ワンルームマンション売却(投資用)を成功させるためには?タイミングや最新情報、税金や体験談も紹介

公開日2021/09/10
更新日2021/09/18

【目次】

ワンルームマンションは投資物件として人気が高く、多くの不動産投資家がワンルームマンションを保有しています。投資戦略においては売却を検討するケースも出てきますが、「売却すべきか持ち続けるべきか?」「売却するならどのタイミングがいいのか?」「できるだけ高く売却するにはどうしたらいいか?」など、様々な悩みを抱えている方がいらっしゃいます。

 

今回は、ワンルームマンションの売却を成功させるためのポイントや、売却すべきタイミング、売却する際の流れや売却に要する費用などについて解説していきます。新型コロナウイルスの影響を含めた最新情報にも触れていますので、ぜひご一読ください。

 

■ワンルームマンション売却を成功させるためのポイント

ワンルームマンションの売却は「こうすれば必ず成功する」という鉄則はありませんが、少しでも成功の可能性を高めるために押さえておきたいポイントはいくつかあります。ワンルームマンションの売却で後悔したくない人は、以下のポイントを踏まえたうえで売却を計画していきましょう。

 

  • 売却成功のポイント01:近隣物件の相場を把握する

近隣で売りに出されているワンルームマンションの相場を把握しておくことは重要です。広さや間取り、築年数や駅からの距離などの条件が近いワンルームマンションをピックアップして、相場をチェックしておきましょう。相場が分かっていれば、「高いときに売却する(安いときに売却しない)」という判断がしやすくなります。また、不動産業者に査定依頼をしたときに、査定額が妥当なのかどうかを判断する基準にもなります。いずれにしても、近隣物件の相場を把握していれば、売却を有利に進めることができるはずです。

 

ワンルームマンションの相場を知る方法はインターネットで十分です。大手ポータルサイトで近隣物件の売却価格を調べ、定期的にメモをしたり、スクリーンショットを撮ったりしておきましょう。

 

  • 売却成功のポイント02:複数の不動産業者に査定依頼する

ワンルームマンションを売却する際は、必ず不動産業者に査定依頼をします。もちろん、1社に査定依頼をして納得のいく査定額が出てくることもあると思いますが、業者によって査定額に20~30%程度の差が出ることも少なくありません。少しでも高く売りたいと考えるのであれば、複数の不動産業者に査定依頼するのがいいでしょう。

 

複数の不動産業者に査定依頼をするのは手間がかかりますが、一括査定サイトを使えば、一度に複数の業者に査定してもらえるので便利です。ただし、一括査定サイトのデメリットとしてよく言われるのが、営業電話がかかってくることです。一括査定サイトを利用したら、複数の業者から営業電話がかかってくることは覚悟しておきましょう。

 

  • 売却成功のポイント03:ワンルームマンションに強い不動産業者を選ぶ

売却したいワンルームマンションの査定が済んだら、具体的に「どの不動産業者で売却するか?」を決めます。たとえば、査定額が同じくらいの2社があった場合は、ワンルームマンションの売却実績が多い業者を選ぶようにしましょう。

 

不動産業者は、1社1社で得意分野が異なります。マンションの売却実績が多かったとしても、ワンルームはそれほど多くない業者もあります。逆に、売却実績のほとんどがワンルームマンションという業者もあるでしょう。この場合、後者を選ぶのが賢明です。ワンルームマンションの売却実績が多いほど、ワンルームマンションを売るためのノウハウ・テクニックを持っているはずであり、マイナス材料が目立つ物件でも、売り方を工夫して売却してくれる期待が持てます。

 

ワンルームマンションの売却実績は、その不動産業者のホームページでチェックするだけでなく、担当営業に聞いてみるのもおすすめです。たとえば、「どのくらいの期間で売却できるか?」を聞いたときに、比較的短期間で売れるという業者は、売るためのノウハウを持っていると考えられます。

 

  • 売却成功のポイント04:アピールポイントを漏れなく伝える

ワンルームマンションは、面積に大きな差はなく、築年数が同じくらいの物件であれば設備もそれほど変わりません。他の物件と差がつくのは周辺環境です。周辺環境の魅力は買主への大きなアピールポイントになるので、どんな小さなことでも不動産業者に漏れなく伝えるようにしましょう。下記は一例ですが、売却前に物件の良いところを書き出してみるのがおすすめです。

 

・駅から近い

・商店街が近い

・信号や踏切を通らずに駅まで行ける

・街頭が多く、夜でも明るい

・公園や海が近いなど、自然環境に恵まれている

・ショッピングモールが近い

・スーパーやコンビニが近い

・治安が良い など

 

