策の変化が価格に与えるインパクトは大きく、出口戦略を考えるうえで無視できない要素です。

ここ数年で低金利時代も終焉を迎えようとしており、弊社のオーナー様の中にも借り入れ時は1.8~2%だったものが、3%程に上がってしまったという方もいらっしゃるようです。
 

築年数経過による資産価値の下落

築年数が進むにつれて、物件の資産価値は徐々に下落していきます。
以下は築年と賃料の関係を示したグラフです。
築年と賃料の関係

新築時や築浅時には高値で売却できても、築10年、20年と経過するにつれて減価償却や建物の経年劣化により市場価格は下がります。

さらに、入居者ニーズは年々「住み心地」や「設備の充実」を重視する傾向が強まっており、古い間取りや設備では競争力を失いがちです。
貸需要が落ち込むと、売却価格にも直接影響します。築浅のうちに売却を検討する投資家が多いのはこのためであり、長期保有戦略を取る場合でも、修繕・リフォーム費用を織り込んだ計画が欠かせません。
 

政策変更による税制・融資条件の変化

不動産投資市場は、政策変更の影響を大きく受ける分野です。

例えば、固定資産税の優遇措置が縮小されれば、投資家の購入意欲は減退します。
また、金融機関が融資姿勢を引き締めれば、購入希望者は減り、結果的に売却価格の下押し要因となります。

さらに、相続税や所得税の改正があると、節税目的での購入需要が減少する可能性もあります。
こうした政策リスクは投資家のコントロール外にあるため、いかに早めに動けるかが重要です。

まとめ

現在の市場は、供給減少による一時的な価格安定に支えられています。
しかし、この状態がいつまで続くかは不透明です。賃貸経営の安定と資産価値維持を両立させるためには、「売るべき時」を逃さない視点が欠かせません。

売却を決断するのは簡単ではありませんが、情報収集とシミュレーションは今すぐ始められます。
定期的に査定を受け、市場動向と照らし合わせながら出口戦略を検討しておくことが、将来の後悔を防ぐ一番の方法です。

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山丸 慎太郎
コラム監修 山丸 慎太郎
資格

宅地建物取引士 / 賃貸不動産経営管理士 / 住宅ローンアドバイザー

プロフィール

代表取締役社長

代表取締役社長

2007年2月フォースグループ創業以来、投資用不動産仲介の第一線でキャリアを積む。

中古ワンルームマンションはもちろん、不動産全般に関する多岐にわたる経験と知識でお客様からの信頼も厚い。

   

これまで400名以上のお客様の資産形成のお手伝いをしている。

このコラムを書いている人

Sayuri Takahashi

Sayuri Takahashi

マーケティング部 保有資格:宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士/2級ファイナンシャルプランニング技能士/インテリアコーディネーター

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