不動産投資の価格交渉が失敗する原因って?交渉のコツを伝授!
【目次】
不動産投資と価格交渉は切っても切れない関係
不動産投資をするならば、誰しもが少しでも安い価格で投資用物件を購入したいもの。
そのため、ほとんどの人が物件を購入する際に価格交渉を行いますが、”価格交渉のコツ”を知らなければ失敗してしまいます。
今回は、不動産投資で失敗する価格交渉の実例6選と上手く交渉するためのコツについて解説していきます。
投資用物件は価格交渉で安く購入できる?
不動産投資を成功させるためには、物件を相場より安く購入することが重要です。
物件を安く購入できれば、利回りが高くなりますし、売却益にも期待できます。
一方で、物件を高く購入してしまえば、購入した時点で含み損になってしまい、上手く利益をあげることが難しくなるでしょう。
そのため、不動産投資をするなら、まずは物件を安く購入するスキルを身につける必要があります。
価格が高い投資用物件は交渉に応じてくれる可能性が高い
不動産投資において価格交渉が成功しやすい理由は、「不動産の金額が高いこと」「流動性が低いこと」があげられます。
ほとんどの不動産は株のように頻繁に売買されるものではなく、購入金額も高額です。
投資用物件を購入するには最低でも数百万以上のお金がかかり、中には数億以上かかる物件もあります。
つまり、不動産は買い手がつきにくく、売りにくいという特徴があると言えるのです。
そのため、売主は少しでも売りやすくするため、一定の値下げを想定して、物件を売りに出しているケースがほとんど。
ある程度売主側が値下げを想定しているので、価格交渉が成立しやすいという背景があります。
投資用物件の価格交渉に失敗する原因
先ほど「価格交渉が成立しやすい」とご説明しましたが、不動産投資における価格交渉のコツを理解していないと、交渉は失敗に終わるでしょう。
価格交渉のタイミングを間違えていたり、無茶な価格交渉を迫った場合、契約自体が”なかったこと”にされてしまう場合も。
しかし逆に言えば、しっかりと価格交渉のコツさえつかんでおけば、値下げが成功する可能性は高まります。
次の章では価格交渉に失敗する具体的なケースと対策方法について解説していきます。
価格交渉の失敗例6選と対策方法
不動産の価格交渉に失敗しやすいケースとしては、下記の6つが挙げられます。
・売り出しに出してから間もない段階で交渉する
・満室の物件に交渉する
・契約するまで遅い
・資金の事前準備が整っていない
・良質な物件に対しての価格交渉をする
・根拠もない値引き交渉をする
売り出しに出してから間もない段階で交渉する
物件が売りに出されてから間もない段階で交渉すると、価格交渉に失敗しやすいです。
売主は、物件を売りに出したときは適正価格だと思っているので、売り出されてからしばらくは強気になっています。
そのため、売りに出されてからいきなり価格交渉をしても、売主は「もう少し待ったら適正価格で売れるだろう」という思いが働き、失敗するケースが多いのです。
一方で、売りに出されてから3か月以上経過した物件の場合、事情は変わってきます。
3か月以上経過して売れ残っているということは、適正価格よりも物件の価格が高いと言えるでしょう。
「相場より高いから、値下げしたほうが良いのか」「このまま売れ残るのでは」という不安や焦りを売主が感じたタイミングで価格交渉すると、成功しやすくなります。
多少の値下げに応じても早く売りたいという売主は多く存在するので、売りに出されてから3か月程度以上経過している物件は価格交渉しやすい傾向にあります。
満室の物件に価格交渉する
満室状態で売りに出している物件は、価格交渉に失敗しやすいです。
満室状態の物件は、原則として売主が売却を急いでいません。
経営状況が良いため、売れなくても黒字経営を維持できるでしょう。
また、満室状態の物件は他の買主からの人気も高いことが多いため、掲載価格で取引されるケースが多いです。
そのため、売主の気持ちは強気になっており、価格交渉に応じてくれない可能性が高くなります。
