高齢者入居拒否とは言っていられない未来
不動産投資において、一番のリスクといっても過言ではない空室リスク。
今までは単身高齢者の入居を敬遠するオーナーが多かったのですが、少子高齢化が進む現在の日本において、高齢者の賃貸住宅入居受け入れは空室対策につながります。
2036年には3人に1人が65歳以上
少子高齢化は、少子化と高齢化が同時に進行することをいいます。
日本では出生率が減り総人口も減少する一方で65歳以上の人口が増加していき、2036年には3人に一人、2065年には約2.6人に一人が65歳以上になるとされています。
引用:令和4年版高齢社会白書より
ちなみに「高齢者」の定義についてはあいまいで、何歳からが「高齢者」という明確な定義は存在していないようです。
「人生100 年時代」とよく聞きますが、最近の65歳は医療の発達や様々な要因で昔に比べて元気なうえに定年後も活躍している方が多いです。
また、実際に認知症などの病気は75歳を超えたあたりから有病率も上がるそうです。
このような状況から、75 歳以上を「高齢者」の定義とする風潮が高まっていると感じます。
高齢者の一人暮らしの増加
昔のように2世帯同居という家族は減り、そもそもの未婚者数も増えている今の日本。
そしていくら「人生100年時代」とはいえ、夫婦もしくは家族で一戸建てやファミリー物件で暮らしていても、いずれ一人になってしまうのは避けて通れないところです。
そういった理由から高齢者の増加にともない、一人暮らしの割合も増加します。
65歳以上の一人暮らしの方が人口に占める割合は、昭和55年と令和2年とを比較したところ男性は約3.5倍、女性は2倍と大きく増加しています。
引用:令和4年版高齢社会白書より
高齢者の入居受け入れに消極的になってはいられない
『高齢者向け賃貸住宅の展望』でも触れているように、オーナー側からすると高齢者の単身入居は孤独死の不安があり、入居受け入れには消極的になってしまいがちです。
また、高齢者の単身入居は、孤独死による残置物・原状回復などのリスクだけでなく、認知症などで住宅のルールを守れなかったり、家賃を滞納してしまったりする可能性もあります。
しかし、高齢化社会で高齢者が増えていく現状をプラスに捉えて高齢者入居受け入れへ視野を広げてみるのもよいかもしれません。
最近は孤独死の早期発見にもつながる入居者見守りサポートも増えているので、そういったシステムを活用していくことで、高齢者の単身入居における不安要素の解消に繋がっていくと思っています。
このコラムを書いている人
nakatani
1985年 東京都生まれ 保有資格:宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士
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