  • 売却成功のポイント05:物件をきれいにする

ワンルームマンションの査定額が低かった場合などにおすすめしたいのが、売却前に物件をきれいにすることです。特に、売却する物件が空室になっている場合は、購入希望者が内覧に来るため、ハウスクリーニングをしておけば印象が良くなります。購入希望社にきれいな印象を与えられれば、希望する価格で売却しやすくなりますし、売却までの期間も短くなります。

 

物件をきれいにするなら「リフォームしたほうが効果的では?」という意見もありますが、リフォームの判断は慎重にすべきです。たとえば、目立つ破損や汚れがあって明らかにマイナスポイントになる場合は、リフォームをしたほうが高く売れる可能性があります。ですが、リフォーム費用以上に売却価格が上がるかどうかの判断は難しいところなので、事前に不動産業者に相談するようにしましょう。

 

  • 売却成功のポイント06:ローンの残債がある場合は慎重に

ワンルームマンションのローンがまだ残っている場合は、売却を慎重に検討しなければいけません。ローンが残っている場合、「ローンの残債と売却価格のどちらが高いか?」によって判断は大きく変わってきます。

 

ローンの残債よりも売却価格のほうが高い場合は、売ったお金でローンを一括返済できるうえ、お釣りも来るので問題はありません。一方で、ローンの残債より売却価格のほうが安い場合は、売ったお金だけではローンを完済できないため、不足分を自己資金から補う必要があります。自己資金を持ち出すことになると不動産投資の収支にも大きな影響が出てくるため、慎重な検討が必要になるでしょう。

 

■ワンルームマンションは今売るべき?最新情報で解説

今、ワンルームマンションに限らず、不動産の売却をためらっている人は少なくありません。躊躇する理由として大きいのは、新型コロナウイルスの感染拡大という未曾有のパンデミックや、東京オリンピック・パラリンピックというビッグイベントによる影響が読めないからでしょう。先行きが見通せないため、慎重にならざるを得ないというのが事実だと思います。

 

以下では、直近のマンション流通のトレンドをご紹介するとともに、「新型コロナウイルスの感染拡大によって、流通市場はどんな影響を受けたのか?」「東京オリンピック・パラリンピックの終了によって、どんな影響が考えられるのか?」について解説していきます。

 

  • 直近のマンション流通のトレンド

東日本不動産流通機構(東日本レインズ)が4半期ごとにリリースしているレポートの最新版(2021年4~6月期)によると、首都圏における中古マンションの成約件数は「9,987件」で、前年比プラス55.4%の大幅増となっています。成約件数を地域別に見ると、都県6地域(東京都区部、東京都多摩、埼玉県、千葉県、神奈川県横浜市・川崎市、神奈川県他)のすべての地域において前年比で増加。特に、神奈川県横浜市・川崎市は前年比プラス64.6%の大幅増となり、その他の地域も50%台の大幅増となっています。

 

同じく2021年4~6月期の成約m2単価は「590,400円/m2」で、前年比プラス12.5%の上昇となっており、成約m2単価もすべての地域において前年比を上回っています。成約価格は「3,837万円」で前年比プラス13.2%の上昇となり、2012年10~12月期から35四半期連続で前年同期を上回っています。

※参考:季報 Market Watch サマリーレポート 2021年4~6月期|レインズデータライブラリー | REINS TOWER

http://www.reins.or.jp/pdf/trend/sf/sf_202104-06.pdf

 

  • 新型コロナウイルスの感染拡大でどんな影響があった?

1年遡って、2020年の東日本レインズの調査レポートを見てみましょう。新型コロナウイルスの流行が始まった2020年は、首都圏のすべてのエリアにおいて成約件数が前年(2019年)を大きく下回っています。特に、1回目の緊急事態宣言が発令された2020年4~6月期は、前年同期比を30%以上下回るエリアも少なくありませんでした。

 

しかし、マイナスの影響が大きかったのは2020年4~6月期のみで、1回目の緊急事態宣言が解除された7~9月期に入ると、中古マンションの成約数や成約m2単価、成約価格は回復傾向を見せています。以降、2021年4~6月期まで堅調に伸びています。

 

2021年4~6月期と、緊急事態宣言が発令された1年前(2020年4~6月期)のデータを比較すると、以下のようになります。

 

2020年4~6月期 2021年4~6月期
中古マンションの成約件数 6,428件 9,987件(前年比プラス55.4%)
中古マンションの成約m2単価 524,700円 590,400円(前年比プラス12.5%)
中古マンションの成約価格 3,390万円 3,837万円(前年比プラス13.2%)
中古マンションの新規登録価格 3,243万円 3,505万円
中古マンションの新規登録件数 45,020件 39,591件

 

これを見ても、中古マンション市場における新型コロナウイルスの影響は一時的なもので済んでおり、当初懸念されていたよりも早く市場が回復していることが伺えます。

 

