いつかは大家さん・・のハードルがグッと下がるJ-REIT
いつかはクラウンというキャッチコピーがありましたね。
簡単に手の届くものではない華やかさと、けっして浮世離れした絵空事ではない、なんとも絶妙なキャッチコピーではないかと思います。
近頃では若者の車離れが加速しているそうですが、いつかはクラウンを現代的に置き換えると「いつかは大家さん」になるのかと思った次第です。
大家と言っても色々ありまして、今回は比較的参入ハードルの低いJ-REITについてお話しさせていただきます。
J-REITってなんの略称?
「リアルエステート(RE)」「インベストメント(I)」「トラスト(T)」・・・。不動産業者の名前に入れたいワードランキングで人気上位を占めそうな言葉をつなげて「REIT」。不動産投資信託リートです。
対象が不動産なので大家さん気分になろうと思えばなれる素敵な投資信託です。
どんな商品?
売買方法は上場株式と同じです。証券会社に口座開設、場が立っている時間に売り買い、指値や予約もできます。
目的が不動産投資の投資信託で、一口10万円前後から。名称の語尾が〇〇投資法人となっています。
投資信託なので値上がりのメリットと値下がりリスクが共存しますが、キャピタルゲインよりもインカムゲインをめあてにするのが一般的です。
家賃にあたる分配金は年二回の商品がほとんどで、年率換算平均約3.4%と高水準の試算があります。
これは運用側が、利益の90%超を投資家に還元などの条件を満たすと実質法人税がかからなくなる仕組みのためといわれています。
少額から始められてリスクが低くインカムゲインめあてなので、証券会社の口座開設まもない方や、普段忙しくて市場チェックできない方、手間をかけて収支表を作成したり時間をなるべく使いたくない方には向いている不動産投資です。
メリットは商品の多様性
不動産投資は多種多様です。
住宅用、オフィスビル、商業施設、ホテル事業、物流施設、ヘルスケア施設、倉庫etc…。投資先を一本に絞った商品や、複合型・総合型と呼ばれる専門家がいくつかの投資先を吟味して決めた商品など、現在J-REITで約60銘柄が上場しています。
その中から自分が好きな分野を選んだり、将来伸びると期待できる業種に絡めて分析選択します。
更には、そういった複数のREIT商品を集める「J-REITに投資する投資信託(ETF)」となると、もはや投資先を明確にする必要はなく、ひとくくりの「不動産投資」としてふさわしい形態といえます。
REIT投資あるある(偏見)
株式の大きな値動きがあったとき、反対に動くことが多い。
少額「不動産投資」とのふれこみが多いわりに不動産の実感が全くわかない。
金額表記がそのまま(新聞は100円単位)なので損得がわかりやすい。
値動きが地味なので他銘柄のついでに確認、他が無ければ確認すらしないかも。
配当通知が届くと保有を思い出す。
売却したことを忘れる。
新聞やニュースの「GPIF」の文字に敏感になる。
あなたも大家さん
あらゆる可能性が追求できるポジティブな思考が身についた、自分の発想力と実行力を楽しみながら仕事ができる人になろう。
社会に出てまもなく、「不労所得で暮らしたい」「大家業で悠々自適に」と願うツワモノがいました。思い願ってもそういう人はひとにぎり(もちろん大家業が楽なわけではありませんイメージです)。
ですがJ-REITプレーヤーの皆さんは、広義でみれば近隣の大型ショッピングモールの大家さん(の一人)で間違いではなく、東京丸の内のビルのオーナー(の中の一人)かもしれません。
夢がありますね。
このコラムを書いている人
石倉 直樹
1973年大阪生まれ 好きなキャラクターはねり丸、エルちゃんカルちゃん、昨年94年の歴史に幕を閉じたとしまえん、たくさんの思い出をありがとう。 保有資格:宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士
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