マンション売却にかかる時間を左右する内覧!押さえておきたい準備と当日のポイントを解説
【目次】
マンション売却にかかる時間を左右する内覧!押さえておきたい準備と当日のポイントを解説
「マンションの内覧は何を準備すればいい?」
「希望者がなかなか現れない場合の対処法はある?」
マンションの内覧は、買い手の購買意欲を左右する非常に重要な工程です。
この記事では内覧の流れや準備、押さえておきたいポイントを紹介します。
あわせて内覧希望者がなかなかこないときの対処法も紹介します。この記事を読めば内覧がスムーズに進められるでしょう。
マンション売却のための内覧の流れ
マンション売却のための内覧は、以下の流れで進めます。
- 不動産会社に申し込みが入る
- 不動産会社の担当者と日程調整をする
- 内覧を実施する
- 成約
申し込みが入り次第日程調整をし、内覧を実施する流れです。
すでに空室のマンションを売却する場合は、内覧を不動産会社に任せても問題ありません。
まだ住んでいるマンションの場合は、基本的に自分も内覧に立ち会うことになります。
事前の準備や成約につながるポイント、注意点を押さえて内覧を上手に進めていきましょう。
マンション売却の内覧に準備しておきたいこと
内覧の前に準備しておくべきことは以下の3つです。
- 掃除・整理整頓
- 最低限の修理
- 質問への回答内容の考案
それぞれ詳しく見ていきましょう。
掃除・整理整頓
内覧は見た目の印象が非常に重要です。よく見られる箇所をしっかり掃除し、あわせて整理整頓しておきましょう。
あまりに汚れている場合は購入の検討外にされたり、値下げ交渉の材料にされたりします。
買い手が特に気にするポイントは以下の3箇所です。
- 玄関
- リビング
- 水回り
玄関は見た目の印象はもちろん、収納スペースの大きさや数をよく見られます。
掃除をしたうえで、いらない靴などは処分して少しでも広く見せましょう。
リビングはメインの居住スペースであり、広く見せられるかがポイントです。
いらないものは処分し、家具の配置を変えて広さをアピールできると高評価になります。
また水回りは一目で清潔感があるかを確認できる重要なポイントです。
水垢やカビなどが落ちない場合は、ハウスクリーニングの利用も検討しましょう。
最低限の修理
完全に穴が開いているなど、見た目の印象を大きく損ねる場合は修理をしておきましょう。
見た目の印象だけで、購入を避ける買い手も少なくはありません。
なおこの時、傷や穴などを隠すのは絶対にNGです。よく覚えておいてください。
詳しくは「マンション売却の内覧でやってはいけないこと」で解説しますが、買い手とトラブルになる可能性があります。
破損箇所を正直に伝えるか、事前に修理しておくかのどちらかで対応しましょう。
質問への回答内容の考案
内覧に立ち会う場合、買い手から物件について質問されます。
事前に不動産会社の担当者とも相談し、想定される質問への回答内容を考えておきましょう。
回答に迷ったり、ネガティブすぎる回答をしてしまったりすれば、買い手は購入を控えようと思うかもしれません。
内覧時のよくある質問は以下のようなものです。
- なぜ売ることにしたのか
- 地域の治安はどうか
- 生活のしやすさはどうか
- 交通の便はどうか
- 近所づきあいはどうか
- 住んでいて気になる点はあるか
- このマンションのメリットはなんだと思うか
想定外の質問が飛んでくるケースもあるので、しっかり対策は練っておいてください。
マンション売却の内覧当日で成約につながるポイント
内覧当日、成約につながりやすいポイントは以下の2つです。
- 部屋の明るさを上げておく
- 住民目線でのアピールポイントを適度に伝える
それぞれのポイントについて見ていきましょう。
部屋の明るさを上げておく
部屋の明るさを上げ、心理的に室内の雰囲気がよく見せるのがコツです。
カーテンを開けて、室内の電気はなるべくつけておきましょう。
光が弱くなっている白熱球があれば、LEDに変えてみるのも良いかもしれません。
住民目線でのアピールポイントを適度に伝える
「実際に住んでいる人」の目線で、マンションの立地や住み心地に関するアピールポイントを伝えましょう。
買い手は広告に掲載されている情報からは読み取れない、実際の居住者の視点を気にします。
ただし「話しかけすぎ」には注意です。買い手が購入するかどうかをじっくり考える時間を奪い、焦らせてしまいます。
