新築マンション投資のメリット・デメリットとは?中古との違いも解説
マンション投資を始めるにあたっては、「どんな物件に投資するか」という点が収益性を左右する大きなポイントになります。
エリア・立地や間取りも重要ですが、それ以前に決めるべきなのが「新築マンションにするか中古マンションにするか?」ということです。
今回は、新築マンション投資にフォーカスしてそのメリット・デメリットなどを解説していきます。
不動産投資の世界では「新築は入居率が高い」「新築は利回りが低い」「新築は資産価値が下がりやすい」といったことがよく言われますが、この記事を読めばこれらが本当かどうか分かるはずです。
新築マンション投資とは?中古との違いを解説!
新築マンション投資とは、新築のマンションを購入して貸し出し、家賃収入を得る不動産投資の方法です。
新築マンション投資を理解するうえで、最初に押さえておきたいのが「新築」の定義です。
住宅の品質確保の促進等に関する法律によると、「新築住宅とは、新たに建設された住宅で、まだ人の居住の用に供したことのないもの(建設工事の完了の日から起算して1年を経過したものを除く)をいう」と定義されています。
※参考:住宅の品質確保の促進等に関する法律(第2条第2項)
分かりやすく言うと、新築とは、過去に誰も入居したことがない建築後1年未満の建物ということです。
ということは、1日でも人が住んだことのある建物は新築ではなく中古になりますし、誰も住んだことがなくても築1年が経過したら中古ということになります。
「新築マンション=築浅マンション」と捉えている人もいますが、その認識は誤りです。
なお、新築マンションはその間取りの違いから「ワンルーム」と「ファミリータイプ」に分類されますが、本記事ではワンルームマンション投資を前提にご説明していきます。
新築マンションと中古マンションはどちらに投資すべき?
新築マンションと中古マンションでは、投資物件としての特徴が異なります。
新築マンションは中古マンションに比べて購入価格が高くなりますが、内装や設備が最新なので入居者が付きやすく、しばらくは大きな修繕費がかかりません。
一方、中古マンションは新築マンションに比べて安く購入できますが、設備や物件そのものが老朽化しているケースが多いので、まとまった修繕費を見込んでおく必要があります。
不動産投資の世界では、「新築マンションに投資すべき」「中古マンションに投資すべき」といった情報があちこちで流れていますが、投資物件としてどちらが優れているかを一概に判断することはできません。
どちらの物件に投資すべきかは、一人ひとりの投資家の目的や投資戦略によって変わってきますし、エリアの賃貸需要や物件のスペックなどによっても変わってきます。
Aさんが新築マンション投資で成功できても、BさんやCさんが同じように成功できるとは限りません。
マンション投資で成功するために重要なのは、新築と中古のメリット・デメリットを正しく認識したうえで自分にとって最適な物件を見極めることです。
新築マンション投資のメリット
新築マンション投資のメリットとしては、主に以下の5点が挙げられます。
・01:新築マンション投資は自己資金が少なく済む
・02:新築マンション投資は修繕費がかかりにくい
・03:新築マンション投資は節税効果が長く続く
・04:新築マンション投資は出口戦略を立てやすい(売却しやすい)
・05:新築マンション投資は高い入居率が期待できる
それぞれのメリットについて詳しく解説していきましょう。
01:新築マンション投資は自己資金が少なく済む
新築マンション投資は、中古マンション投資に比べて自己資金が少なく済むケースが多いです。
不動産投資では多くの人がローンを使って物件を購入しますが、新築マンションは耐震基準をクリアしていて修繕費などの負担も少ないため「収益性が高い」と判断され、ローンの審査に通りやすい傾向にあります。
金融機関によっては物件価格の全額を融資してくれる場合(フルローン)もあり、フルローンでなくても全額に違い金額での融資が期待できます。
また、新築マンションをディベロッパーから直接購入する場合は仲介手数料がかかりません。
そのため、新築マンションは中古マンションより高いものの、自己資金は少なく済むというメリットがあります。
02:新築マンション投資は修繕費がかかりにくい
新築マンション投資は、中古マンション投資に比べて修繕費がかかりにくいのがメリットです。
中古マンション投資の場合、購入する時点ですでに内装・設備の老朽化が進んでいるため、比較的早いタイミングで設備の故障などの不具合が出るケースが少なくありません。
また、空室対策としてリノベーションが必要になる場合もあります。そのため、投資の初期段階からまとまった修繕費を見込んでおかないと賃貸経営に支障が出てしまいます。