価格交渉するときは、満室状態の物件ではなく、空室がある物件を狙った方が成功しやすいです。
空室があると、売主も弱気になりやすく、早く現金に換えたいという思惑が働きます。
特に空室が目立つ物件だと、収入よりもローンの返済金額の方が多く、お金に困っているというケースも少なくありません。
強気の交渉が成立しやすいため、価格交渉するときは満室ではなく、空室がある物件をおすすめします。
価格交渉してから契約するまでが遅い
価格交渉してから契約するまでが遅いと、価格交渉に失敗しやすいです。
値下げ交渉をしてから速やかに契約をしなければ、他の買主が見つかったり、売主の気が変わったりする可能性が高くなります。
契約するまでに時間がかかるので、他で契約してしまったというケースは少なくありません。
売主が値下げに応じてくれたら、速やかに購入意思を示し、契約までスムーズに進めるような準備をしておきましょう。
投資資金の事前準備が整っていない
資金の事前審査が通過していない場合、価格交渉に失敗しやすいです。
この場合、資金の準備というのは手付金と融資のことをいいます。
不動産を購入するためには、物件価格の5%~10%前後の手付金を買主に売買契約日に支払う必要があり、これがないと売主の心証に悪影響を及ぼしかねません。
また、不動産を購入するときに融資特約を付けている場合、金融機関の融資の事前審査に通過しておいた方が良いでしょう。
融資の事前審査に通過していない場合、実際に物件を購入できるかどうかは融資審査が通過するまでわからないため、売主は値引きに積極的になれないことがあります。
価格交渉する前に、手付金の準備と融資の事前審査に通過しておくことと、交渉が成功しやすくなります。
もし、融資の事前審査を受けることができなさそうな場合はなるべく融資が通過しやすい状況である、または融資審査に通過しなくても物件を購入することができることをアピールしましょう。
良質な物件に対しての価格交渉をする
他の買主からの申し込みが多数あることが多いため、わざわざ価格交渉する必要がないため、良質な物件に対しての価格交渉は失敗しやすいです。
また、最初は価格交渉が成功しそうだったとしても、後から別の買主が物件購入の申し込みをして、交渉自体がなくなるケースも珍しくありません。
そのため、価格交渉を成功させるためには、人気の低い物件を狙う必要があります。
人気の低い物件に価格交渉を申し込み、適正価格よりも値下げしてもらうことを意識しましょう。
根拠のない価格交渉をする
明確な理由もなく「ただ安くして欲しい」と価格交渉すると、不動産会社や売主の心証が悪くなってしまいます。
不動産会社の心証を悪くしてしまうデメリットは、価格交渉しようとしている物件が購入できなくなるだけではありません。
その不動産会社から、今後投資用物件を紹介されなくなってしまう可能性もあります。
今後の不動産投資にも悪影響を及ぼすことが考えられますので、根拠もなく価格交渉することはやめましょう。
価格交渉するときは不動産会社に聞き込みをして、値下げ余地はあるのか確認しておくことが大切です。
ほとんどの場合、不動産会社は事前に売主からヒアリングをしているので、値下げできそうかどうかはある程度把握しています。
物件を内覧したときや不動産会社に行ったときに、軽く「値下げできそうでしょうか?」と聞いておくことをおすすめします。
不動産投資の価格交渉を成功させるためのコツ
不動産投資の価格交渉を成功させるためには、下記の流れに沿って取引を進めることをおすすめします。
1. 物件の申し込み状況を確認する
2. 売主の状況を調べる
3. 自分の情報を伝える
4. 収支シミュレーションの算定を厳し目に見る
5. 論理的に価格交渉する
6. 深追いはしない
物件の申し込み状況を確認する
まずは、他の買主からの物件の申し込み状況を確認しましょう。
他の買主から多数の申し込みがあった場合、価格交渉はほぼできません。
掲示価格で購入するか、物件をあきらめましょう。