なお、新規登録件数(売りに出された物件数)に関しては、「45,020件→39,591件」と前年比マイナス12.1%となっています。新規登録件数が減っているのは、売却を検討しているオーナーに「今売っても高く売れないだろう」という心理が働き、売りを控える動きが続いているからだと思われます。成約件数や成約価格が伸びていることを考えると、オーナーが売りを控える一方で購入ニーズは高かったことや、供給量が減ったために品薄状態になり価格が上がったことなどが推測できます。

 

  ▼住まいに関する新たなニーズも

新型コロナウイルスの感染拡大によって、私たちは生活様式の変更を余儀なくされましたが、生活の拠点が住居であることは変わりません。むしろ、外出自粛要請やテレワークの浸透によって住居で過ごす時間が長くなったため、特にワンルームマンションなどの賃貸物件では、新たなニーズが生まれています。具体的には、以下のようなニーズが目立つようになっています。

 

・リモートワークで会社に通勤する日が少なくなったから、郊外に引っ越したい

・テレワークになったから、もう少し広めの部屋に引っ越して仕事用のスペースを作りたい

・在宅勤務になったから、Wi-Fi完備の物件に引っ越したい

・人が多い場所を避けたいから、自然豊かな郊外に引っ越したい

・家で過ごす時間が増えたから、もっと快適な物件に引っ越したい

 

新型コロナウイルスの感染拡大によって、テナントビルは空室が目立つようになりましたが、住居はコロナ前と変わらないニーズがあります。特に、ワンルームマンションはこれまでのように都心部の物件に人気が集中するのではなく、郊外の物件にも注目が集まるようになっています。

 

  • オリンピックの終了でどんな影響がある?

新型コロナウイルスの感染拡大によって延期された東京オリンピック・パラリンピックは、2021年8~9月に開催されました。

 

オリンピックの開催が決まると、開催国に「オリンピック特需」と呼ばれる好景気の波がやってくるのはご存じのとおりです。インフラ整備の必要性などから建築・不動産業界は特に好況となり、不動産価格も上昇カーブを描きます。ですが、オリンピックが終了すれば当然、オリンピック特需も終わります。ビッグイベントが終了した反動で、景気がマイナスに転じ、不動産価格が下落するのではないかと危惧する声も聞かれるようになります。

 

実際に、過去のオリンピックを振り返ってみても、たとえば、2016年のリオデジャネイロオリンピックでは、終了後に開催国・ブラジルの不動産価格が下落しています。しかし、近年のオリンピックではリオ大会が例外的であり、1996年のアトランタ大会、2000年のシドニー大会、2004年のアテネ大会、2012年のロンドン大会などでは、オリンピック終了後に不動産価格の下落は見られず、逆に上昇傾向が続きました。

 

「オリンピック特需が終われば不動産価格が下落する」と言えるほど不動産市況は単純なものではなく、不動産価格は様々な要因によって変動しています。今回の東京大会に関しても、今のところ、オリンピックの終了が不動産市況にマイナスの影響を及ぼしているようなことはありません。

 

  ▼超低金利が続く限り、ワンルームマンションは活発に動く

東京オリンピック・パラリンピック開催が決まった2013年以降、日本の不動産市場は活発な動きを見せています。もちろん、開催国になったことによってマーケットが活発になったという側面もありますが、それよりも金融緩和政策によるインパクトのほうが大きいというのが一般的な見方です。

 

東京オリンピック・パラリンピック開催が決まったのと同じ2013年に、当時の安倍政権のもとで異次元金融緩和がおこなわれました。それ以来、今日まで「超低金利」と言われる状態が続いています。当然のことですが、不動産投資家にとっては金利が低いほうが有利であり、ワンルームマンションなどの投資物件を購入しやすくなります。

 

東京オリンピック・パラリンピックは終了しましたが、今後も超低金利状態が続く限り、ワンルームマンションをはじめとする投資物件へのニーズは高い状態で推移すると考えられています。

 

■ワンルームマンション売却に適したタイミングとは?

