マンション経営に失敗した10の事例|失敗を避ける対策&コツ

公開日2022/11/04
更新日2023/10/24

【目次】

マンション経営
マンション経営に興味はあるものの「失敗が怖い」「借金をするのはちょっと…」と、踏み出せない方も多いのではないでしょうか。
実際に、ブログやSNSでは、悲惨な失敗談が書かれているケースもあります。
 
しかし、実はマンション経営の失敗には、共通する一定のパターンがあるのです。
パターンを学び、その対策方法を理解することで、マンション経営における失敗を回避して、成功に近づけることが期待できます。
 
そこで今回は、マンション経営の失敗10事例と、それぞれの対策方法を解説。
さらに、マンション経営の失敗を避けるコツも、併せてご紹介します。
 

マンション経営に失敗した10の事例

マンション経営失敗
マンション経営は、成功すれば安定的な収益が得られます。
根強い人気のある投資ですが、失敗すれば大きな経済的ダメージを被ることもあります。
はじめにマンション経営で失敗した10の事例から、マンション経営の失敗パターンを知っていきましょう。
 

失敗事例①手元にお金が残らない!

マンション経営をスタートした方の全てが、家賃収入を期待することでしょう。
 
しかし、毎月のローン返済と各種経費で相殺され、手元にほとんどお金が残らないケースもあります。
 
それに対して業者は「ローン返済後に黒字になる」と説明するケースも多いですが、収益がしばらく入らないことで、ライフプランが狂ってしまう方も少なくないようです。
 

失敗事例②収入より出費の方が多い!

手元にほとんどお金が残らないだけでなく、収入よりも出費の方が多くなるケースもあります。

例えば当初の試算よりも家賃収入が入らず、修繕費や税金といったコストが予想を上回るといったことは珍しくありません。
 
また、はじめは順調でも、入退去のたびに家賃が下落して、次第に出費が上回る場合もあります。

仮にこのような状態でマンション経営を続けても、赤字はさらに拡大するでしょう。

赤字の補填に退職金や貯金を注ぎ込んだり、借金などをするようになれば、最終的に自宅を失ったり債務整理・自己破産するリスクも生じます。
 

失敗事例③修繕積立金が値上がりした!

思わぬ出費の増加が、マンション経営の失敗につながるケースは多く見られます。

その1つが、建物の修繕工事や診断に充てられる修繕積立金の値上げです。

修繕積立金額は、マンション管理組合の総会決議で決定されるため、防ぎようのない出費の1つと言えるでしょう。
 

失敗事例④入居者が決まらない!

空室はマンション経営の最大の敵ということができます。

入居者が決まらないと、家賃収入が入らない一方で、諸経費だけはかかり続けます。

また、はじめは入居者がスムーズに決まったものの、退去後に新たな客付けができないといった悩みを抱える方も少なくありません。
 

失敗事例⑤サブリース契約を解約された!

サブリース契約を利用すれば、入居者がいない状態でも一定額の賃料が受け取れます。

サブリース契約はオーナーが所有する部屋を、不動産業者が借り上げ、入居者に貸し出すというシステムです。
このシステムを利用すれば、不動産運用の手間もかからないため、理想的なシステムに思えることでしょう。

しかし実際には、サブリース契約が業者からの一方的な申し出により中途解約されるケースも発生しています。
こうした問題を受けて、2020年には「サブリース新法」が施行されましたが、それでも中途解約が禁止されていない点にはご注意ください。

サブリース売却

 

失敗事例⑥想像より節税効果が得られない!

「マンション経営は節税になる」。そんな言葉が背中を押して、マンション経営をスタートする方もいらっしゃるようです。
 
確かにマンション経営で生じる減価償却費、ローン利息、管理手数料、登記費用、租税公課、修繕費、火災保険料などの出費は、経費として算入できます。
それらを加味した会計処理の結果として、所得税、住民税、相続税など様々な税金で節税できるケースがあることは事実です。
ただし、マンション経営による節税は、その効果が得られる人とそうでない人がいることを理解しておきましょう。
 

失敗事例⑦ローンを借りすぎた!