一方、新築マンションは内装・設備が最新なので、向こう10年くらいは大がかりな修繕は発生しません。
初期のメンテナンスコストが少なく済むのは、新築マンション投資の大きなメリットだと言えます。
03:新築マンション投資は節税効果が長く続く
新築マンション投資は、中古マンション投資に比べて長期にわたる節税効果が期待できます。
投資物件の購入費は「減価償却」の対象となります。
減価償却というのは、投資物件の購入費を一定の期間(減価償却期間)にわたって少しずつ経費として計上する制度のことです。
たとえば、鉄筋コンクリート造のマンションは減価償却期間が47年と決められているので、47年にわたってマンションの購入費を経費にすることができます。
中古マンション投資の場合は、すでに一定期間が経過しているため減価償却期間が短くなりますが、新築マンション投資の場合は減価償却期間をフルに利用できます。
そのため、長期にわたって経費として計上することができ、所得税・住民税を節税できる期間も長くなります。
04:新築マンション投資は出口戦略を立てやすい(売却しやすい)
新築マンション投資は、中古マンション投資に比べて出口戦略を立てやすいのがメリットです。
出口戦略というのは、投資物件を「いつまで保有するか」「いつ売却するか」といった戦略のことで、不動産投資を始めるタイミングで頭に入れておく必要があります。
不動産投資は長期的な運用を前提とする投資ですが、将来、何らかの事情で手放す時期が来るものです。
不動産の価値は築年数とともに下落していきますが、中古で購入したマンションに比べると新築で購入したマンションのほうが良い状態をキープできているため、売却するときも有利になります。
いざ売却したいと思ったとき、中古マンションは買い手が見つからずに苦労することがありますが、新築マンションなら比較的買い手が見つかりやすいと言えるでしょう。
05:新築マンション投資は高い入居率が期待できる
新築マンション投資は、中古マンション投資に比べて高い入居率が期待できるのがメリットです。
新築マンションは建物自体がきれいなのはもちろん、入居者のニーズに合った最新設備を備え付けています。
よく「日本人は新築を好む」と言われますが、実際に賃貸マーケットでも新築物件は高い人気を誇っています。
「多少家賃が高くても新しい物件のほうがいい」と考え、新築限定もしくは築浅限定で賃貸マンションを探している人も少なくありません。
そのため、中古マンションより新築マンションのほうが入居者が決まりやすく、高い入居率が期待できます。
新築マンション投資のデメリット
新築マンション投資のデメリットとしては、主に以下の4点が挙げられます。
・01:新築マンション投資は取得費用が高い
・02:新築マンション投資は資産価値が下がるスピードが早い
・03:新築マンション投資は過去のデータを参考にできない
・04:新築マンション投資は利回りが低い
それぞれのデメリットについて詳しく解説していきましょう。
01:新築マンション投資は取得費用が高い
新築マンションは、中古マンションに比べて取得費用が高いのがデメリットです。
当然のことですが、新築マンションは中古マンションに比べて高額です。
上述のように、新築マンションは不動産投資ローンの審査に通りやすいというメリットはありますが、高額な借入れになるほど月々の返済額は多くなります。
そうなると、家賃収入が安定していてもキャッシュフローは少なくなりがちです。
新築マンションは入居付けしやすく高い入居率が期待できる一方で、空室になってしまうとたちまちキャッシュフローがマイナスに転じてしまう可能性があります。
02:新築マンション投資は資産価値が下がるスピードが早い
新築マンションは、中古マンションに比べて資産価値が下がるスピードが早いのがデメリットです。
上述のとおり、新築マンションは取得費用が高額です。
その理由として大きいのは、「新築」という付加価値が販売価格に乗せられているからです。
しかし、新築であるがゆえの付加価値は中古になった瞬間に消えてなくなります。
一般的に、新築物件から中古物件になった瞬間に資産価値は20%ほど下落すると言われています。
つまり、2,000万円で購入した新築マンションも、入居者が入るか1年経過するだけで資産価値が1,600万円にまで下がってしまうということです。
中古物件になった後も、比較的早いスピードで資産価値が下落していきます。
新築マンションの「資産価値が下がりやすい」という特徴は、「家賃が下がるスピードも早い」「売却損が発生しやすい」といったリスクにもつながります。
▼家賃が下がるスピードも早い
