【第6回】リートがいいのか現物がいいのか
2019.8.12
代表取締役会長 渡邊 勢月矢
【第6回】リートがいいのか現物がいいのか
現物不動産投資と比較対象となるものにリートがあります。
リートは「不動産投資信託」で、投資家から集めた資金を使って収益不動産を購入します。
そして得られる賃貸料収入(インカムゲイン)や不動産の売却益(キャピタルゲイン)を原資として投資家に配当をする商品です。
取引所に上場しているため株と同じように売買ができます。
また、リートを通じて様々な不動産……たとえば、個人投資家で購入できないような商業ビルなどへの投資も可能です。
さらに、運用するのはプロなので、持っているだけで利益を得られます(もちろん、価格が下がることもあります)。
少額で気軽に投資できるところが人気のあるリートですが、様々な種類があります。
商業系のリートや住宅型のリートだったり、あるいは物流系のリートであったりと、それに混合と複合もあり、いわゆる現物が買えないような場所でも買えるようなスケールメリットはあります。
ただし私のイメージでは、そこまで儲かるような投資商品ではありません。
あまり値動きが激しくないため、安定しているのかもしれませんが、投資としての妙味に欠ける印象を持ちます。
また、融資が組めないためキャッシュに頼るしかありません。
私の友人に、資金が用意できるので現物不動産にしようか、それともリートにすべきかで迷っていた人がいたのですが、証券会社に勤めている彼はリートを選びました。
長期的に見て、配当目的であれば持っていてもいいかなと思います。
ただし、配当をまとめて得るためには、大きな金額を投資する必要があります。
100万円程度の投資では儲かったところでたかが知れています。
しっかりと配当を得たいなら、何千万円というレベルで投資をしなければインカム収入を得られません。
それに比べて現物不動産投資はそれなりの手間がかかります。
不動産会社とのやりとりや、自分でキャッシュフロー表を作るような実務はあるけれど、実入りはちゃんとあります。
苦労がある分だけ、得られるキャッシュフローは大きいというのが特徴です。
言い換えると、投資した金額に対してリターンが大きいのが不動産の現物投資なのです。
このコラムを書いている人
渡邊 勢月矢
株式会社FGH代表取締役会長 CPM ® (米国不動産経営管理士)徳島県生まれ、広島県育ち。 大学卒業後、中小企業の営業支援を行う会社に就職。「個人投資家の目線に立った不動産売買仲介事業をしたい」との想いを抱き2007年2月、株式会社アーバンフォースを設立。その後、賃貸・売買部門を独立させ、株式会社FGHを設立・ホールディングス化。年間1000件以上の仲介案件を手掛け、通算10000件以上の適正な流動化を実現し、不動産所有者、購入希望者双方のニーズを満たすサービスを提供し続けている。 保有資格:宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士
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