今すぐ火災保険の見直しを!
火災保険は、火災はもちろん台風や洪水などの風水害からも住宅や家財を守ってくれる保険です。
近年は大規模な災害が多く発生していることから、火災保険制度の維持のため、2022年には保険料の値上げや保険期間の短縮といった大きな制度変更が予定されています。
制度変更の前に、今のタイミングで火災保険を見直してみましょう。
火災保険の値上がりの背景
火災保険が値上がりする理由は、損害保険会社各社の大幅な収支悪化と関係しています。
近年の日本では大規模な災害が相次ぎ、火災保険の保険金の支払いが急増しています。
2018年度の損保各社の自然災害に伴う保険金の支払額※は、過去最大の約1.5兆円、2019年度は1兆円を上回り、2020年度も赤字になっています。
このまま保険会社の保険金支出が続くと火災保険自体が成り立たない状況になり、それを防ぐために保険料の値上げが決定しました。
※地震による被害を除く
最長契約期間が10年から5年へ
今回は保険料の値上げと並行して、10年から5年へ契約期間の短縮も発表されました。
なぜ値上がりだけでなく、契約期間も短縮されるのでしょうか?
1つ目の理由には、10年先のリスク予測が難しいことが挙げられます。
火災保険の保険料は、契約期間中にどれくらいの割合で災害がおき、そしてどのくらいの被害が出るのかを予測して設定されています。
しかし近年は、地球温暖化等の不確定要素により、以前よりも自然災害の予測が難しくなっています。
このまま最長契約期間を10年にすると、予想を超える大規模な災害が発生した際に想定以上の保険金支払いが発生し、火災保険の収支悪化に繋がる可能性があるため、契約期間が短縮されることになりました。
そして、もう1つの理由としては、契約期間を10年に設定したままでは値上がりによる収支の改善に時間がかかってしまうことが挙げられます。
現在、火災保険に加入している方は、すぐに保険料値上げが反映されるわけではありません。
火災保険の値上がり前から契約していた場合、値上がりするタイミングは次回の契約更新時になります。
今回の値上がり時期は2022年を予定していますが、仮にAさんが2021年に火災保険を10年契約した場合、更新時期が2031年になるため、Aさんの場合の値上がり時期は2031年になります。
火災保険の保険料値上げによる収支改善は、契約更新を早くすることが重要なのです。
築年数が古い建物は保険料が高くなる
築年数が古い住宅は、建物の老朽化による影響で、築年数の浅い建物よりも、台風などの自然災害による建物の損害リスクが高くなります。
近年、日本では築年数が古い住宅が増加していることもあり、築年数の古い物件はより保険料が高くなる傾向にあります。
まとめ
火災保険の保険料は自然災害の多発を受けて、値上がりが続いています。
保険料率が改定される前に、現在の補償内容の確認と、乗り換えを含めた保険の見直しを検討しましょう。
火災保険はさまざまな保証を付ける事により保険料が高くなるため、自身にとって必要な補償を確認し、色々な保険会社を比較して内容を決めていくことをおすすめします。
このコラムを書いている人
柏井 優輝
東京都出身 2015年新卒入社 FGHフットサル部キャプテン 保有資格:宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士/管理業務主任者/2級ファイナンシャル・プランニング技能士
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