不動産投資に資格は必要?あると役立つ資格・知識を解説!

公開日2020/07/13
更新日2022/12/23

不動産投資に必要な知識って?資格は取ったほうがいいの?

分からない人
不動産投資初心者の中には、「不動産投資を始めたいけど、全く知識がない」「資格が必要そうだし、難しそう…」と、考えている方も多いのではないでしょうか。
 
不動産を扱うとなると、「専門的な知識が必要なのでは?」と、不安にもなりますよね。
 
今回は、不動産投資初心者におすすめの資格や、覚えておくと役立つ知識について解説していきます。

不動産投資に資格は必要ない

不動産投資イメージ
結論から言うと、不動産投資をするにあたって必要な資格はありません
 
なぜなら、入居者の募集や入退去•賃貸経営に関する業務全般は、不動産管理会社に委託できるからです。
 
管理業務と一口に言っても、その業務内容は多岐に渡ります。
 
管理業務の全てを自主管理で賄うには限界があるので、「リフォーム•リノベーション」「消防設備の点検」など、業務を行う上で資格が必要なものは、専門の業者に委託したほうが良いでしょう。
 
また、資格取得には、費用や時間などのコストがかかってきます。
 
副業として不動産投資を考えている方にとっては、まとまった時間を勉強に費やすのもなかなか難しいですよね。
 
資格取得にかかるコストを考えると、その分を実践に使うほうが効率よく投資を進められるかもしれません。
 
しかし、不動産投資を行う上で、法律や管理についての専門的な知識が必要となるケースもあるので、不動産投資に関する知識は、あるに越したことはないしょう。
 
知識を得るためには、すでに投資を行っている人に相談したり、関連する書籍を読むなど、さまざまな方法があります。
 
まずは、「何がなんでも資格を取らないといけない」と考えるのではなく、自分に合った方法でさまざまな専門知識の蓄えを増やし、実践を通してノウハウを身につけていく方法をおすすめします。
 
とはいえ、不動産投資をする上で、「専門知識のすべてを一から身につけていくのは大変…」と思う方もいるでしょう。
 
もし、「時間とお金に余裕があるし、資格に挑戦してみたい」「せっかく不動産投資をするんだから、もう少し専門的に勉強したい」と考えるのであれば、資格取得を目指すのも1つの手です。

不動産投資におすすめの資格5選

不動産の書類を記載する人
これまで、不動産投資に関する資格の要否について説明してきました。
 
では、知識を身につけると役立つ資格について、もう少し具体的に確認していきましょう。
 
ここでは、不動産投資をする上で役立つ、5つの資格を紹介します。
 
•宅地建物取引士(宅建士)
•ファイナンシャルプランナー(FP)
•不動産実務検定(大家検定)
•マンション管理士
•管理業務主任者
 

宅地建物取引士(宅建士)

宅地建物取引士(通称:宅建士)は、不動産取引の専門家を示す国家資格
 
受験者総数は、国内で毎年20万人ほどで、合格率は15%~17%ほど。
 
「不動産=宅建を取得しなければならない」というイメージがある方もいるかと思いますが、確かに不動産会社で働くのであれば資格を持っているに越したことはありません。
 
理由の1つとしては、「不動産仲介会社を設立するにあたって最低1人」「事務所に勤務する職員においては5人に1人の割合で、宅地建物取引士の資格を持っていなければならない」と、法律で定められているからです。
 
また、宅地建物取引士にしかできない仕事として、「重要事項説明書の説明」「重要事項説明書(35条書面)の記載•押印」「契約書面(37条書面)への記入」があります。
 
不動産の賃貸仲介や売買仲介契約の際、これらは「不動産取引の専門家」による説明が必要とされる、非常に重要な業務です。
 

宅地建物取引士(宅建士)の資格を取るには?

宅地建物取引士の資格を取るには、「民法」「借家借地法」や「宅地建物取引業法」などを勉強する必要があるため、自ずと不動産に関連する法律の周辺知識も高まります。
 
個人で不動産投資をする場合は、不動産の仲介をするわけではないので、宅地建物取引士の資格は不要です。
 
しかし、不動産投資を行う上で、「不動産取引の専門家」としての資格や知識を持っていれば、不動産会社に悪質な営業をかけられるリスクを減らすことができ、より良い条件のもと、物件を紹介してもらえると言えます。
 

ファイナンシャルプランナー(FP)

ファイナンシャルプランナー(通称:FP)は、個人や中小企業に向けて、住居•教育•老後など、将来のライフプランニングに合った資金計画のアドバイスを行う職業。
 
その中でも、「ファイナンシャル•プランニング技能士」1~3級は、国家資格です。
 
FP1級は実務経験が必須となり、資産設計提案業務についても、より専門的な知識を問われます。
 
不動産投資を行うのであれば、ファイナンシャル•プランニング技能士2級までの知識を有していれば問題ないと言えるでしょう。
 

ファイナンシャル•プランニング技能士の資格を取るには?