マンション経営をスタートする際、ローンを組むことも多いことでしょう。
ローンを組む際、金融機関の審査を受けることとなりますが、上場企業の社員や公務員の場合、高額のローンやフルローン(頭金なしの全額借入)が通るケースがあります。
これは喜ばしい反面、ローンは借金(負債)であることに変わりはなく、借入金額が大きいほど月々の返済が厳しくなることを忘れてはなりません。
実際にローンの借りすぎで、返済に追われ、マンション経営が立ち行かなくなるケースは珍しくありません。
 

失敗事例⑧入居者トラブルを知らなかった!

入居者トラブルは、スムーズなマンション経営を妨げる原因となります。
 
具体的な入居者トラブルには、以下のようなものがあります。
 

●家賃滞納

入居者が家賃支払いを滞納することで、オーナーの収入減やローン支払いに影響します。
訴訟に発展した場合、オーナー側もさらなる負担増を強いられる可能性があります。
 

●マナー

騒音や共用スペースの使い方、自転車の停め方・放置といったマナーの問題も、入居者トラブルの代表例です。
場合によっては、新たな入居者探しにも悪影響を及ぼします。
 

●ゴミ出し

ゴミ出しもマナーのひとつですが、ゴミ収集の日時を守らないことで、カラスや猫にゴミを荒らされたり、放火などのリスクも増加します。
また、部屋にゴミを放置したり、ため込む入居者の場合、原状回復の出費が高額になる恐れがあります。
 

失敗事例⑨失敗を取り戻そうとして泥沼に!

マンション経営が上手くいっていないにも関わらず、さらに新たなマンションを購入する方もいます。
「良い物件で失敗を取り戻したい」「購入した分、節税効果も大きくなる」といった心理が働くためですが、通常、これは非常に危険な選択です。
仮に、新たな物件の購入を検討するにしても現状、なぜマンション経営がうまくいっていないのかを分析し、明確にしなければ、同じ失敗を繰り返す可能性が高いでしょう。
 

失敗事例⑩売りたくても売れない!

「マンション経営がどうしても立ち行かなくなったら、売れば良い」と考える方もいらっしゃるようですが、スムーズに売れないことも珍しくありません。
例えば、新築ワンルームマンションも、売却すると分譲時の7割程度の値段になることが多いです。
 
また、法定耐用年数を過ぎたマンションなどは、ローンが組めないため買い手を見つけることが困難でしょう。
仮に売却できても、売却益でローンが相殺できないケースは、差額の自己資金を用意する必要があります。

 

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マンション経営の失敗を避ける10の対策方法

マンション経営失敗を避ける

これまで見てきたように、マンション経営には様々な失敗事例があります。
 
しかし、その多くに有効な対策方法が存在します。
すでにマンション経営されている方はもちろん、これからマンション経営を始める方もぜひ、以下10個の対策方法を知っておきましょう。
 

対策方法①支出金額を理解しておく

マンション経営には、以下のようなイニシャルコスト(初期費用)とランニングコスト(維持費用)の両方がかかります。
これらを理解せず、マンション経営をスタートすると想像よりも支出金額がかかり、手元にお金が残らない恐れが出てきます。
 

【マンション経営にかかるイニシャルコスト(初期費用)】

 

  1. ●マンション購入費用
    ●ローンの事務手数料
    ●火災保険料
    ●不動産取得税
    ●登記費用
    ●仲介手数料 など

 

【マンション経営にかかるランニングコスト(維持費用)】

 

  1. ●ローンの返済費用
    ●管理費
    ●修繕費
    ●火災保険料
    ●各種税金(固定資産税など) など

 

対策方法②諸費用の変動をシミュレーションする

多くの方が見落としがちですが、マンション経営における諸費用は変動します。
マンション経営で失敗しないためにも「どのような変動が起こり得るか」を考えておくことはムダではありません。

例えば、すでにご紹介した修繕費ほか家賃も変動する可能性があります。

家賃は、エリアの再開発などの好条件があれば上がる可能性もありますが、通常家賃は年々下がって行くと考えられます。

実際に、総務省統計局の調査(※1)では家賃は毎年約0.8%下落すると示されています。
 
特に新築物件は、最初は新築プレミアで多めの家賃が取れますが、退去後は新築プレミアがなくなり、通常は大きく家賃が下がるので要注意です。

加えて、全国の賃貸用住宅を見ても15〜25%は空室となっています。

そのため、家賃収入の見込みは、空室がある前提で考えておくことが得策です。

(※1 総務省統計局「借家家賃の経年変化について-消費者物価指数における家賃の品質調整に関する調査研究-」
https://www.stat.go.jp/data/cpi/pdf/kenkyu1.pdf
 

