シェアハウスって人気なの?
近年「カーシェアリング」や「ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)」など、ものごとをシェア・共有し、合理的かつシンプルに生きたいという人が増えてきました。
そんな中、“敷金・礼金・仲介手数料が0円”など、自分のライフステージに合わせた合理的な賃貸住宅へのニーズが高まり、シェアハウスやソーシャルアパートメント※が人気を集めています。
オーナーにとってもシェアハウスはその稼働率が魅力的であり、たとえば3LDKの家を一人に、あるいは一家族に12万円で貸したくても借り手がなかなか見つからない場合もあるでしょう。
しかし、シェア住居にして3人に一人ずつ6万円で貸せば、単純に計算しても月額18万円の家賃収入になり、2人しか入っていない状態でも12万円の収入が得られることになります。
多少、月々の管理費がかさみ、初期投資がかかったとしても、稼働率が高いのであれば充分に魅力的な投資だといえます。
※ソーシャルアパートメントとは従来型のお部屋の他にラウンジやシアタールームなど充実した共用部がついて、住人間の交流を楽しむ新しいアパート・マンションのこと。
Global Agents社が独自に展開する新しい一人暮らしのスタイルとして、人気を集めています。
シェアハウスとは
シェアハウスとは、「1軒の住居スペースを複数人で共用すること」を意味します。
一戸建てや、2LDKから4LDKなどの物件をシェアし、住人は個室やドミトリーでプライベート空間を確保しつつ、リビングや台所、トイレや浴室などのスペースは共同で使います。
シェアの主な目的は賃料の節約であることが多いため、シェアハウス物件は賃貸物件よりも安く設定されているケースがほとんどです。
多くのシェアハウスには運営事業者が介在しており、入居者の募集から運営、物件管理までを運営事業者が行い借主へ賃貸する居住形態となっています。
シェアハウスは敷金、礼金がない代わりに「デポジット」と呼ばれるものが家賃の1ヶ月分程度必要であり、退出するときには清掃代がデポジットから引かれますが、清掃代を差し引いた金額は高確率で戻ってきます。
また、共有する最低限の家具、テレビ、洗濯機、冷蔵庫などは備わっているところがほとんどなので、そういった面でも初期費用が安く気軽に入居しやすいと言えるでしょう。
まとめ
近年、コロナ禍での法人の転勤控えや、大学が授業をオンライン化したことで学生のニーズが減少するなど、苦戦を強いられた仲介会社も少なくなかったのではないでしょうか。
また、感染予防の観点から他人との接触を避ける傾向が増し、世界的に海外渡航が許されない状況が続いたため、特に外国人をターゲットとしていたシェアハウスには大きな痛手となりました。
一般社団法人日本シェアハウス連盟(東京都渋谷区)の調査によると、13年〜20年まで右肩上がりだった物件数が、21年に減少傾向に転じたそうです。
その反面、鎌倉・湘南エリアの都心部にアクセスしやすい郊外のシェアハウスは、稼働率95%と好調。入居者の中には都内のIT企業に勤める会社員がテレワークになったことで、憧れていた郊外に住み替える事例もありました。
また、コロナ下で他人との接触が減ったことで、今後は他者との交流を求めるニーズが増加すると予想しているシェアハウス事業者も存在します。
さらに、今後は「空き家の活用」がますます重要になると言われており、シェアハウス化事業を筆頭に、賃貸マンションの再生提案・朽アパートの再生提案・ホームシェア(オーナー同居型)の提案・老朽賃貸住宅の耐震化&空室対策の提案などが必要とされています。
ニーズを的確にくみ取りながら、設備などのハード面とコンセプトを持ったコミュニティー形成などのソフトサービスを整え、ユーザーに訴求していくことがシェアハウス運営成功のカギになるのではないでしょうか。
このコラムを書いている人
小松 麻弓
株式会社FGH大阪支店 大阪府出身 好きな食べ物はメロン。美味しいものが大好きです。おおきに! 保有資格:賃貸不動産経営管理士
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