【第15回】転貸スペース投資

公開日2020/01/07
更新日2024/01/11

2020.1.7
代表取締役会長 渡邊 勢月矢

 
会議スペース

【第15回】転貸スペース投資

一般的に不動産投資では、月単位で部屋を貸し出しますが、貸し会議室やパーティースペースなど、レンタルスペースとして貸し出す場合は「時間貸し」になります。
 
どんな部屋が貸し出されるかといえば、オフィスや店舗はもちろん、戸建て、区分マンションなど様々です。
 
用途といえば、ミーティング利用からパーティ、撮影、サロン利用などもあります。
 
こうしたスペース投資に向いている部屋というのも様々で、例えばお店の経営者が使用していない時間に貸し出すといったことや、会社の会議室を出しだすとうこともできますが、転貸スペース投資として行う場合は、借りた部屋をレンタルスペースとして貸し出すというケースが多いです。
 
具体的に言えば、ターミナル駅やオフィス街の最寄りにある雑居ビルや区分マンションの1室を借りて、レンタルスペースとして時間貸しするのです。
 
また利用客をどのように募集するのかといえば、スペース貸し専門のマッチングサイトがあります。
 
【代表的なサイト】
スペースマーケット https://www.spacemarket.com/
インスタベース https://www.instabase.jp/
スペイシー https://www.spacee.jp/

 
メリットは物件を購入せずに不動産投資がはじめられること。
 
不動産を購入するとなれば、融資を受けるか、多額の自己資金の準備が必要ですが、借りるとなればそこまでの資金は必要ありません。
 
マンションの1室からはじめられますので、敷金・礼金、部屋の備品をそろえても数十万円程度で済みます。
 
うまくいかなければ撤収もできますから、リスクの少ない投資といえます。
 
デメリットをいえば、スペース投資ができる物件が少ないこと。
 
多くのオーナーはトラブルを嫌いますから、不特定多数が出入りするようなスペース投資を好まないことが多いです。
 
また、実際にトラブルが起きやすいという側面があります。
 
静かな住宅街で夜間にパーティをすれば騒音クレームが起きるのも無理がないでしょう。
 
くわえて一般の賃貸物件に比べて立地選びも重要です。
 
駅から遠くまったく需要のないエリアではじめると、借り手が現れない……ということになりかねません。
 
また、借りて行う投資ですから、家賃や光熱費など月々のランニングコストがまとまってかかります。
 
きちんと稼働させることができなければ赤字になる可能性もあります。
 
いずれにしても2年契約をして月払いとなる普通賃貸に比べて、時間貸しは不安定です。
 
高稼働して大きく稼げる可能性がある代わりに、まったく借り手が現れないという可能性もあるのです。

このコラムを書いている人

渡邊 勢月矢

渡邊 勢月矢

株式会社FGH代表取締役会長 CPM ® (米国不動産経営管理士)徳島県生まれ、広島県育ち。 大学卒業後、中小企業の営業支援を行う会社に就職。「個人投資家の目線に立った不動産売買仲介事業をしたい」との想いを抱き2007年2月、株式会社アーバンフォースを設立。その後、賃貸・売買部門を独立させ、株式会社FGHを設立・ホールディングス化。年間1000件以上の仲介案件を手掛け、通算8000件以上の適正な流動化を実現し、不動産所有者、購入希望者双方のニーズを満たすサービスを提供し続けている。 保有資格:宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士

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