セキュリティ強化で入居率アップ!大家が行う有効な防犯対策
【目次】
セキュリティ重視の入居者が増えている
賃貸物件のセキュリティレベルを高めることで、入居者に安心感と安全な暮らしを提供することができます。
女性の一人暮らしの場合は特に防犯性の高さが、入居を決める大きなポイントとなるでしょう。
ファミリー向け物件でも、子どものためにセキュリティ面を重視し、物件を選ぶ方が増えています。
防犯カメラの設置は当たり前。今はさらに一歩先の防犯対策も求められています。
今回は、入居率の向上に繋がる賃貸物件向け防犯グッズについてご紹介します。
防犯カメラを設置してセキュリティ強化
防犯対策として多くの人が真っ先に思いつくのが、防犯カメラでしょう。
しかし、一口に防犯カメラと言ってもさまざまな種類があります。
ボックス型カメラは一般的な防犯カメラで、不審者に「映している」ことをアピールできます。
ドーム型カメラは、どの角度を写しているのか分かりにくい反面、撮影範囲が広いのが特徴。
遠赤外線センサーカメラは、人や動物など動きを感知した時にカメラモニターが動きます。
24時間監視・録画し続けるよりも映像の保存時間が少ないので、保存内容をチェックする手間が軽減されます。
ワイヤレスカメラは、ワイヤーがいらないので場所を選ばずカメラを設置することができます。
ウェブ送信カメラは、撮影した映像をインターネットを通じてパソコンやスマホに送信できます。
防犯カメラは管理人代わりにもなり、不審者の出入りや入居者間のトラブルも記録できるため、後から確認し対処することで事件や揉め事を防ぐことができます。
防犯カメラのあるマンションとないマンションでは、ないマンションの方が圧倒的に強盗に狙われやすいのだそう。
防犯カメラが設置してあるというアピールをするだけで、犯罪の抑止効果を期待できるので、防犯カメラ作動中というプレートを掲示しておくのもオススメです。
防犯カメラ設置のデメリット
防犯対策として有効な防犯カメラですが、デメリットや問題点があることをご存知ですか?
撮影範囲が限られる
防犯カメラが設置していると、ある程度の範囲を撮影することが可能ですが、全てをカバーできる訳ではありません。
死角を利用した犯罪行為が行われてしまえば、防犯カメラを設置した意味がなくなってしまいます。
カメラの台数を増やせば死角もなくなりますが、それではコストもかかってしまうので、設置場所を工夫しましょう。
犯罪行為を防ぐことはできない
防犯カメラを設置していると、犯罪を未然に防ぐことができますが、起こってしまった犯罪を止めることはできません。
防犯カメラにできることは犯罪行為が起こっていても、それを記録することだけなのです。
もし犯罪行為自体を未然に防ぐのであれば、警備員やコンシェルジュを常駐させるのが一番有効な方法。
そこまでの予算を付けるのが難しい場合は、犯罪が起きた場合に鳴らすことのできるブザーやアラームを設置するといいでしょう。
入居者が撮影した映像を見たがる
事件があった場合、警察から防犯カメラ映像の提供を求められます。
防犯カメラを玄関に設置しており、公道まで映像を写すことができる場合は、警察の方から公道も写して欲しいという要望が来ることもあります。
警察の要望に従うのは、社会貢献であり義務なので問題ありません。
しかし、入居者の中には個人的な理由から、防犯カメラの映像を見たがる人がいます。
防犯カメラは物件のオーナーの所有物に当たるため、入居者だからといって見せる必要はありません。
入居者に映像を見せることはオーナーにとってリスクが大きいため、映像を見せて欲しいと相談された場合は理由を聞いた上で、警察に相談し、判断を仰ぎましょう。
もしオーナーが好意で見せてしまった場合、そこに不倫現場などが写っていると見せたオーナーにも責任があると追及されてしまうかもしれません。
住民間とトラブルにならないためにも、警察の判断なしに映像を見せるのは止めましょう。
⑷
プライバシーの侵害
経済産業省の定めによると、カメラの目的が明確に防犯に限られる場合では、防犯カメラで個人が特定できても、本人にその事実を知らせる必要はないとされています。
しかし入居者の中にはいくら防犯が目的でも撮影されたくないという人もいるかもしれません。実際にプライバシーの侵害だとして、カメラが撤去されたこともあります。
防犯カメラをどこに設置しており、どこが撮影範囲なのか入居者には説明し、設置の意義を理解してもらいましょう。
ダミーカメラの効果は?