あくまで買い手主体で、適度にアピールポイントを伝えるようにしてください。
マンション売却の内覧でやってはいけないこと
内覧時にやってはいけないことをしっかり押さえておかないと、想定以下の価格でマンションを売ることになったり、契約後に買い手とトラブルになったりします。
以下の2つの「やってはいけないこと」は最低限押さえておきましょう。
- 安易に値引き交渉を受ける
- マンションの不具合を隠す
それぞれ詳しく解説します。
安易に値引き交渉を受ける
内覧のタイミングで安易に値引き交渉に応じてはいけません。
値引き交渉は根拠となる金額を計算し、不動産会社の担当者としっかり打ち合わせたうえで対応するべきです。
内覧時点で値引きの話をされても、即答はせず後日改めて金額を提示しましょう。
マンションの不具合を隠す
マンション内に何らかの不具合がある場合は、絶対に隠さず買い手に伝えてください。
あとから不具合が発見された場合、買い手は売り手に以下のことを請求できます。
- 該当箇所の修理
- 売買契約の解除
- 購入代金の減額
(参考:法務省「民法の一部を改正する法律(PDF)」)
これは「契約不適合責任」といい、民法第562条によって定められています。
わかっている不具合は内覧の時点で隠さず正直に買い手に伝え、契約時には「告知書」「付帯設備表」もしっかり記載しましょう。
もし内覧に失敗したら理由は必ず聞くこと
内覧に失敗してしまい成約に至らなかった場合、内覧に来てくれた買い手に何が原因だったか必ず聞くようにしましょう。
立地などの「どうしようもない理由」以外の要素は、このタイミングで改善できる可能性があります。
「水回りが汚い」「収納スペースが少ない」「思ったより狭い」などの理由だった場合は、ハウスクリーニング、収納物の整理や廃棄、家具の配置変えなどをするだけでも好印象に変えられるかもしれません。
成約に至らなかった理由はしっかり聞いて、次の内覧に活用しましょう。
マンション売却の内覧希望者が来ないときの対処法
内覧を受け付けていても、なかなか希望者が来ないケースは少なくありません。
そこで内覧希望者が来ないときの対処法を、原因別に解説します。
よくある原因は以下の3つです。
- 価格が相場より高い
- 時期が悪い
- 不動産会社の広告活動が足りない
それぞれの対処法を見てみましょう。
価格が相場より高い場合:適正価格に直す
価格が周囲の同条件のマンション相場より高い場合は、価格を見直さないとなかなか買い手がつきません。
ほとんど同じ条件で安いマンションがあれば、買い手はそちらに流れてしまうでしょう。
不動産会社の担当者と相談し、適正価格への見直しをしてみてください。
時期が悪い場合:2~3月を狙って再スタートする
マンションが最も売れやすいタイミングは、引っ越しの多い2~3月です。
一度売却活動をストップし、2~3月に再開するのも一つの手段でしょう。
特に8月前後はマンションがかなり売れない時期です。焦らずに時期を見直してみてください。
不動産会社の広告活動が足りない場合:広告の内容や契約方法を見直す
不動産会社が適切な広告・宣伝を打っていない場合は、内容の見直しを図ってみてください。
掲載される写真や文章で魅力を伝えられなければ、なかなか内覧希望者は現れません。
また「一般媒介契約」を結んでいる場合は、より積極的に広告活動をしてもらえる「専任媒介契約」や「専属専任媒介契約」に切り替えるのもひとつの手です。
良い広告なしにマンションは売れないので、しっかりチェックしましょう。
まとめ
内覧では見た目を向上させておくことと、住民目線でのアピールポイントを適度に伝えることが重要です。
安易な値引き交渉は受けず、不具合を隠して契約不適合責任を問われないよう注意して進めましょう。
内覧希望者がなかなかこない場合は、買い手にとってのニーズを考えて、広告の活動内容を見直してみてください。
このコラムを書いている人
新田 知也
2015年 株式会社FGH入社 静岡県出身 不動産仲介営業、マーケティング戦略、DX戦略、当社独自サービス「投資スケルトン」開発の経験を経て、2021年にマーケティング部を立ち上げ。 2022年4月 同社執行役員に就任。 リアルとデジタルの融合をテーマに様々なコンテンツの企画、プロデュース、ディレクションを担当。お客様に「驚き」と「感動」をお届けいたします。
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