ワンルームマンションは、物件の状況や投資家の考え方によって売却に適したタイミングが変わってきます。そのため、一概にどのタイミングで売却するのが有利だと言うことはできませんが、一般的に売却を検討すべきだと言われているのが以下のタイミングです。

 

  • 売却のタイミング01:大規模修繕工事の前

ワンルームマンションは、10~20年に1回おきに大規模修繕工事が必要であり、大規模修繕工事に備えて、各戸のオーナーは毎月、修繕積立金を積み立てています。

 

たとえば、半年後に大規模修繕工事だというタイミングで売却しても、それまで積み立ててきた修繕積立金は返金されません。購入する側から見ると、前のオーナーが積み立ててきた修繕積立金も含めてワンルームマンションを購入することになります。つまり、大規模修繕工事の直前にワンルームマンションを購入した人は、自分ではほとんど修繕積立金を出していないのにもかかわらず、大規模修繕工事の恩恵に預かることができるわけです。

 

このような事情から、大規模修繕工事の前にワンルームマンションを売却するときは、それまで積み立ててきた修繕積立金の金額を上乗せして売却することも可能です。高く売りやすいという意味で、大規模修繕工事の前は、ワンルームマンションの売却を検討すべきタイミングの一つだと言えます。

 

  • 売却のタイミング02:入居者が入っているとき

ワンルームマンションを売却するタイミングは、大きく分けると「入居者が入っているとき」か「空室になっているとき」のいずれかです。両者を比較したとき、有利に売却できるのは「入居者が入っているとき」だと言われます。

 

ワンルームマンションを購入する投資家の立場になって考えてみましょう。空室の状態でワンルームマンションを購入したら、第一に入居者を募集することから始めなければいけません。とは言っても、すぐに入居者が見つかる保証はなく、なかなか家賃収入が得られないというリスクもあります。入居者を獲得するために設備の刷新やリフォームが必要になれば、当初の投資計画は修正を余儀なくされます。一方で、入居者が入っているワンルームマンションを購入すれば、入居者募集の手間やコストもかからず、購入してすぐに家賃収入を得られます。入居者が入っている物件のほうが新オーナーにとって都合が良いので、売却するのにも適したタイミングだと言えます。

 

入居者が入った状態で売却するデメリットを挙げるとしたら、購入希望者が内覧できないことでしょう。購入希望者からしたら、購入前に物件の状態を確認できないのは不安要素になります。そのことが理由で、買うのをためらう人がいる可能性は否定できません。

 

  • 売却のタイミング03:賃貸ニーズが下がっているとき

ワンルームマンション投資における最大のリスクは、空室リスクです。空室になった場合、1日でも早く埋めたいというのがオーナー心理ですが、2ヶ月、3ヶ月、半年と埋まらないケースもあります。もし半年以上、空室が続いているのであれば、物件に問題があるというより、周辺の賃貸ニーズそのものが低下しているかもしれません。

 

賃貸ニーズが低下しているかどうかは、周辺のワンルームマンションの空室率や家賃などから見て取れるケースもあります。もし、賃貸ニーズが下がっているのであれば、たとえばリフォームやリノベーションをしても空振りに終わってしまう可能性が高くなります。賃貸ニーズが低下している兆候があり、空室が長引きそうであれば、築年数が新しいうちに売却するのも一つの手です。

 

  • 売却のタイミング04:周辺環境が変わったとき

上述した「賃貸ニーズが下がっているとき」とも関連する話ですが、周辺環境が変化したときもワンルームマンションの売却を検討すべき一つのタイミングだと言えます。

 

賃貸経営をしていると、たとえば近くにあった大学が移転したり、ショッピングモールが閉館したり、コンビニが閉店したり、といったことがあるものです。このような事象があると、物件周辺の賃貸ニーズが低下し、家賃下落リスクや空室リスクが高くなります。その結果、売却価格も下がりやすくなるので、周辺環境がマイナスの変化をしたときは早めに売却をしてしまうのも一つの考え方です。

 

逆に、周辺エリアの再開発が進んだり、大学が移転してきたり、商業施設やショッピングモールが新規オープンしたりする場合もあると思います。このような場合は賃貸ニーズが高くなり、家賃相場も上昇傾向になります。当然、賃貸経営においては追い風になるわけですが、売却を検討するうえでも、高値で売りやすいのでチャンスだと言えます。

 

このように、ワンルームマンションの売却価格は周辺環境によって左右されるため、周辺環境がマイナスに変化したときだけでなく、プラスに変化したときも、売却を検討すべきタイミングになってきます。

 

  • 売却のタイミング05:路線価が上がっているとき

路線価が上がっているときは高値での売却が期待できるため、ワンルームマンションの売却を検討すべき一つのタイミングだと言えます。

 

路線価は土地の公的価格の一つで、国税庁のホームページにある「路線価図・評価倍率表」(https://www.rosenka.nta.go.jp/)に掲載されています。年に1回更新されるので、まだ具体的に売却を考えていなくても、所有物件の路線価は毎年確認しておくのがいいでしょう。

 

  • 売却のタイミング06:購入して5年経ったとき

ワンルームマンションを売却して譲渡所得(売却益)が出ると、その売却益に対して譲渡所得税(所得税・復興特別所得税・住民税)が課せられます。譲渡所得税は基本的に「売却益 × 税率」で計算しますが、ワンルームマンションを何年所有していたかによって税率が変わってきます。