犯罪の抑止効果は欲しいが、コストをかけることができないという賃貸物件オーナーも多いでしょう。
そんな人にお勧めしたいのが、ダミーカメラです。
ダミーカメラは防犯カメラより安いので、コストを抑えて犯罪抑止効果を期待することができます。
防犯カメラの犯行抑止効果は、カメラ設置してあるという見た目によるもの。
本物と見分けがつかないほど精巧につくられたダミーカメラなら、十分な防犯効果を期待できるでしょう。
ダミーカメラはどこにでも設置可能ですが、本物のカメラでは設置できないようなところに設置されているとすぐにダミーだと見破られしまうので、設置場所には注意してください。
電子キーを設置してセキュリティ対策
オートロック(キーレス)
オートロックの物件は、若者を中心に人気を集めています。
電子キーとも呼ばれることもあるオートロックは、防犯性を高める意外にも様々なメリットがあります。
電子キーはマンションやアパートのエントランスか、玄関ドアのドアノブの上(鍵穴のあたり)に設置します。
入居者が室内から外に出る時は、電子錠のボタンを押して解錠し、ドアが閉まると自動で鍵も閉まります。
外から中に入る時は、暗証場号を入力するか、カードを通すと解錠します。
電子キーは多くのホテルで使われているので、使ったことのある人も多いでしょう。
電子キーは、鍵が不要になるので紛失の心配がない上に自動で施錠されるので、鍵をかけ忘れることもありません。
電子キーでピッキングを防ぐ
サムターン回しと言い、住居侵入窃盗犯が鍵を開ける際に、ドアの外側からサムターンを回すことで開錠しますが、電子キーはサムターン回しができません。
またピッキングの被害もなくなります。
暗証番号式の場合は入居者が退去した際も鍵の交換が不要。
暗証番号を変更するだけで、前の入居者が解錠することができなくなります。
不動産の仲介をお願いする場合は、内見用に現地に鍵を置いておく必要がありますが、電子キーの場合は、仲介会社に暗証番号を伝えておけばOK。
内見の鍵を盗み、空室から侵入し、他の部屋に行くという空き巣被害もあるので、現地に鍵を置かないということだけでも防犯性がグッと高まります。
電子キーの費用は本体価格が1~3万円で、プラス設置のための工賃がかかります。
スマートロック
スマートロックは遠隔制御可能な電子キーです。
離れた場所にいてもスマホから操作でき、鍵の開け閉めをしたり、鍵の暗証番号をメールで送ることもできます。
カップルが部屋に彼氏や彼女を呼ぶために合鍵を渡したりしますが、スマートロックなら彼氏、彼女に部屋の暗証番号を送ることも可能。
部屋に入れたくなくなった時は暗証番号を変えればいいので、鍵を返還してもらう必要もありません。
内見のために鍵を開ける場合は、内見の予定時間にだけ遠隔操作で会場したり、一時的な暗証番号を管理会社に送ることもできます。
スマートロックの費用は本体価格が5万円~で、プラス設置のための工賃がかかります。
本体価格は高いですが、防犯性と利便性が高いので、導入の価値はあるでしょう。
電子キーのデメリット
メリットの多い電子キーですが、デメリットもあります。
⑴暗証番号を忘れる
電子キーに変更した際によくあるトラブルと言えば、暗証番号を忘れてしまうことです。
もし暗証番号を忘れてしまったら、入居者が室内に入ることはできません。
暗証番号を忘れた場合は、入居者から大家や管理会社に連絡が入りますが、本当に本人からの電話なのか確認が必要です。
⑵電池切れで作動しなくなる
電子キーの多くは、乾電池で作動しています。
半年〜1年程度電池は持ち、電池が切れそうになるとメロディーが鳴り、教えてくれるので電池切れに気づかないことはありません。
電池の交換は、室内側のドアから入れ替えるだけなので女性でも簡単にできるでしょう。
しかし、交換を忘れて電池切れが起きてしまった場合、中からは手動で鍵を開けられますが、外から中に入ることができません。
電池切れ対策のため、電子キーには一時的に刺す端子が室内側に設けられており、その端子に電池を当てれば暗証番号の入力が可能になります。
防犯ガラスでセキュリティ強化
窓ガラスを防犯ガラスに変えると、空き巣対策になります。
空き巣は玄関ドアからではなく、ベランダ側の掃き出し窓から侵入するケースの方が多く、ドアより窓の方が防犯対策を施す必然性が高いと言われています。
「合わせガラス」とも呼ばれる防犯ガラスは、2枚のガラスの間に0.76mm以上の特殊中間膜を挟みこんだ作りになっており、この膜があることでガラスが破りにくくなります。
防犯ガラスには、一般的に泥棒の攻撃に5分以上耐えられる性能が求められているので、空き巣対策として有効です。
全ての窓を防犯ガラスにする必要はなく、侵入の多いベランダ側の掃き出し窓のガラスのみ交換しても、十分防犯効果が期待できるでしょう。
賃貸物件のセキュリティ対策はして損なし
賃貸物件のセキュリティを強化すると、入居者からの人気が高まるだけでなく、資産価値も高まります。
どんな賃貸物件であっても、犯罪に狙われるリスクは一様にありますが、セキュリティを強化して損はないでしょう。
セキュリティ対策がなされている物件は日々の暮らしに安心感を与えることができるので、入居率のUPに繋がり、結果的に空室対策にも効果的です。
防犯対策を取り入れることで、上手く収益改善へ繋げていきましょう。
このコラムを書いている人
マンション経営ラボ 編集者
最新の不動産投資情報や株式、投資信託、為替など幅広い投資コンテンツを掲載。 オーナー様自身で最適な不動産の購入・売却・運用の判断材料になる情報をタイムリーに提供いたします。
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