【特集】アメリカ不動産投資、売却は気をつけろ!⑧

公開日2020/04/28
更新日2021/07/31

 

2020.4.30
代表取締役社長 渡邊 勢月矢

【特集】アメリカ不動産投資、売却は気をつけろ!

 

不可解な精算書……売却直前で空室を修繕

投資セミナーをきっかけに購入したテキサス不動産の売却を決意したのは3月1日。その後、3月26日に売却の依頼をして、本格的に売却に向けての活動がスタートするのですが、決済までの段取りが本当に悪かったです。一番驚いたのは、8月1日の引き渡しの4日前に届いた決済の精算書です。

●決済の精算書

まず、すべてが英語です。サインをする空欄があったのですが、「公証役場に行ってサインをもらってきてください」と言われました。公証役場へ何の書類をもって、何のためのサインをするのかも説明してくれません。

じつは公証役場に行って手続きを行わなければいけないということは1カ月前に聞いていました。ただし、いつ行くのか、どのような手続きなのかは何の指示もありません。私は業を煮やしてSさんに「いつ行けばいいのですか?」と聞いたところ、「精算書を送るから、その後に行くように」と告げられました。その後、決済の4日前に精算書が来て、「4日間のうちに公証役場へ行って手続きしろ」と指示があったのです。これは普通のサラリーマンには到底対応ができません。そもそも何のために公証役場へ行くのかも教えてくれませんでした。

公証役場に行ってようやくわかったのですが、「私(私の法人)がテキサス不動産を売る」ということを、第三者の公証人が認めるために行う手続きでした。それを認めるのもいくつか種類があるらしく「どれにしますか?」と聞かれて困りました。それにより料金も変わります。仕方がないので、その場でSさんに電話して説明してもらいました。

そもそも日本人がアメリカの不動産を売るときは、個人、法人に関わらず必ず公証役場に行かなければならないルールがあるらしいのです。ちなみに国内不動産では売るときに公証役場へ行く必要はありません。

精算書にはまだ不可解なことがありました。所有していた3ユニットのうち、1つが7カ月間ずっと空室でした。それなのに決済前にいきなりに修繕をしています。具体的には決済引渡し前月の7月に、2ユニットまとめて1,088ドル分の修繕を実施していることが判明しました。

百歩譲って入居者が決まったので、その準備のために修繕ならわかります。でも、ずっと空室で入居者が決まってないのに、決済前にいきなり修繕するのです。現況有姿で売らないのでしょうか。しかも、賃貸中の物件まで修繕しています。

なお修繕の内容は以下です。

 

・タイルの貼り換え
・入居前修繕及び室内清掃
・中古の電気調理台の購入

入居者が決まっていないのに、人件費360ドルと240ドルもかけてタイルの貼り換えや修繕をやって、別ユニットの301号室も塗装修繕や換気扇や蛇口の交換を行っています。この間、家賃は全く入ってきていませんから、最終月はマイナス1700ドルになっています。

ちなみに決済が8月だったのですが、私は6月には「7月には売るので修繕しないでください!」と管理会社に伝えてありました。こちらの「やめてください」、相手の「やってしまいました」というやり取りは残っています。これは私の認識不足なのかもしれませんが、アメリカには現況有姿の概念がなく、売却前に修繕を行うのが慣習なのでしょうか。そのような説明は未だ受けていないため、私にはよくわかりませんが、日本で同じことが行われたら大クレームです。

●空室が続く607に修繕を行ったというレポート

 

【特集】アメリカ不動産投資、売却は気をつけろ!
【第1回】アメリカ不動産投資との出会い
【第2回】私が行ったSection 8(セクションエイト)とはどんな投資か?
【第3回】購入目的は4年間の減価償却
【第4回】運用実績(2016年~2018年)
【第5回】生活保護スキームの崩壊から売却を決意
【第6回】なぜ? 家賃滞納にテキサス州からの支払い停止
【第7回】アメリカ不動産では、仲介手数料は売主が全額払う
【第8回】不可解な精算書……売却直前で空室を修繕
【第9回】アメリカ不動産の売却は、基本的に売主に不利!?
【第10回】セラーファイナンスのリスク
【第11回】「米国源泉徴収制度」(FIRPTA)を知っていますか?
【第12回】令和2年度税制改正による海外不動産投資への影響と、私がアメリカ不動産投資で失敗して感じたこと

このコラムを書いている人

渡邊 勢月矢

渡邊 勢月矢

株式会社FGH代表取締役社長 宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、CPM ® (米国不動産経営管理士)徳島県生まれ、広島県育ち。 大学卒業後、中小企業の営業支援を行う会社に就職。「個人投資家の目線に立った不動産売買仲介事業をしたい」との想いを抱き2007年2月、株式会社アーバンフォースを設立。その後、賃貸・売買部門を独立させ、株式会社FGHを設立・ホールディングス化。年間1000件以上の仲介案件を手掛け、通算8000件以上の適正な流動化を実現し、不動産所有者、購入希望者双方のニーズを満たすサービスを提供し続けている。

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