 

所有期間が5年を超える場合は「長期譲渡所得」という扱いになり、所有期間が5年以下の場合は「短期譲渡所得」という扱いになります。税率は以下のとおり、長期譲渡所得のほうが低く、短期譲渡所得のほうが高くなります。

 

長期譲渡所得 短期譲渡所得
所有年数 5年超 5年以下
譲渡所得税の税率 20.315%

(所得税15% + 復興特別所得税0.315% + 住民税5%)

39.63%

(所得税30% + 復興特別所得税0.63% + 住民税9%)

 

たとえば、所有期間4年のワンルームマンションを売却して利益が出たときは、39.63%の税率で譲渡所得税が課せられますが、所有期間が5年を超えてから売却すれば、譲渡所得税の税率は20.315%まで軽減されます。

 

譲渡所得税の負担が軽くなるという意味で、購入して5年経ったときは、ワンルームマンションの売却を検討すべき一つのタイミングだと言えます。なお、売却しても売却益が出ず、逆に売却損が出る場合は譲渡所得税は課せられないため、所有期間を気にする必要はありません。

 

  • 売却のタイミング07:月々の収支がマイナスに転じたとき

ワンルームマンション経営では、入居者が入っている状態でも月々のキャッシュフローがマイナスに転じる場合があります。毎月、家賃収入が得られているのに赤字になる原因としては、「築年数にともなう家賃の下落」「管理費・修繕積立金の値上げ」「金利上昇によるローン返済額増加(変動金利の場合)」「所得税・住民税の負担増加」などが考えられます。

 

このような場合、もちろん黒字化するために対策を講じることも重要ですが、思い切って売却してしまうのも一つの考え方です。ワンルームマンション経営で月々の収支がマイナスに転じたときは、売却を検討すべきタイミングの一つだと言えるでしょう。

 

  • 売却のタイミング08:デッドクロスに陥る前

年間のローンの元金返済額が年間の減価償却費を上回ることを「デッドクロス」と言います。

 

不動産投資ローンを使ってワンルームマンションを購入した場合、毎月ローンの返済をしていきます。ローンの金利にあたる利息部分は経費計上できますが、元金部分は経費として計上できません。また、減価償却というのは、耐用年数に応じてワンルームマンションの購入費用(建物部分)を経費計上してい手法のことで、減価償却費は経費として計上できます。

 

デッドクロスは「ローンの元金返済額 > 減価償却費」の状態であり、経費にできない支出が経費にできる支出を上回った状態とも言えます。デッドクロスに陥ると経費にできない現金支出が発生するため、キャッシュフローが悪化して収益性が低下していきます。そのため、デッドクロスに陥る前にワンルームマンションを売却するケースも多々あります。

 

デッドクロスに関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。

>> 不動産投資におけるデッドクロスとは?

 

  • 売却のタイミング09:築20年を迎える前

ワンルームマンションは、築年数が経過するほど評価額が下がっていきます。その大きな境目になるのが、築20年だと言われています。

 

築20年を過ぎていないワンルームマンションは、ある程度の評価額をキープできているので、購入する側も長期の不動産投資ローンを組むことができます。ですが、築20年を超えたワンルームマンションは評価額が大きく下落するため、購入する側が不動産投資ローンを組める期間も短くなり、そのぶん毎月の返済額も大きくなりがちです。さらに、築35年を超えたワンルームマンションでは、不動産投資ローンを組めないケースも出てきます。

 

このように、築20年を超えたワンルームマンションは評価額が下がるため、売却が難しくなるのが現状です。そのため、築20年を迎える前がワンルームマンション売却の一つのタイミングになるでしょう。

 

  • 売却のタイミング10:大きなイベントや災害のタイミング

大きなイベントや大きな災害などは、ワンルームマンションの評価額が変動する要因になります。たとえば、オリンピックや万博などの国際的なイベントがある都市では、イベントに向けてインフラの整備など再開発がおこなわれるため、エリアの不動産価格が上昇する傾向にあります。逆に、地震や台風・大雨などの災害が起きると、大きな被害を受けたエリアの不動産価格が下落する傾向にあります。いずれにしても、大きなイベントや災害はワンルームマンションの評価額が動くきっかけになるので、売却を検討すべきタイミングになってきます。

 

■ワンルームマンション売却の手順や流れは?

