マンション投資における固定資産税とは?
【目次】
マンション投資と固定資産税
マンション投資を始める上で、これからマンションを購入するとなると、多くの資金とマンション購入に必要な手続きの時間がかかります。
頭金や住宅ローンの返済はもちろん、固定資産税も支払わなければなりません。
固定資産税の金額は購入する物件によって異なり、条件によっては固定資産税が減額になる場合もあります。
マンション投資を検討するのであれば、固定資産税の目安を把握し、毎月の支払いの準備をしておくことが大切。
この記事では、マンション投資をする際に必要な“固定資産税”についてご紹介します。
マンションの固定資産税の金額とは?
固定資産税とは?
固定資産税は、土地•建物•ビジネスに使う土地や建物以外の備品や機械•車両などの償却資産にかかる税金のこと。
マンションを購入すると、土地と建物の資産を所有するようになるため、固定資産税がかかります。
マンションを購入する前に、年間の出費がどの程度かを検討しておくためにも、固定資産税に必要な金額を前もって計算することをオススメします。
固定資産税を計算する方法
固定資産税は、固定資産税評価額(課税標準額)に標準税率の1.4%を掛けたものです。
地域によって税率が異なることもあるため、あらかじめ市区町村のホームページなどで確認しておくと良いでしょう。
固定資産税評価額は、固定資産税を計算するためのベースになる評価額のことで、市町村がメインになって土地と建物に価格をつけたものです。
土地の場合は立地や形状、建物の場合は規模や構造、築年数などで評価額が変わってくるので、計算する際には注意が必要です。
土地の固定資産税評価額
路線価方式は、路線価が決まっているエリアの評価法です。
路線価というのは、道路(路線)に接する標準的な1㎡あたりの宅地の価額で、1000円単位で表すことができます。
路線価方式による土地の固定資産税評価額は、土地の形状などによる奥行価格補正率などの様々な補正率で路線価を補正した後に、土地の面積を掛けて計算します。
建物の固定資産税評価額
建物の固定資産税評価額は、建築費のおよそ50%~70%です。
なお、後で紹介する計算ツールを利用すれば、建物の固定資産税評価額がわからなくても、固定資産税の大まかな金額を計算することができます。
固定資産税が軽減される条件
マンションを購入する際、“新築から5年間は、固定資産税の1/2が減額になる”という制度があります。
固定資産税が軽減される条件は、以下の3点です。
•令和4年3月31日までに新築された物件
•3階建て以上の耐火・準耐火建築物
•1戸あたり120㎡相当分まで
6年目以降は通常の税率に戻りますが、新築住宅であれば5年間は固定資産税の軽減措置を受けることができます。
マンションの都市計画税の金額とは?
ここからは、マンションの都市計画税の金額について解説します。
都市計画税とは?
市街化区域内に土地や建物がある場合、都市計画税を支払う必要があります。
市街化区域内とは、市街地をすでに形成している区域と、市街化を10年以内に図る必要がある区域のこと。
市町村が課している地方税のため、具体的な税率は地域によって異なりますが、0.3%が限度額となっているため、それより多くを支払う必要はありません。
都市計画税を計算する方法
都市計画税は、 固定資産税評価額(課税標準額)×0.3%(最高税率)で計算できます。
こちらも計算ツールを利用することで、固定資産税評価額がわからない場合でも、簡易的に都市計画税を計算することができます。
固定資産税と都市計画税を簡易的に計算する方法とは?
