賃貸の家賃高騰はいつまで続くのか?       

更新日2025/12/04

賃貸の家賃高騰はいつまで続くのか?

近年の全国的な賃料の上昇傾向は2023年ごろから顕著になり始め、今では「過去最高の賃料」という声が聞かれるようになりました。
実際、首都圏や主要都市においては、募集賃料が前年比で1~2割程度上昇する例も報じられているほどです。

収益不動産を所有するオーナー様にとって、「賃料高騰はいつまで続くのか?」という問いは多くの関心を集めることでしょう。
この問いを紐解くために賃料高騰の要因を整理することで、賃料高騰が止まる、または下がる要因も見えてくるように思います。

賃料高騰の要因

 

① 物価上昇やコストの増加

日頃の生活の中でさまざまな物の価格高騰を実感しますが、不動産に関することも例外ではありません。
建材価格、人件費、修繕費、管理費、税金(固定資産税・都市計画税など)などが上昇することで、従来の賃料では収入と支出のバランスが崩れ、オーナー様の賃貸運営が困難になります。

そのためオーナー様や管理会社は、募集賃料を従来よりも値上げし、賃貸中なら更新時等に借主に対して賃料の値上げ交渉を行うことで賃料は上昇傾向になります。

 

② 賃貸需要の上昇

若年層や単身世帯は、賃貸志向の傾向が増加しています。
また、新築や中古住宅の価格高騰によってマイホーム購入が難しくなった人が、購入から賃貸に選択肢を変えるケースも増えているそうです。
そのため、従来よりも賃貸の需要が高まり、賃料は上昇する傾向にあります。
 

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③ 低利や金融政策の変動

金利が低めになると不動産投資がしやすくなり、物件の購入意欲が高まるだけでなく建設も促されます。需要が高まることで、賃料は上昇する傾向になります。

 

④供給制約・再開発・都市集積

土地供給や都市開発規制、建築コストの制約、インフラ整備の足かせなどにより、新規供給が追いつかないエリアでは需要過多が生じやすく、賃料は上昇傾向になります。
特に人気のある都心や駅近エリアでは、その傾向が強くなりがちです。

賃料高騰の抑制・逆転要因

①金利上昇・金融引き締め政策

中央銀行がインフレ抑制を優先し利上げを進めれば、借り入れコストが今以上に上昇し、不動産投資や新規建設が抑制される傾向になります。

 

②インフレ抑制・物価安定化

物価上昇の速度が鈍化し、コスト転嫁余力が低下すれば、賃料の上昇は抑制される傾向になります。
コスト転嫁余力とは、原材料費や人件費、光熱費などのコスト上昇分を、自社の商品やサービスの価格に上乗せできる企業や業界の能力・度合いのことです。
例えば、建築資材価格が落ち着いたり、労務単価の上昇が抑制されたりすれば、賃料は上昇しにくくなります。

 

④ 人口減少・世帯数縮小

日本全体では少子高齢化・人口減少が進行しているため、都市部でも将来的には居住需要が緩む可能性があります。特に郊外・地方ではより空室リスクが高まる可能性があります。

 

⑤ 供給過剰・競争激化

新築・再開発が進み、供給が旺盛になれば物件が増えることで空室率が上昇し、賃料の上昇は抑制されていきます。
特に立地・設備に差がつきやすいエリアでの競争は激化するので、物件を所有するオーナーは空室を埋めるために家賃を下げる傾向になります。

まとめ

最初の問いに戻りますが、個人的には、賃貸賃料の高騰はあと2~3年程度継続する可能性があると考えています。
上昇ペースは次第に鈍化し、「ピーク → 高止まり → ゆるやかな反転」へと向かう展開が現実的ではないでしょうか。
弊社で賃貸管理をしている都内のあるマンションでは、10年前は10万程度だった賃料が現在では15万程度まで上昇しているものもあります。10年で1.5倍です。

では、私たち日本人の収入は10年間で1.5倍になったでしょうか?
1.5倍は例外だったとしても、賃料上昇の限界は徐々に近づいてきているように感じます。
物件を所有する、またはこれから所有するオーナーが今からできることは、心構えです。

 

① エリア・物件選びの視点転換

人気都心・駅近の物件は今後も賃料の上昇傾向があるため、少し距離を取ったエリアや設備・利便性で差別化を図れる物件にも目を向けてみること。

 

② 交渉の余地と情報収集

オーナー・管理会社との賃料交渉、減額請求の可能性を意識し、周辺相場データをもとに交渉する姿勢を持つこと。特に入居者入替時や契約見直し時が、交渉の機会となります。

 

③長期視点でのリスク分析

将来の人口構造、地域別人口変動、都市集中傾向などを見据えて、自分の住まいや投資物件選定に当たって「賃料安定性」を重視すること。
現在と5年後では、まったく違う収支になる可能性があります。

賃貸管理でお困りことがありましたら、この機会にアーバンフォースをご用命いただければと思います。
 

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山丸 慎太郎
コラム監修 山丸 慎太郎
資格

宅地建物取引士 / 賃貸不動産経営管理士 / 住宅ローンアドバイザー

プロフィール

代表取締役社長

代表取締役社長

2007年2月フォースグループ創業以来、投資用不動産仲介の第一線でキャリアを積む。

中古ワンルームマンションはもちろん、不動産全般に関する多岐にわたる経験と知識でお客様からの信頼も厚い。

   

これまで400名以上のお客様の資産形成のお手伝いをしている。

このコラムを書いている人

徳永 裕幸

徳永 裕幸

1982年 神奈川県出身 2014年アーバンフォース入社 保有資格:宅地建物取引士/不動産賃貸経営管理士/管理業務主任者

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