遺産分割協議について

公開日2022/08/12
更新日2023/01/07

書類、ペン

かなり前に自身のコラムにて「遺言作成のススメ」を執筆しましたが、遺言がない場合は遺産をどうやって分けるのでしょうか。
 
単純承認するのであればそのままでも大丈夫ですが、後々のトラブルを回避したいという場合には相続人同士で協議をし、この内容を書面に残しておくという方法があります。
 
というわけで、今回のテーマは「遺産分割協議」です。

遺産分割協議とは?

 
遺産分割をする際、相続人全員で話し合い、だれがどの遺産を引き継ぐかを決めることを「遺産分割協議」といいます。
 
そして、遺産分割協議で話し合った内容を書面にしたものが「遺産分割協議書」です。
 
遺産分割協議書は、不動産・預貯金・株式の名義変更・相続税の申告の際に必要となります。

遺産分割協議の流れ

 
次に、遺産分割協議がどのような流れで行われるのかを見ていきましょう。
 

  1. 相続人の確定

相続人を確定させるには、被相続人の戸籍謄本などを取り寄せて確認します。
 

  1. 被相続人の財産の確定

財産は、現金や不動産といったプラスのものだけでなく、借入金やローンといったマイナスのものも把握します。
 

  1. 相続人全員で遺産分割協議を行う

相続人全員で、遺産をどのように分割するかを話し合います。
相続人の間で話し合いがつかない場合は、家庭裁判所の遺産分割調停あるいは審判の手続きを利用できます。
 

  1. 遺産分割協議書を作成

必要な記載事項は、以下の通りです。
・被相続人の名前と死亡日
・相続人が遺産分割内容に合意していること
・相続財産の具体的な内容(預金の場合は銀行名・支店名・口座番号など)
・相続人全員の名前・住所と実印の押印
 
遺産分割協議書は、自分で作成しても問題はありません。
 
ただし、金融機関や法務局などへ提出する場合には第三者に明確に伝わるものにする必要があるため、多少お金はかかりますが、司法書士や行政書士といったプロへ依頼することもあります。

遺産分割協議書が必要な場合と不要な場合

 
以下の場合には、遺産分割協議書が必要となります。
 
① 遺産を法定相続分のとおりに分割しない場合
② 名義変更する遺産がある場合
③ 預金を引き出す場合
④ 相続税を申告する場合
⑤ トラブルを防ぎたい場合
 
逆に、相続人が1人しかいない場合や遺言書や法定相続分に従って遺産分割する場合、遺産が現金・預金だけの場合には遺産分割協議書は不要となります。

まとめ

 
「遺言作成のススメ」でも述べましたが、お金をめぐる争いというのは、さほど額が大きくはない庶民の方がトラブルを起こしがちです。
 
難しいことかもしれませんが、家族や親族などと、お金について冷静に話し合える関係でありたいものですね。

このコラムを書いている人

aihara

aihara

東京都府中市生まれ 2級ファイナンシャルプランニング技能士

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