頭金なしでのフルローン・オーバーローンは大丈夫?注意点やリスクとは?
頭金なしで投資用マンションが買える
少ない自己資金ですぐに始められる『少額スタート!』というキャッチ・・
「お客様ならローン審査に問題ありませんよ!」という営業マンの言葉・・
超低金利時代といわれる昨今、フルローンで購入したら得になるのでしょうか。
フルローンって?
一般的に金融機関から融資を受けて投資用マンションを購入する場合、
・金融機関の事務手数料(融資手数料)
・ローンの保証料
・登記費用(移転登記、抵当権設定など)
・火災保険
・仲介手数料、etc…
おおよそ物件価格の10%~20%が初期費用として掛かってきます。
1800万円くらいの物件を金融機関からお金を借りて不動産投資を始めようと考えたとしても、手元の資金が目安として180万以上ないと始められません。
それとは逆に、物件の購入金額100%を金融機関から借り入れを起こすことを「フルローン」と言います。
また、上記初期費用を含めて物件価格以上の借り入れを起こすことを「オーバーローン」と言います。
健全に運用できる?
仮に、『年収500万円以上あれば、弊社は頭金0でもやります!自己資金がなくても大丈夫です!』という販売営業マンの話に乗っかってしまいフルローンで購入した場合、購入した物件をいざ貸し出して家賃収入を得ようにも金融機関への返済金額が家賃収入よりも高くなってしまっていると、もちろん手元にお金は残りません。
たとえ購入時はプラマイゼロという状態だったとしても、幾年後に家賃が下がって毎月マイナスになってしまう可能性は十分に考えられます。
空室や修繕積立金の改定、その他もろもろ起こりうるリスクに備えておく必要もありますので、手元に維持するだけの資金がなければ、返済できない状況に陥ってしまいます。
オーバーローン・フルローン・頭金 支払い金額比較
借入期間35年、元利均等返済、金利2% | |||||
借入金額 | 総返済額 | 返済総額差 | 月返済額 | 月返済差 | |
オーバーローン | 27,000,000 | 37,565,072 | – | 89,440 | – |
フルローン | 25,000,000 | 34,782,404 | -2,782,668 | 82,815 | -6,625 |
頭金500万 | 20,000,000 | 27,825,861 | -9,739,211 | 66,252 | -23,188 |
オーバーローンと頭金を500万入れた場合を比較すると、総返済額は約900万 月の返済額2.3万違いがあります。
オーバーローン・フルローン・頭金 金利1%上昇比較
借入期間35年、元利均等返済、金利3% | |||||
借入金額 | 総返済額 | 表1との差 | 月返済額 | 表1との差 | |
オーバーローン | 27,000,000 | 43,641,816 | 6,076,744 | 103,909 | 14,469 |
フルローン | 25,000,000 | 40,409,090 | 5,626,686 | 96,212 | 13,397 |
頭金500万 | 20,000,000 | 32,327,082 | 4,501,221 | 76,970 | 10,718 |
オーバーローンの金利2%と3%での返済総額比較では、たった1%で約600万もの違いが出てきます。
年数にもよりますが、返済金額を長くすればするほど、月の負担が減るように見えるため、そのぐらいならと安易に考えてしまうと、ローン返済の闇に陥ってしまうかもしれません。
フルローンはよくないのか
手元に資金はちゃんとある!ただ、2件目、3件目と増やしていくことを考えて、あえてフルローンにしたい!
ということであれば問題ないかもしれません。※弊社ではオススメしておりませんが・・
不動産投資を始めるのであれば、一般的に頭金を貯めてからスタートする方が良いと言われておりますが、今のような超低金利時代であれば、金利も安いし、頭金が貯まるのを待つよりも、今始めてしまったほうが得なのではないか、と考えている方の気持ちもわからなくはありません。
ですが、ここで気を付けていただきたいのは、自己資金がないのに借り入れをして物件を購入する、というのはそれなりの“危険性”があるということです。
不動産投資は、手元に現金がない状態でフルローンで始めるのではなく、もし仮にフルローンで購入するとしても、物件価格のせめて2割ほどの預貯金(自己資金)を準備をしてから始められることをオススメいたします。
このコラムを書いている人
渡邉 幸也
1990年 秋田県鹿角市生まれ 東京都日野市育ち 2013年 株式会社FGH入社。不動産業界歴10年のノウハウを生かし収益不動産のプロフェッショナルとして、数多くの不動産を仲介する。 現在は、投資用不動産の売却・販売など幅広く担当している。 保有資格:宅地建物取引士
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