ワンルームマンションを売却する際の一般的な流れについてご説明します。物件によって差はありますが、一般的にワンルームマンションを売却できるまでには3~6ヶ月かかると言われます。

 

  • 01:不動産業者に売却査定の依頼をする

不動産業者に、売却を検討しているワンルームマンションの査定を依頼します。査定依頼をする際に重要なのが、1社だけでなく複数の業者に査定依頼をすることです。上述のとおり、不動産業者によって査定額に20~30%程度の差が出るケースもあります。売却によって損をしたくないのであれば、手間を惜しまず3~4社程度の不動産業者に査定を依頼しましょう。

 

なお、査定依頼をする前提として、近隣にある条件の似たワンルームマンションの相場を把握しておくことも重要です。ある程度の相場が分かっていれば、査定額が妥当なのかどうかを判断する基準になります。

 

また、査定依頼をする際は「なぜ売却するのか?」「いくらで売却したいのか?」「いつまでに売却したいのか?」といった要望を明確に伝えるようにしましょう。そうすることで、より要望に近い提案を受けられる可能性が高くなります。

 

収益不動産に特化した総合不動産グループ「FGH」は、数多くのワンルームマンションの売却をご支援してまいりました。FGHへの査定依頼は以下から承ります。

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  • 02:媒介契約を結ぶ不動産業者を選ぶ

査定額をもとに、媒介契約を結ぶ不動産業者を選びます。不動産業者にワンルームマンションの売却を依頼する場合は、媒介契約が必要になります。媒介契約は以下の3種類があるため、それぞれの特徴を把握したうえで、どの業者と、どの媒介契約を結ぶのかを検討しましょう。

 

  ▼一般媒介契約

一般媒介契約は、複数の不動産業者に重ねて売却依頼ができるタイプの媒介契約です。A社と一般媒介契約を結んでいる人が、新たにB社と一般媒介契約を結ぶこともできますし、自分で買主を見つけてきて売却することも可能です。

 

  ▼専任媒介契約

専任媒介契約は、特定の不動産業者に売却を依頼するタイプの媒介契約です。A社と専任媒介契約を結んだ人は、B社と媒介契約を結ぶことはできません。ただし、自分で見つけた買主に売却することは可能です。

 

  ▼専属専任媒介契約

専属専任媒介契約は、特定の不動産業者に売却を依頼するタイプの媒介契約で、A社と専属専任媒介契約を結んだ人は、B社と媒介契約を結ぶことはできません。専任媒介契約と異なる点は、自分で見つけた買主に売却することも禁止されることです。

 

3つの媒介契約の主な違いをまとめておきます。

 

一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
特徴 複数の不動産業者に売却を依頼できる 特定の不動産業者1社だけに売却を依頼する 特定の不動産業者1社だけに売却を依頼する
自己発見取引 可能 可能 禁止
業務状況の報告義務 無し 14日に1回以上 7日に1回以上
買取保証 無し 有り 有り
レインズへの登録義務 無し 7日以内 5日以内

 

  ▼買取保証

買取保証とは、一定の期間以上、買主が見つからない場合に、媒介契約を結んだ不動産業者がその不動産を買い取ってくれる保証制度のことです。買取保証を使えば、確実に売却することができますが、売却価格は相場に比べると20%ほど安くなります。

 

  • 03:購入希望者の内覧対応

購入希望者が見つかったら、不動産業者の担当者とともに物件の内覧に対応します。内覧対応をするときは、物件のアピールポイントをしっかりと伝え、好印象を持ってもらうようにしましょう。なお、入居者が入っている場合は内覧ができないため、内覧対応の必要もありません。

 

  • 04:売買契約

売買の条件をすり合わせ、双方が合意に至ったら売買契約を交わします。売買契約のタイミングで、買主から手付金を支払ってもらうのが一般的です。

 

  • 05:決済・物件の引き渡し

買主から残代金の支払いを受けたら、物件の鍵を引き渡します。その後、名義変更の登記(所有権移転登記)をおこないます。

 

■ワンルームマンションの査定額の算出方法は?

ワンルームマンションの査定には、簡易査定と訪問査定の2種類があります。簡易査定は机上でおこなう簡易的な査定のことで、「大体いくらくらいで売れそうか?」というおおよその価格を算出するための査定方法です。訪問査定は実際に物件を訪れて、物件の状態や周辺環境などを確認したうえでおこなう本格的な査定方法です。

 

簡易査定の方法として、「原価法」「取引事例法」「収益還元法」という3つの方法があります。

 

  • 原価法

原価法は、売却する不動産と同等の不動産を取得するのにかかる費用(再調達原価)をベースに査定する方法です。再調達原価から、経年劣化による減価額をマイナスして査定額を算出します。原価法は、主に戸建て住宅の査定に用いられる方法です。

 

  • 取引事例法

取引事例法は、売却する不動産と類似する不動産の取引事例をベースにして査定する方法です。立地や築年数、間取りや広さなど、条件が似た不動産の成約事例から坪単価を割り出し、売却する不動産の広さに換算して査定額を算出します。取引事例法は、主に居住用のマンションや土地の査定に用いられる方法です。

 

  • 収益還元法

収益還元法は、その不動産が将来的に生み出すであろう収益をベースにして査定する方法です。収益還元法は、「直接還元法」と「DCF法」の2種類があります。

 

利回りと家賃収入から査定額を出す「直接還元法」は一般的な査定方法で、多くの不動産業者が直接還元法によって査定をおこなっています。将来得られる収益と将来の物件価格から現在の物件価格を割り出す「DCF法」はロジックが複雑ですが、精度の高い査定が可能です。収益還元法は、主にワンルームマンションなど投資物件の査定に用いられる方法です。

 

■ワンルームマンションの売却にかかる費用や税金は?