しかし、物件の申し込み状況が0~2件だった場合、価格交渉のチャンスとなります。
他の買主も同様に価格交渉をしていることがほとんどなので、どのくらいまで価格交渉ができそうか確認してみる価値はあります。
売主の状況を調べる
投資用物件の価格交渉を行う際、事前に「売主はどのような人で、なぜ物件を売却にだすのか、どのくらいで売却したいのか」という点を確認しておきましょう。
価格交渉が成功しやすい人の条件は、下記の2点です。
売主が不動産投資家ではなく、一般人
物件を売却するのに理由があり、急いでいる
このようなケースの場合は、価格交渉が成功しやすい傾向にあります。
一方で、物件売却を急がず「売れればいい」くらいの感覚を持つ売主の場合は、価格交渉に失敗しやすいです。
売主がどのような考えをもって売りに出しているかを、前もって不動産会社に確認しておきましょう。
自分の情報を伝える
投資用物件の価格交渉を行う前に、あらかじめ自分の情報を不動産会社に伝えておきましょう。
売主が物件を早く売りたいと考えている場合、スムーズに取引が進められる買主を好む傾向にあります。
そのため、融資の事前審査に通過している・現金で一括に購入できる・すぐに契約できるなど、購入できる環境が整っている人は価格交渉が成立しやすいと言えます。
自分に関する良い情報は、最初に不動産会社に伝えておくようにしましょう。
収支シミュレーションの算定を厳しめに見る
買主が物件を購入する際に、不動産会社は買主に対して収支のシミュレーションを提出するケースがあります。
このときの算定を厳し目にして、物件の価格を適正価格まで調整します。
例えば「修繕費が低いのではないか」「将来的に賃料はもう少し下がりそうではないか」など、具体的に一つ一つ数字をチェックしましょう。
適正な価格を提示すれば、価格交渉をする材料になり得ます。
論理的に価格交渉する
価格交渉をする理由を論理的に説明できれば、不動産会社や売主も納得してくれる可能性が高まります。
なぜ・どのくらいの金額を下げてほしいのか明確に説明しましょう。
具体的な交渉例は、以下の通りです。
「水回りの劣化が激しく、リフォームの必要性がある。リフォーム費用に○○万円かかりそうだから、値引きしてくれないか」
「周辺環境の不動産の価格帯がこの物件よりも安い。周辺価格の金額まで値引きしてくれませんか」
このように、理由や金額を明確に不動産会社と売主に伝えましょう。
しっかりとした理由があれば、不動産会社や買主も納得しやすく、価格交渉に応じやすいです。
価格交渉で深追いはしない
価格交渉は、決して深追いをしてはいけません。
しつこく価格交渉を持ちかけると、不動産会社への印象が悪くなり、今後の不動産投資経営に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、余裕がないことを買主に悟られてしまう可能性があり、価格交渉自体が決裂してしまうことも。
「ちょっとでも安く買えたらラッキー」くらいの心もちで価格交渉したほうが、結果的に上手くいく可能性は高いでしょう。
不動産投資における価格交渉の失敗例とコツまとめ
今回は、不動産投資で失敗しやすい価格交渉例6つと、上手く価格交渉をするための流れについて説明してきました。
不動産投資で成功するには物件を安く購入するための価格交渉は必須です。
しかしながら、価格交渉のやり方やコツを知らなければ、失敗することも少なくありません。
本記事で価格交渉のコツや流れを把握し、売主側に対して堅実な値下げ交渉を行いましょう。
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このコラムを書いている人
マンション経営ラボ 編集者
最新の不動産投資情報や株式、投資信託、為替など幅広い投資コンテンツを掲載。 オーナー様自身で最適な不動産の購入・売却・運用の判断材料になる情報をタイムリーに提供いたします。
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