対策方法③不確定要素を見越した計画を立てる

支出金額を全て洗い出し、収支に関わる変動(不確定要素)をシミュレーションしてから、経営計画を立てましょう。

年単位の収支計画書を作成しつつ、具体的に「どれくらいの収益が見込めるか」「いくつの空室で赤字となるか」といった事柄まで細かくプランニングします。
 
その際、甘い見込みは排除して、シビアに計画を立てることが重要です。
 

対策方法④様々な入居者の募集方法を活用する

入居者の募集にはオーナー自身で募集する方法不動産会社を利用する方法の2つがあります。
オーナー自身で募集する方法には、具体的に以下のようなものがあります。
 

  1. ●入居者から紹介してもらう
    ●親戚、友人、知り合いに声をかける
    ●チラシをポスティングする
    ●学校や公共施設に物件情報を掲示させてもらう
    ●アプリやSNSを活用する

 
このように、入居者を集めるためにオーナー自身で出来ることも多くあります。こちらは無料から試せる点がメリットです。

それでも入居者が思うように集まらなければ、不動産会社を利用すると良いでしょう。

不動産会社に依頼すると費用がかかる反面、ポータルサイトに登録してもらって露出度を上げたり、営業力を活用することができます。

また、周辺の相場を考慮して、無理のない範囲で家賃を下げることで、入居者集めに有効なケースがあります。
 

対策方法⑤信頼できる業者とサブリース契約する

2017年頃から表面化した、サブリース契約に関する様々なトラブル。
例えば、サブリース契約を解約されると、収益の安定性がなくなり、マンション経営に苦戦するケースも少なくありません。

それでも利用したい方は、現状においても突然中途解約される可能性があることを留意しつつ、できる限り信頼できる業者と契約するようにしてください。

なお、サブリース契約においては以下の点もご注意ください。
 

●家賃収入の減少

家賃保証率の相場はおよそ80〜90%。
 

●賃料の見直し

2年など、一定期間ごとに保証家賃が見直されるが、下がるケースも多い。
 

●免責期間

入居者の退去や新築などの後に、一定の免責期間が設けられ、その間の家賃保証がないケースがある。
 

対策方法⑥節税を目的としない

マンション経営の節税効果は、あくまでも副次的なものです。

物件購入の初年度は、多くのケースで名目上は収入が赤字となり、所得税・住民税の節税となります。

しかし次年度以降、ある程度の家賃収入が発生していれば、所得税・住民税の支払額がかえって上がる可能性も高いです。

ただし、相続税については、投資用物件を上手に活用することが、有効な節税対策となり得ます。
 
例えば、現金で相続すると全額に相続税が発生します。

一方、投資用物件として相続する場合は、時価よりも低い「相続税評価額」に相続税がかかるため 、節税となるのです。
 

対策方法⑦しっかりした返済計画を立てる

先ほど、年単位の収支計画書を含む経営計画について触れましたが、そこでローンの返済計画についても考えておくことが重要です。

通常、40~50%が、適正な返済比率(家賃収入に対して、返済額の占める割合)と言われています。

例えば、月40万円の家賃収入がある場合、月々のローン返済額が16〜20万円に収まる借り入れにしましょう。
 

対策方法⑧入居者トラブルの回避策を知っておく

入居者トラブルについては、入居者トラブルとは縁の無さそうな人を選ぶことが第一です。
 
その上で契約時に、ルールを明示することが、有効な回避策となります。

この他、必要に応じて監視カメラの設置、家賃保証会社との契約、管理会社との連携などの対策を講じてください。

可能であればオーナー(大家さん)と入居者が良い関係を築くことも、入居者トラブルを回避する良い方法となるでしょう。
 

対策方法⑨物件選び段階での失敗はリカバリーが難しい

トータルで大きな問題がなく、様々なことを試したにも関わらず、思うように入居者が集まらないーーこのような場合、そもそも物件選びの段階で失敗していた可能性が高く、失敗をリカバリーすることは非常に難しいと考えられます。