ワンルームマンションを売却する際には、税金や手数料がかかります。これらのコストを計算に入れたうえで売却計画を立てていきましょう。一般的に、ワンルームマンションを売却する際は以下のような費用が必要になります。

 

仲介手数料 (売却価格 × 3%) + 60,000円
ローンの繰上返済の手数料 10,000円~30,000円程度
印紙税 5,000円~20,000円程度
登録免許税 2,000円~10,000円程度
譲渡所得税 {売却価格 ー(取得費用 - 売却にかかった費用)}× 税率

 

  • 仲介手数料

ワンルームマンションを売却した際に、仲介した不動産業者に支払う手数料です。不動産の売却価格によって仲介手数料の上限は変わってきます。

 

売却価格(税抜) 仲介手数料の上限
200万円以下 売却価格の5%
200万円超400万円以下 売却価格の4% + 20,000円
400万円超 売却価格の3% + 60,000円

 

たとえば、売却価格が2,000万円の場合の仲介手数料は、2,000万円 × 3% + 60,000円 = 660,000円(税込726,000円)となります。

 

  • ローンの繰上返済の手数料

ローンの残債が残っているワンルームマンションを売却する際は、ローンの繰上返済の手数料がかかります。ほとんどの金融機関で10,000円~30,000円程度の手数料が必要ですが、なかには手数料が0円の金融機関もあります。

 

  • 印紙税

ワンルームマンションを売却する際は、不動産売買契約書や領収書を作成しますが、これらの文書(課税文書)には印紙税が課せられます。文書に規定された金額の収入印紙を貼ることで納税します。

 

  ▼不動産売買契約書

不動産売買契約書の印紙税額は、契約金額によって変わってきます。通常は売主・買主が折半して印紙税を納付します。

 

売買契約書に記載された契約金額 本来の印紙税額 軽減措置による印紙税額
10万円を超え50万円以下 400円 200円
50万円を超え100万円以下 1,000円 500円
100万円を超え500万円以下 2,000円 1,000円
500万円を超え1,000万円以下 10,000円 5,000円
1,000万円を超え5,000万円以下 20,000円 10,000円
5,000万円を超え1億円以下 60,000円 30,000円
1億円を超え5億円以下 100,000円 60,000円
5億円を超え10億円以下 200,000円 160,000円
10億円を超え50億円以下 400,000円 320,000円
50億円を超えるもの 600,000円 480,000円

※ 平成26年(2014年)4月1日から令和4年(2022年)3月31日までの間に作成される不動産売買契約書については、軽減措置が適用されます。

※ 参考:No.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置|国税庁

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7108.htm

 

  ▼領収書

不動産売却における領収書の印紙税額は、領収書の記載金額によって変わってきます。領収書は不動産の売主が発行するため、印紙税も売主が負担します。

 

領収書の記載金額 印紙税額
5万円未満 非課税
100万円以下 200円
200万円以下 400円
300万円以下 600円
500万円以下 1,000円
1,000万円以下 2,000円
2,000万円以下 4,000円
3,000万円以下 6,000円
5,000万円以下 10,000円
1億円以下 20,000円
2億円以下 40,000円
3億円以下 60,000円
5億円以下 100,000円
10億円以下 150,000円
10億円超 200,000円
記載金額のないもの 200円

※ 参考:No.7141 印紙税額の一覧表(その2)第5号文書から第20号文書まで|国税庁

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7141.htm

 

  • 登録免許税

登録免許税とは、不動産登記をおこなう際に納める税金のことです。ワンルームマンションを売却したら、売主から買主に名義変更をする「所有権移転登記」を申請しますが、所有権移転登記の登録免許税は買主が負担します。売主が負担するのは、以下の登記に関する登録免許税です。

 

・所有権登記名義人表示変更登記(売主の現住所が登記簿上の住所と異なっている場合)

・抵当権抹消登記(ローンが残っている不動産を売却する場合)

 

登録免許税額は、いずれの登記も不動産1つにつき1,000円です。土地と建物は別々の不動産として計算されるので、たとえば、2筆の土地上に建っているワンルームマンションの場合は、所有権登記名義人表示変更登記で3,000円、抵当権抹消登記で3,000円の登録免許税が必要になります。