ここからは、固定資産税と都市計画税を簡易的に計算する方法について解説します。
固定資産税の計算ツールを利用する
固定資産税と都市計画税の正確な数値については、市町村が算出した納税通知書をチェックする必要があります。
固定資産税の計算の流れとしては、土地と建物の固定資産税をそれぞれ計算してトータルするので、少し複雑な計算式になることも。
しかし、計算ツールを利用すれば、固定資産税の大まかな金額を計算することが可能です。
ここでは、固定資産税の計算ツールを利用した計算例について、使い方も含めて解説します。
東京都中野区で、築10年•4階建て•RC造の60㎡のマンションを4000万円(うち100万円が消費税)で購入したとしましょう。
土地を買う代金
マンションの販売価格には、土地代•建物代•消費税が含まれています。
消費税は、建物代だけにかかるため、10%の税率とすると、100万円を10%で割った1000万円が建物代になり、4000万円から1000万円を差し引きした3000万円が土地代になります。
そのため、土地の購入代金は3000と入力します。
もし消費税がわからない場合、不動産業者の担当者に直接土地と建物の価格を確かめたり、消費税分がどの程度かを聞いたりしましょう。
固定資産税評価率
固定資産税評価額は、国が決めた固定資産評価基準をベースにして市町村が決めており、土地の固定資産税評価率に関しては、土地価格の70%と定めているところが多くあります。
固定資産税評価額そのものが大まかに決まっているので、税金を集めるにあたって金額が不当に高くならないように調整されているため、土地価格の70%と設定されています。
そのため、固定資産税評価率には70%と入力します。
土地の面積
土地の面積は、真上から建物を投影した時の面積です。
もし面積がわからない場合は、建物の面積を入力すれば問題ありません。
土地の面積は、マンションの面積である、60と入力します。
建物の購入金額
建物の購入金額は、先に計算した建物代である、1000と入力します。
固定資産税評価率
建物の固定資産税評価率は、構造によって異なります。
建物が木造であれば50%、鉄骨造であれば60%、RC造であれば70%が、固定資産税評価率の目安になります。
今回購入すると仮定したマンションはRC造であるため、固定資産税評価率には、70と入力します。
床面積
購入する物件の床面積である、60と入力します。
階数
基本的に、マンションは3階建て以上の集合住宅のことを指します。
そのため、階数は、「3階建て以上」の項目にチェックを入れます。
構造
RC造や鉄骨造のマンションは、火災に強い耐火構造の建物となっています。
RC造のマンションの購入と仮定しているため、「準耐火•耐火」の項目にチェックを入れます。
固定資産税の税率
固定資産税の税率は、標準税率である1.4と入力します。
都市計画税の税率
都市計画税の税率は、先にご紹介した0.3%の最高税率を入力しておけば問題ないでしょう。
都市計画税の税率は0.3を入力します。
ここまで終えれば、あとは「計算する」というボタンを押すのみです。
計算ツールで税金を計算した結果
ここでは、計算ツールで税金を計算した結果について解説します。
土地に関しては、固定資産税が44,916円、都市計画税が19,250円。
建物に関しては、新築した後5年目までは61,250円、6年目からは122,500円が固定資産税となり、
26,250円が都市計画税となります。
土地と建物にかかる税金を合計すると、新築した後5年目までは106,166円、6年目からは167,416円が固定資産税となり、45,500円が都市計画税となります。
したがって、固定資産税の167,416円と都市計画税の45,500円を合計した214,016円が、毎年支払う必要がある税金の最大額です。
年間で約21万4千円の税金を支払う必要があるため、毎月払う税金額は約1万8千円です。
条件によって計算結果は異なってきますので、基本的に数値は目安として考えておきましょう。
このように算出した金額を考慮した上で、毎月の住宅ローンの返済プランを立てておくことが大切です。
新築マンションと中古マンションの固定資産税の比較
前述したように、新築マンションの場合、建物にかかる固定資産税が、5年間は1/2となる軽減措置を受けることができます。
築6年以上の中古マンションと、新築マンションの固定資産税にはどれくらい違いが出るのか、先ほど計算ツールで算出した数値をもとに、比べてみましょう。
土地の固定資産税は、新築でも金額は変わりません。
新築マンションにおいては、土地の44,916円と建物の61,250円を合計した106,166円が固定資産税、土地の19,250円と建物の26,250円を合計した45,500円が都市計画税です。
そのため、106,166円に45,500円を加算した151,666円が、1年間に納める固定資産税と都市計画税の合計金額となります。
軽減措置を受けられる5年間に納める金額は、758,330円。
築6年以上の中古マンションの場合だと、1年間に212,916円で、5年間では1,064,580円となるため、1年間で約6万円、5年間で約30万円の差が出てきます。
もし固定資産税を安く抑えたいのであれば、新築マンションでの投資も視野に入れることをオススメします。
固定資産税の基礎的な知識とは?
ここからは、固定資産税の基礎的な知識について、解説します。
1月1日に不動産を持っていると固定資産税の支払いが発生する
1月1日に不動産の土地や建物を所持していると、都道府県や市町村へ固定資産税の支払い義務が発生します。
しかし、1月2日からマンションを所持する場合、その年においては固定資産税を支払う必要はありません。
3年ごとに固定資産税は変わる
固定資産税の金額は、常に一定ではありません。
評価替えという作業が3年に1度行われ、税額が変わることがあります。
建物は経年劣化し、土地の価格はその周りの施設や住民の増減などで変化します。
土地や建物は時間が経つにつれて価値が変わるため、3年ごとに評価替えを行い、税額を見直す必要があるのです。
マンション投資における固定資産税まとめ
ローンの返済計画を立てる上で忘れてはならないのが、管理費や修繕費のほかに、毎年固定資産税がかかってくるということ。
これからマンションを購入しようと思っている方は、この記事をぜひ参考にして、固定資産税の目安を把握してみてはいかがでしょうか。
このコラムを書いている人
マンション経営ラボ 編集者
最新の不動産投資情報や株式、投資信託、為替など幅広い投資コンテンツを掲載。 オーナー様自身で最適な不動産の購入・売却・運用の判断材料になる情報をタイムリーに提供いたします。
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