新築であることは、入居者にとって大きな魅力。賃貸経営をするオーナーからすると、新築マンションは相場より高めの家賃で貸し出すことができます。これを「新築プレミアム」と言います。
新築プレミアムがあるのは新築マンション投資のメリットの一つですが、新築プレミアムが使えるのは最初の貸し出しのときだけです。
1日でも人が住んだ物件は中古になりますし、入居者が入っていなくても築1年になった物件は中古になります。
中古物件になったら、もう新築プレミアムの家賃設定で貸し出すことはできず、中古の家賃相場に合わせないと入居者を確保できなくなります。
賃貸物件は一般的に築10年までの家賃下落率が高く、築10~20年で緩やかに下落し、築30年を過ぎると下落しにくくなっていきます。
この傾向からも、新築マンション投資をする際は、最初の10年は家賃が下がるスピードが早いということを踏まえたうえで収支計画を立てなければいけません。
▼売却損が発生しやすい
不動産投資の主な目的は家賃収入(インカムゲイン)を得ることですが、将来、売却するタイミングが来たときの売却益(キャピタルゲイン)も意識しておかなければいけません。
新築マンションは中古マンションに比べて買い手が見つかりやすいのは上述したとおりですが、資産価値が下落するスピードが早いため売却益を得にくいどころか、売却損が発生するリスクも高くなります。
03:新築マンション投資は過去のデータを参考にできない
新築マンション投資は、中古マンション投資と違って過去のデータを参考にすることができません。
最適な投資物件を見極めるためには、収支シミュレーションをしなければいけません。
中古マンションであれば、「過去にいくらで貸し出していたか?」「空室率・入居率はどのくらいだったか?」「利回りはどのくらいだったか?」といった実績があるため、過去のデータを参考にしながら比較的正確なシミュレーションができます。
一方で、新築マンションには過去の運用データがありません。
新築時から一定期間は空室になりにくいものの、「それがいつまで続くのか?」「家賃はどのように下落していくのか?」「賃貸需要はどのように推移していくのか?」「どのタイミングでどのくらいの修繕費が必要になるのか?」といったことを正しく見積もるのは簡単ではありません。
長期的な収支シミュレーションが難しいのは、新築マンション投資のデメリットの一つだと言えるでしょう。
04:新築マンション投資は利回りが低い
新築マンション投資は、中古マンション投資に比べ利回りが低いのがデメリットです。
利回りは「年間家賃収入 ÷ 物件価格 × 100」によって算出します。
たとえば、新築ワンルームマンション(2,000万円)の年間家賃収入が120万円(月の家賃10万円)だとすると、利回りは6%になります。
一方で、中古ワンルームマンション(700万円)の年間家賃収入が84万円(月の家賃7万円)だとすると、利回りは12%となります。
これらはあくまでも例ですが、新築マンションは取得価格が高いため、中古マンションより利回りが低くなるのが通常です。
利回りが低いとキャッシュフローを確保しにくく、空室が発生したり予期せぬ出費が発生したりすると、たちまち赤字に転落するリスクがあります。
新築マンション投資のポイント・注意点
新築マンション投資には、新築ならではメリット・デメリットがあります。
優良物件を見つけることができればデメリットを抑えて大きなメリットを享受できますが、物件選びに失敗するとデメリットがメリットを上回ることになります。
新築マンション投資で成功するためには、以下の4つのポイント・注意点を押さえておくことが重要です。
・01:新築マンション投資はできるだけローンの借入額を減らす
・02:新築マンション投資は徹底的に立地にこだわって物件を選ぶ
・03:新築マンション投資は物件の管理体制を確認する
・04:新築マンション投資は信頼できる不動産業者を味方に付ける
それぞれのポイントについて詳しく解説していきましょう。
01:新築マンション投資はできるだけローンの借入額を減らす
新築マンション投資はローンを利用しやすく、フルローンで融資を受けられる可能性もあります。
しかし、物件価格が高額な新築マンションをフルローンで購入するとなると、キャッシュフローが悪化するリスクをともないます。
新築マンション投資で安定した賃貸経営をおこなうには、できるだけ自己資金を多めに入れてローンの借入額を少なくすることで、キャッシュフローを高めることが重要です。
02:新築マンション投資は徹底的に立地にこだわって物件を選ぶ
どんな不動産投資も立地は重要ですが、新築マンション投資で空室リスクを最小限にしたいなら、特に立地にこだわって物件を選ばなければいけません。