 

  • 譲渡所得税

譲渡所得税とは、ワンルームマンションを売却したことで生じた譲渡所得(売却益)に対して課せられる税金の総称です。具体的には、所得税、復興特別所得税、住民税のことを指します。譲渡所得税の基本的な算出方法は、以下のとおりです。

 

{売却価格 -(取得費用 - 売却にかかった費用)}× 税率

 

譲渡所得税の税率は上述したとおり、不動産の所有期間によって変わってきます。所有期間が5年以下の不動産を売却する場合(短期譲渡所得)と、所有期間が5年を超える不動産を売却する場合(長期譲渡所得)では、前者のほうが税率が高くなっています。

 

なお、譲渡所得税が課せられるのは売却益が発生したときだけであり、売却損が発生した場合は、譲渡所得税は課せられません。

 

不動産売却にかかる税金については、以下の記事で詳しく解説しています。

>> 不動産売却にかかる税金について | 不動産投資の収入、リスク、失敗談を大暴露。家賃収入で稼ぐなら -マンション経営ラボ

 

 

■ワンルームマンションの売却に成功した事例【体験談】

ワンルームマンション売却の成功事例をご紹介します。

 

  • リフォームをしたことで査定額以上の高値で売却できた事例

山田さん(仮名)は、東京都世田谷区にあるワンルームマンションを経営していました。購入時は築8年のマンションで、それから約11年、賃貸経営をおこなってきました。売却を考えるようになったのは、空室期間が長引いたのがきっかけです。

 

ワンルームマンション投資を始めてから約11年の間、もちろん入居者の入れ替わりはありましたが、2ヶ月以上、空室が続いたことはありませんでした。空室期間が3ヶ月を過ぎた頃から、「何とかしないと・・・」と思ってはいたものの、何かと忙しい毎日で、ずっと放置したままでした。入居者募集はA社に任せていました。内覧希望者はそれなりに来ていたようですが、契約が決まる気配はありませんでした。

 

空室期間が半年を超えた頃、「もう売却してしまおうかな」と考え、ネットで見つけた一括査定サイトを利用しました。そのなかでもっとも査定額が高かったB社に相談することにしました。そのときのB社の査定額は900万円でした。

 

早速、B社の担当者に物件を見てもらったところ、「売却する前にリフォームをしたほうが高く売れる可能性があります」と言われました。山田さんは、「手放す物件なのに、お金をかけてリフォームをするのはちょっと・・・」と思いましたが、少しでも高く売れるならとリフォームをすることに決めました。

 

リフォームに要した費用は50万円です。リフォーム後の物件写真を広告に掲載してもらったら、すぐに内覧が数件入り、2週間もしないうちに入居の申込みがありました。山田さんはリフォームの効果に驚きましたが、気持ち的には売却する方向に傾いていたので、引き続きB社に売却活動をしてもらいました。

 

ほどなくして購入希望者が現れ、最終的に980万円で売却することができました。リフォーム費用として50万円の出費をしましたが、査定額より80万円高く売却でき、差し引きで30万円のプラスになりました。

 

売却する物件をリフォームするのは山田さんにとって大きな決断でしたが、結果的に満足のいく売却につながりました。買主さんにもお話を伺ったところ、「リフォームしたばかりで、築年数のわりにきれいだったこと」「入居者が入っていること」に価値を感じたとのことでした。この点が、当初の査定額より高く売却できたポイントだと言えるでしょう。

 

■まとめ

ワンルームマンションを売却する際は、ワンルームマンションの売却実績が豊富な不動産業者に頼るのが賢明です。FGHは、収益不動産に特化した総合不動産グループ。これまで数多くのワンルームマンションの売却をご支援してまいりました。

 

特にオーナー様に好評なのが、弊社独自の投資指標である「売却運用率®」「リスクパーセンテージ®」を用いた分析です。売却運用率®は、「今」と「数年後」、どちらのタイミングで売却すればお得かを数値化するもので、リスクパーセンテージ®は、物件を持ち続ける「所有リスク」を数値化するもの。この2つの指標で分析することで、お持ちのワンルームマンションを「売却すべきか?持ち続けるべきか?」「売却するならいつ売却すべきか?」など、最適な判断を導き出すことができます。

 

ワンルームマンションの売却をご検討のオーナー様は、ぜひFGHにご相談くださいませ。

>> FGHの詳細はこちら

 

このコラムを書いている人

マンション経営ラボ 編集者

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最新の不動産投資情報や株式、投資信託、為替など幅広い投資コンテンツを掲載。 オーナー様自身で最適な不動産の購入・売却・運用の判断材料になる情報をタイムリーに提供いたします。

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