【第10回】マイニング投資との比較

公開日2019/10/07
更新日2024/01/11

2019.10.14
代表取締役会長 渡邊 勢月矢

マイニングイメージ

【第10回】マイニング投資との比較

一時期、仮想通貨を生み出す「マイニング投資」も注目を集めました。
 
「仮想通貨との比較」で解説したとおり、一般的な通貨は国や銀行が取引の正確性や価値を管理します。
 
一方、仮想通貨は、そうした特定の機関が管理をしていません。
 
では、誰が管理しているのかといえば、参加者(第三者)によって管理されているのです。
 
第三者がコンピュータのネットワークを利用して仮想通貨を管理する仕組みです。
 

この第三者による取引の承認および確認作業をマイニング(採掘)と呼びます。
 
一般的には、マイニングマシンと呼ばれるコンピュータを使って専門業者が行っています。
 
マイニングにかかる費用が莫大となるため、出資者を募りマイニングの報酬が出資者に支払われると言うことです。
 

よく「マイニングの機械を置きたい」と耳にしますが、マイニング作業を行うための場所を賃貸したいという話で、実際には計算作業をするパソコンをたくさん置いておく部屋です。
 
作業は人がやるわけではなく機械がやります。
 
かつてマイニングをするだけで儲かったのですが、今なら投資した設備資金を回収するのも難しいと言われています。
 

そもそもマイニングではパソコンのプロがいないと成立しません。
 
私の場合、友人がパソコンに精通しているため、私がマイニングマシンを用意して彼にセッティングしてもらいました。
 
だから低コストでできたのですが、普通はそこに手数料が乗っています。
 
1台36万円で買ったものが、あるところでは120万円で売っていました。これなら機械を売るだけでボロ儲けです。
 

この機械を買って月々のインカムゲインがあり、出口は誰かに売るのですが、それが今は急落している状態のため誰も買ってくれません。
 
出口でキャピタルゲインを得るのは難しい状況です。
 
これはある意味で不動産投資に似ています。
 
高い金額で買ってしまい、10年後に1/10の価値になってしまったら、せっかくインカムがあっても、売るときに安ければトータルで負けていることになります。
 

売り方もアフリエイトのような形で、誰かが紹介料を得ながら売られているものです。
 
そうしたものにお宝があるとは思えません。
 
とはいえマイニングでも若干ではありますが得をする話は聞きますし、その逆に詐欺まがいの胡散臭い話もたくさん耳にします。
 
いずれにしても何の知識もない人がなんとなく参入して、そこでいいものが買えて良いタイミングで売れて大儲け……となる可能性は低いでしょう。
 
そんなにうまい話はありません。

このコラムを書いている人

渡邊 勢月矢

渡邊 勢月矢

株式会社FGH代表取締役会長 CPM ® (米国不動産経営管理士)徳島県生まれ、広島県育ち。 大学卒業後、中小企業の営業支援を行う会社に就職。「個人投資家の目線に立った不動産売買仲介事業をしたい」との想いを抱き2007年2月、株式会社アーバンフォースを設立。その後、賃貸・売買部門を独立させ、株式会社FGHを設立・ホールディングス化。年間1000件以上の仲介案件を手掛け、通算8000件以上の適正な流動化を実現し、不動産所有者、購入希望者双方のニーズを満たすサービスを提供し続けている。 保有資格:宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士

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