ワンルームマンションの入居者は、利便性を重視して物件を選ぶ人が多い傾向にあります。
好立地の物件でなければ成功は難しいと言っても過言ではありません。
立地選びの基準としては、「都心から1時間以内」「最寄駅から徒歩10分以内」「最寄駅に急行・快速が停まり、都心へのアクセスが良い」「近くに商業施設や大学がある」「開発が進み人口が増えている」といった条件を満たしていると理想的です。
ただし、新型コロナウイルスの感染拡大によってテレワーク・在宅勤務が一般化したことで、賃貸需要が変化しつつあるのが現状です。
これまで安定した需要があったエリアでも、今後どのように需要が推移するかは不透明であり、それだけ立地選びは難しくなっているとも言えます。
賃貸需要の移り変わりを敏感に察知しながら、中長期的に需要が見込める立地を見極めることが重要です。
03:新築マンション投資は物件の管理体制を確認する
新築マンション投資のデメリットの一つとして、過去のデータがないために収支シミュレーションが難しいという点がありました。
ここで言う「過去のデータ」には、物件の管理体制も含まれてきます。
中古マンションはすでに長年にわたって物件管理がおこなわれているので、設備のメンテナンス状況や共用部分の清掃状況などを確認することで、物件管理のクオリティを把握することができます。
しかし、新築マンションの場合は当然管理が始まっていないので、管理のクオリティを測ることはできません。
それゆえ、運用後の管理会社や管理体制についてもしっかり確認しておくことが大切です。
04:新築マンション投資は信頼できる不動産業者を味方に付ける
新築マンション投資で成功するためには、信頼できる不動産業者を味方に付ける必要があります。
これも、新築マンション投資が過去のデータを参考にできないことに関連するのですが、運用実績がない新築マンションの良し悪しを見極めるのは簡単なことではありません。
特に、不動産投資の初心者の方が独力で新築マンションを選び、賃貸経営を成功させるのは至難の業です。そのため、信頼できる不動産業者の力が欠かせません。
では、信頼できる不動産業者とはどんな業者のことを言うのでしょうか。マンション投資を成功に導いてくれる業者は、少なくとも以下の2つのポイントをクリアしています。
▼収益マンションの取引実績が豊富である
不動産業者のなかには、不動産投資や賃貸経営に関する知見・ノウハウが少ない業者も多くあります。
このような不動産業者を選んでしまうと、収益性の低いマンションを購入してしまうケースもあります。
マンション投資で成功したいのであれば、収益マンションの取引実績が豊富な不動産業者を選ぶのが絶対条件になってきます。
収益マンションの取引実績が多い業者であれば、これまでに数多くの成功事例・失敗事例を見ているため、効果的なアドバイスが期待できるでしょう。
▼融資に強く、取引金融機関が多い
マンション投資はローンを利用して始める人が大半です。マンション投資を成功させるために物件選びと同じくらい重要なのが、「どの金融機関でローンを組むか?」ということです。
不動産投資は金利が1%違うだけで月々のキャッシュフローも総返済額も大きく変わってくるため、少しでも金利の低い金融機関で借りるのが成功への近道になってきます。
その意味で、不動産業者が融資に強いかどうかは非常に重要です。
融資に強い業者は少しでも有利な条件でローンを組めるよう、オーナーの属性に合った金融機関を紹介してくれます。
地方銀行や信用金庫も含め取引金融機関が多いことは、不動産業者を選ぶ際の重要なポイントになってきます。
まとめ
新築マンションにも中古マンションにも、それぞれメリット・デメリットがあります。
マンション投資を成功させるためには両者の違いをよく理解したうえで、自分の目的や投資戦略に合った物件を選ばなければいけません。
とはいえ、情報収集や物件選びを個人の力だけでおこなうには限界があります。
特に不動産投資が初めての方は、専門的な知識・ノウハウを持ったプロの力が必要です。
FGHは、収益不動産に特化した総合不動産グループ。
随時300~500物件の売却案件をオーナー様よりお預かりしており、マンション投資においても数多くの実績を重ねています。
これからマンション投資を始めたい方はもちろん、すでにマンション投資をしているけど思ったような収益を得られていない方も、お気軽にFGHまでご相談ください。
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このコラムを書いている人
マンション経営ラボ 編集者
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