人の死に関する心理的瑕疵の取扱いに関するガイドライン

公開日2022/02/10
更新日2022/02/11

■瑕疵(かし)とは?

もし室内で入居者様が亡くなってしまった場合には、物件に瑕疵(かし)がつきます。
不動産における瑕疵(かし)とは、何らかの欠陥・不具合のこと。
そして、過去に物件内やその周辺で、事故や事件・トラブルが発生した物件のことを「瑕疵物件」といいます。
瑕疵物件はおもに「心理的瑕疵物件」「物理的瑕疵物件」「環境的瑕疵物件」「法律的瑕疵物件」の4種類に分類され、それぞれ特徴が異なります。

●「心理的瑕疵物件」

過去に物件内で発生した出来事に対し、一般人が嫌悪感を持つ物件です。
俗に言う「事故物件」にあたり、自殺、殺人事件、火災、忌まわしい事故などが起きた物件のことをいいます。
 

●「物理的瑕疵物件」

物理的に重大な欠陥を土地または建物に抱える物件です。
 
土地の場合は「土壌汚染」「地中埋設物」「地盤沈下」、
建物の場合は「雨漏り」「ひび割れ」「シロアリ」 「床下浸水」 「アスベスト」などが瑕疵とみなされます。
 

●「環境的瑕疵物件」

物件自体に問題はなくても、その物件を取り巻く環境に欠陥がある物件です。
代表的な例としては、物件のすぐ近くに反社会的組織事務所があるなどの理由が挙げられます。
 

●「法律的瑕疵物件」

法令などによって自由な利用が阻害されているような物件です。
都市計画法による制限、建築基準法違反、消防法違反などの法令違反、あるいは地役権や境界線など私法上の問題などを指します。
 

■物件に瑕疵が存在したら?

もし物件に瑕疵が存在するなら、トラブルを防止するために告知事項として相手方に伝えなければなりません。
告知事項とは、売買なら売主から買主、賃貸なら貸主から借主に対し、意思決定を左右しかねない物件の重大な欠点や事実を伝えることです。

入居者様が室内で死亡した場合には、心理的瑕疵物件として事実を借主に対して伝えなくてはなりませんが、今まではいつまで伝えるべきなのか曖昧な部分も多くありました。
例えば、「一度入居者を挟んだら次の入居者には伝えなくてもよい」「死因によっては伝えなくてもよい」そんな都市伝説的な話を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

■まとめ

そんな中、昨年5月に初めて国土交通省が『宅地建物取引業者による人の死に関する心理的瑕疵の取扱いに関するガイドライン』案を公表しました。
このガイドラインの内容を簡単にまとめると、告知の内容と必要性、告知をするべき期間の目安が明確にされています。

他殺、自殺は告知が必要とされ、告知をするべき期間はおおむね3年間で、病死または老衰など、自然死扱いとされる死因に告知は不要とのことです。
例外として、自然死でも発見が遅れ原状回復に特殊清掃などを要した場合には、告知が必要とされ、告知をするべき期間はおおむね3年間となりました。

現在のところ、このガイドラインに法的拘束力はありませんが、今後は契約後のトラブルの防止に役立つ可能性があります。
もしかしたら、“本人は知らないけれど、現在住んでいるお部屋で過去にトラブルが・・・”というケースもめずらしくなくなるのかもしれませんね。

このコラムを書いている人

徳永裕幸

徳永裕幸

1982年 神奈川県出身 2014年アーバンフォース入社 保有資格:宅地建物取引士、不動産賃貸経営管理士

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