そして、このようなケースでは「何としてでも、失敗を取り返す」と考えがちですが、避けた方が賢明でしょう。

人間には、失敗が明白にも関わらず、サンクコスト(埋没費用)を惜しみ、さらに資源を投下して状況を悪化させる「コンコルド効果」と呼ばれる心理的傾向があるため要注意です。

物件の価値は時間が経過するほど下がるため、可能な限り早期に、物件を手放す(売却する)ことを検討してください。
 

対策方法⑩「売れるマンション」「売る必要のないマンション」を選ぶ

マンション経営において、物件選び段階での失敗が非常に多く見られます。
「賃貸需要のないエリアのマンション購入」といった初歩的なミスだけでなくエリアの需要にマッチしない物件の購入にも注意が必要です。
 
例えば、若者の多い好立地の繁華街エリアでも、ファミリー向けマンションなどは、エリアの需要と物件がミスマッチしている可能性が考えられます。
物件選びの際は「好立地」を前提にエリアの需要と物件がマッチしていることを確認してください。
売りたくなったらいつでも「売れるマンション」あるいは、安定して入居者が集まる「売る必要のないマンション」を、選ぶようにしましょう。
 

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マンション経営の失敗を避けるコツ・3選

マンション経営の失敗を避けるコツ
ここまでマンション経営における失敗例と、それぞれの対策方法を見てきました。
これらに加えて、最後にマンション経営の失敗を避けるために知っておきたいコツを、3つご紹介します。
 

①利回りだけを見ない

物件選びにおいて一番気になるのが「利回り」でしょう。
しかし、利回りばかり見て選ぶと、マンション経営は失敗する可能性があります。

例えば割安にも関わらず、利回りの良い物件は、掘り出し物だと飛びつきたくなりますが何らかの理由で入居者が見つかりにくい環境は良いが賃貸需要があまり無いエリアなど、何かしらの原因があるはずです。
 
なぜ割安なのか明確に分からない場合、購入には慎重になったほうが良いでしょう。
 

②出口戦略を意識して物件を選ぶ

マンション経営において最も重要なのが「出口戦略」です。

出口戦略とは、マンション経営における切り上げ方を考えるもので出来るだけ多くの資金を残して、マンションを売却するための戦略を意味します。
 
「私は物件をずっと持ち続けて、売却する気はないから、関係ない」と考える方も多いのですが、思わぬ出来事などで状況は変わるものです。

そして、出口戦略を意識して物件を選んでおかないと、いざという時に出口がない(安くしか売れない/売りたいのに売れない)状態となります。

具体的には、築年数やニーズなどをトータルに考慮して価値が下落しづらく、高く売れやすい物件を、選ぶようにしましょう。
 

③失敗/成功を正しく判断する

マンション経営に失敗しないためには、そもそも失敗/成功を正しく判断することが必要です。
 
例えば、きちんとした出口戦略を描き、 それに基づいて購入した優良物件を、適切に運営している場合、一時的な赤字でも問題ないケースが多いです。

マンション経営を投資の観点から見れば「最終的に黒字になっていれば成功」と言えます。

物件を持ち続け、堅実に黒字化するのも成功ですし、売却時の最終的な収支が黒字でも成功です。

出口戦略をしっかり立てておけば、表面的な赤字に惑わされて、失敗/成功の判断を誤るリスクも少なくなります。
 

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まとめ〜収益不動産のプロに頼ろう

収益不動産のプロに頼ろう
今回はマンション経営の失敗事例と、対策方法、そして失敗を避けるコツをご紹介しました。
 
マンション経営に失敗しないために必要なものは「出口戦略」です。
マンションは購入する時よりも、手放す時の方が苦労します。そこでマンション売却のプロをパートナーにすると心強いです。
 
私たちFGHは収益不動産の売却に強い総合不動産グループとして、トータルサポート。
 
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マンション売却を検討される方はぜひ、信頼・ノウハウ・実績のある業者を頼ってください。
 
(※2 日本トレンドリサーチによるインターネット調査:2020年9月サイトのイメージ調査より)

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このコラムを書いている人

マンション経営ラボ 編集者

マンション経営ラボ 編集者

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