ファイナンシャル•プランニング技能士2級の受験者総数は毎回約2万人前後で、合格率は約40%。
 
2級は、実務経験がなくてもFP3級を取得していれば、受験が可能です。
 
学科試験の科目には、不動産の知識を問われるものもあります。
 
不動産投資をする方が、この資格を取得するメリットとしてあげられるのは、投資をする上での計画的な資金運用について考えられるということ。
 
長期的かつ総合的な視点で、不動産投資についての戦略や計画が立てられるようになるという点では、勉強しておいて損はないはずです。
 

不動産実務検定(大家検定)

不動産実務検定(旧称:大家検定)は、健全な経営を実現したい大家さんや、不動産投資によって安定した将来を実現したい方に向けて作られた、日本初の不動産投資専門資格試験です。
 
一般社団法人日本不動産コミュニティー(J-REC)が運営しているこの検定は、2級•1級•マスター資格の3つに分かれており、2級では「賃貸管理運営に関する知識と技能」、1級は「不動産投資および土地活用に関する知識と技能」、マスター資格では「不動産運用設計に関する専門的かつ実務的な知識と技能」が身につくとされ、マスター資格所有者は、J-REC公認の「不動産コンサルタント」と称され、インストラクターとして活躍することもできます。
 

不動産実務検定(大家検定)の資格を取るには?

2級•1級の場合は12時間、マスター資格の場合は20時間の講座で、必要な知識の習得ができ、受講方法も、「通学講座」と「ホームスタディ講座」から選ぶことができるので、自分の都合が良い方法で勉強を進められます。
 
不動産実務検定は、不動産投資や満室経営、税金対策に関する知識だけではなく、ライフプランニング、建築、ファイナンス、土地活用コンサルティングの知識など、幅広い範囲を網羅し実践的に学べるのが大きな魅力。
 
2級•1級では、講座を受けずに検定だけを受けることもできるので、「独学で知識はついてきたけど、検定で力試しをしたい」という方にも、おすすめの資格試験です。
 

マンション管理士

マンション管理士は、管理組合の立場から、管理の運営や建物の管理について適正なアドバイスができる専門家
 
通称「マン管」とも呼ばれ、「マンション管理士試験」に合格•登録することで取得できる国家資格です。
 

マンション管理士の資格を取るには?

年に1回の試験での受験者総数は、毎回1万2000人~5000人程度。
 
合格率は7~9%と、国家試験の中でも難関の部類に入ります。
 
マンション管理組合の運営や大規模修繕などを含む建物構造上の問題、その他マンションの維持•管理に関して、管理組合の管理者やマンションの区分所有者への適切な助言や指導•援助などをする、「マンション管理に特化したコンサルティング業務」を行えます。
 
住民間トラブルが起きた際の対処方法も身につくため、マンション経営の際にはとても役に立つ資格だと言えるでしょう。
 
また、不動産投資をしていると、管理組合総会や理事会に出席する機会も出てきます。
 
資格がなくても意見をすることはできますが、マンション管理士を取得する際に得た知識があれば、議題を適切に理解し、話し合いの場をより円滑に進められるはずです。
 

管理業務主任者

管理業務主任者も、国家資格のうちの1つ。
 
こちらは、「マンション管理業者」の立場として、管理組合などに対し、契約に関する重要事項の説明や管理事務報告を行う際に、必要な資格です。
 

管理業務主任者の資格を取るには?

試験は年に1回で受験者総数は毎回約1万6000人。合格率は22%前後を推移しています。
 
管理業務責任者にしかできない仕事は、以下の4項目。
 
•委託契約に関する重要事項説明
•重要事項説明書(72条書面)への記名押印
•管理委託契約書(73条書面)への記名押印
•管理事務の報告(77条)
 
管理業務主任者としての業務は、不動産投資をする上で必要ではありませんが、不動産管理会社を選ぶ際に、管理会社の良し悪しを見極めるための専門知識が身につくことが、最大のメリットだと言えます。

資格取得で得られるメリットって?

書類とペン
これまで紹介してきた5つの資格は、必ずしも不動産投資をする人が取った方が良い資格というわけではありません。
 
ただ、資格そのものや勉強を通して得た知識は、不動産投資をするにあたって、将来的に大きな糧となるでしょう。
 
資格取得によって得られるメリットは、下記の通りです。
 

資格取得は、あくまでも不動産投資の知識を増やすための手段

資格取得に向けての勉強は、学校やセミナーで講義を受けたり、参考書を買ってひたすら過去問を解くなど、決して楽なことではありません。
 
ここで気をつけておきたいのは、「資格取得がゴールではない」ということ。
 
資格を持っているだけでは意味がなく、「持っている知識をどのように不動産投資に生かしていくか」が重要です。
 
不動産投資において、資格取得はあくまでも専門知識を得るための手段だととらえ、必ずしも資格そのものが目的ではないことを覚えておきましょう。
 
しかし、「勉強をして資格を取った」という自信は、なにごとにも変えがたいものです。
 
自信を持って、不動産投資の実践に臨めることが、資格取得の一番のメリットではないでしょうか。
 

勉強することで知識が増える

資格を取得するには、とにかく目標を定めて勉強することが第一。
 
資格試験の勉強は、体形的にその分野の知識を学ぶことができるので、「まずは何から勉強したらいいの?」と思う方にとっては、最も適した方法ではないでしょうか。
 
資格取得という目標があれば、勉強のモチベーションも上がるはず。
 
独学で、手当たり次第に知識を覚えようとするよりも早く、専門的な知識が身につきやすいと言えるでしょう。

不動産投資に必要な資格と知識まとめ

悩む人
不動産投資で成功するためには、資格の有無よりも、知識やノウハウを学んで、実績をあげていくことがもっとも重要だと言えます。
 
しかし、資格取得のために費やした時間と得られた知識は、一生ものの財産となるでしょう。
 
不動産投資初心者の場合、果たしてその資格を取ることで「かかる時間に対して本当に効果を得られるのか」をしっかりと考えた上で、資格取得に挑戦することをおすすめします。

このコラムを書いている人

マンション経営ラボ 編集者

マンション経営ラボ 編集者

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