【不動産投資 一棟編⑦】運営費用(OPEX)について

公開日2021/08/02
更新日2021/09/04

2021.8.2
代表取締役社長 渡邊 勢月矢

【不動産投資 一棟編⑦】運営費用(OPEX)について

前回は、「実効総収入EGI」についてお伝えしました。
前回のコラムはこちらになります。
今回は、様々な投資指標の3つ目として、「運営費用OPEX」についてお話したいと思います。
 
運営費用とは、いわゆる経費ということです。
ここでいう運営費用は、あくまで年間にかかる運営費用になります。
経費やランニングコストと言われるものになります。
具体的な運営費用を下記に記載します。
・管理費(※区分マンションの場合)
・修繕積立金(※区分マンションの場合)
・固定資産税
・賃貸管理手数料
・修繕費
・光熱費など
 
実務でポイントになるのは、物件の修繕費をどこまで入れるか、空室時の原状回復費用や募集時にかかる事務手数料、広告料(いわゆるAD)を運営費として入れるかどうかということです。
私のアドバイスとしては、入れた方が間違いないです。
管理費および修繕積立金というのは、区分マンションにおいて必要な費用ですが、1棟物件においてはオーナーの裁量で費用とするかどうかが変わってきます。
米国の賃貸経営における修繕は、予防、矯正、繰延の3種類があり、予防は文字通り事前に修繕すること、矯正は事後や入居者の方からの要望で修繕すること、繰延は先延ばしにすること(売買が決まっており現況で引渡す等)を指します。
どの程度の期間を保有するかによって、どこまで修繕するかは変わってきますし、資本的支出をして物件のグレードを上げ、相場よりも家賃収入を高くするという戦略もあります。
この点は1棟物件の不動産賃貸業の醍醐味とも言える判断になってきます。
※貸主には当然ながら借主が適切に居住・使用いただく義務がありますので、「必要な修繕」は必ず行いましょう。
また、不動産投資は、融資を引いて購入されるケースが殆どですが、空室になったからといって毎月のローン支払いは免除されません。
そのため、どのくらいのスパンで空室になるか想定して、空室時の空室損を経費として想定しておくことも大切です。単身用物件であれば、概ね2~4年で入れ替わるというデータもあります。
参考資料:公益財団法人日本賃貸住宅管理協会 日管協短観
保有する物件が適正家賃でどれくらいの募集期間で決まるか抑えておくことも重要です。
また、原状回復費用が全てオーナー負担の場合、単身用の25㎡前後でも、クロス張替え、ルームクリーニング費用でおよそ10万円はみておいて方が良いと思います。
加えて、昨今の供給過剰気味な投資用マンション、アパートの状況で入居者募集は、買い手市場となっていますので、募集時における広告料(いわゆるAD)も臨時経費として計上しておくことが安定的な賃貸経営において必要です(エリアによって広告料の相場も変わりますのでお気軽にご相談いただければと思います。)。
当社独自の指標になりますが、年間の返済額と空室損、原状回復費用などを考慮して、なおかつ、家賃の下落も含めて、どのくらい安定的な賃貸経営ができるか確かめる指標もあります。
こちらは、「リスクパーセンテージ」という指標になります。
次回は、こちらの指標についてお伝えしたいと思います。

このコラムを書いている人

渡邊 勢月矢

渡邊 勢月矢

株式会社FGH代表取締役社長 宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、CPM ® (米国不動産経営管理士)徳島県生まれ、広島県育ち。 大学卒業後、中小企業の営業支援を行う会社に就職。「個人投資家の目線に立った不動産売買仲介事業をしたい」との想いを抱き2007年2月、株式会社アーバンフォースを設立。その後、賃貸・売買部門を独立させ、株式会社FGHを設立・ホールディングス化。年間1000件以上の仲介案件を手掛け、通算8000件以上の適正な流動化を実現し、不動産所有者、購入希望者双方のニーズを満たすサービスを提供し続けている。

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