遺言作成のススメ
突然ですが、あなたは遺言書を作成したり発見したりといった経験はありますか?
法律上では、遺言書は15歳に達していれば作成可能です。
作成は義務ではありませんが、思わぬトラブルを回避するためにも、なるべく早めに遺言書を作成することを強くおすすめします。
というのも、さほど額が大きくはない庶民の方が相続争いなどのトラブルに発展しやすいというデータが出ているのです。
ちなみに私は、世界がもっと動物に優しくなるよう、自分の全財産をどうぶつ基金へ遺贈(※)寄付したいと思っています。
今回は、他人事ではない「遺言」の種類や注意点についてまとめてみました。
※遺贈・・・遺言で相続人や相続人以外の人に財産を引き継がせること
こんな遺言アリなの?
たとえば、夫・妻・長男・長女・末っ子という5人家族がいたとしましょう。
この場合、夫が亡くなったあとの遺産分割はどうなるのでしょうか。
法的に考えれば、妻1/2、長女1/6、長男1/6、末っ子1/6になると思いますよね。
しかし、もしもこのとき「ぼくの財産は愛人のAさんにすべてあげる」と書かれた夫の遺言書が出てくれば話は大きく変わります。
“愛人に遺産を渡すなんてありえない!”と思うかもしれませんが、自分の財産を誰にどれだけ分け与えるかは自由に決められるため、この遺言は有効です。
遺言があれば遺言通りに、なければ法定相続分に従って遺産分割がなされます。つまり、法定相続というのは、あくまでも形式的なルールにしか過ぎないのです。
遺言の3つの種類
遺言には3つの種類があります。それぞれの特徴を確認していきましょう。
自筆証書遺言
紙にペンで自筆し、印鑑(認印でもOK)を押すだけの遺言。
財産目録はPCでの作成可能ですが、本文は必ず自筆することが求められます。
費用はかからない反面、形式不備や偽造などが起こりやすいので注意が必要です。
公正証書遺言
遺言者の遺言内容を公証人が筆記して、2人以上の証人と内容を確認したうえで署名・捺印する遺言。
法的に確実な方法で作成ができ、公証人役場で遺言を保管してもらいます。
作成に手間や費用がかかるが、紛失や偽造の心配がなく確実性が保証されます。
秘密証書遺言
公正証書と同じように公証人役場で作成されるが、遺言の内容は公証人にも知られることはありません。
保管は自分自身で行うため、秘密を守りたい人におすすめです。
各遺言の特徴を比べてみると、確実に自分の意思を遺したいのであれば「公正証書遺言」という方法がベストです。
まとめ
超高齢化社会の次には多死社会が来ると言われており、戦争中と同じ人数が毎年死んでいくのでは、とも言われています。
「終活」という言葉が生まれるなど、死生観は確実に変わってきているでしょう。
そのうえで、自分の今持っている財産をどう配分するのか、家族や配偶者と事前に話し合っておくことも大事です。
終活のひとつとして、ご自身の遺言作成をぜひご検討してみてください。
このコラムを書いている人
aihara
東京都府中市生まれ 2級ファイナンシャルプランニング技能士