大規模修繕工事費用について

公開日2025/05/22
更新日2025/05/22

大規模修繕工事費用についてみなさんは、大規模修繕工事についてどの様な印象をお持ちですか。私の印象はこの先
何十年も安心して生活するために必要な修繕と費用との闘いという印象です。
有限である修繕積立金の支出をいかに抑えつつ、必要な修繕を行えるか。そしてどれだけ次の大規模修繕のため修繕積立金を残せるか。マンションの入居率を高い割合で保つためにも大事なことです。

大規模修繕工事

大規模修繕工事は実施までにいくつもの準備段階があり、大変な労力を要します。
前回の工事内容を参考に必要な㎡数、必要な材料数、材料単価、人件費。現状の劣化状況、それに係る有効な工事方法の選択、工事業者の選定。
金銭的な面では修繕積立金残高、借入の必要性、借入限度額、返済金利といった色々な面を考えなければなりません。
そのうえで管理組合の総会という場で提案し、承認を受けて初めて工事に着手できるのです。

管理組合総会

管理組合には「理事会」という存在があります。
まず理事会で工事業者の募集を掛け、事前調査のうえの見積書の収集及び比較検討する必要があります。
また、自己資本となる修繕積立金で支払うべきか何割かは借入金で賄うべきか費用を抑えるべく今回は見送ることができる修繕はないかなど、頭を悩ませる問題が多くあります。
 
この理事会でまとめた内容を基に管理組合総会に議案として挙げ、承認の可否を問います。
管理組合総会は、マンションの方針を決める最終決定機関です。そのため反対が一定数あれば、
先に進めることができません。特に大規模修繕工事は特別決議と言って2/3の賛成が必要となります。

余談ですが

今のマンションに引っ越してきて数年経過し、初めて管理組合総会に参加しました。
 
そこで感じたことはまず各参加者の理解度にバラつきがあるということ。
質疑応答の場において一問一答方式が組まれておらず、理事会が回答する前に所有者がたて続けに質問をするなど体裁が保たれていないこと。
理事会側も主観的な考えにより出席者へ理解を求める場にありながら大事な判断材料となる点において説明が不足しているなど、建設的な議論がなされていない印象を受けました。
テレビで見る記者会見と重ねて考えると、進行役が不在であることが要因であると感じました。

費用について

大規模修繕工事費用は規模にもよりますが億単位のお金が動きます。私の住むマンションも4億円弱の工事費用を試算していました。
この工事費用をどのように捻出するのかという話になります。
 
全額自己資金で賄うのかそれとも一部分の金額を融資で受けるのか。
そして、融資を受けるとなると、融資を受けた際の返済計画に無理はないのか、返済金利が固定金利か変動金利か、複数の金融機関の返済金利を比較したか、無茶な返済予定表を作成していないかなど様々なことを検討しなければなりません。
それ調べたうえで、委託している管理会社やマンション管理士に客観的視線で計画表を見てもらい、無理のない試算を考える必要があります。
 
そして、大規模修繕工事後の修繕積立金残高、次の大規模修繕工事までにいくら積み立てる計画であるのか。注意しなければならないのは、●●%引き下げるという言葉です。
これはもともとの金利から●●%引き下げるという意味ですので、もともとの金利が周囲より高ければ引き下げたところで他社とは変わらない可能性があります。
しっかりそこまで掘り下げて比較検討することが必要です。
 
忘れてはいけないのが、大規模修繕工事後の修繕積立金残高です。次の大規模修繕工事までにいくら積み立てる計画であるのかも重要です。
場合によっては、修繕積立金の値上げも視野に入れなくてはいけないでしょう。

まとめ

今回、この話をコラムのテーマにしようと思ったきっかけは、実際に総会に参加し理事会の報告に疑問を持ったからです。大規模修繕工事後の修繕積立金残高計算の間違い、0.2%返済金利を引き下げるという部分をフォーカスして、だいぶ得であるかのように報告している点などに不安を覚えました。
 
あらためて管理組合・理事会が素人であると実感したからこそ注意喚起の意味も含め、執筆した次第です。
これからの時代、築年数の古いマンションがますます増え、今以上に身近になる建替えや大規模修繕。
みなさんが大規模修繕について考えるきっかけになれば幸いです。
 

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山丸 慎太郎
コラム監修 山丸 慎太郎
資格

宅地建物取引士 / 賃貸不動産経営管理士 / 住宅ローンアドバイザー

プロフィール

代表取締役社長

代表取締役社長

2007年2月フォースグループ創業以来、投資用不動産仲介の第一線でキャリアを積む。

中古ワンルームマンションはもちろん、不動産全般に関する多岐にわたる経験と知識でお客様からの信頼も厚い。

   

これまで400名以上のお客様の資産形成のお手伝いをしている。

このコラムを書いている人

相馬將志

相馬將志

千葉県出身 お風呂での鼻歌がいつの間にか熱唱にギアチェンします。 保有資格:宅地建物取引士/管理業務主任者/賃貸不動産経営管理士/マンション管理士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士/簿記2級

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