将来の財産管理、考えていますか?

公開日2022/01/10
更新日2022/01/06


現在の日本は、世界でもまれにみる超高齢社会です。
 
高齢化社会とは、65歳以上の高齢者の割合が人口の7%を超えた社会のことをいい、さらに高齢社会が進行し、65歳以上の高齢者の割合が人口の21%を超えた社会を「超高齢社会」と呼びます。日本では、2010年に超高齢社会を迎えました。

“人生100年時代”という言葉が広まりつつある日本では、高齢者とともに認知症の人も増加しており、近年、相続対策の前提として、高齢者が認知症になった場合の財産管理のニーズが高まっています。
 
しかし、一口に「財産管理」といっても、どのような対策が有効なのかは詳しく知らない人も多いはず。今回は、代表的な財産管理として“任意後見制度”と“家族信託”について解説していきます。
 

任意後見制度について

成年後見制度とは、判断能力の不十分な方を保護し、支援する制度です。この制度には「任意後見制度」と「法定後見制度」の2つがあります。

任意後見制度は、本人に十分な判断能力があるうちに、判断能力の不十分になった場合に備えて成年後見人を選んでおく制度です。

一方の法定後見制度は、本人の判断能力が不十分になった後、家庭裁判所によって成年後見人等が選ばれ、法的に保護される制度です。

事前に対策をするのであれば、先に述べた“任意後見制度”が有効です。
任意後見人は、本人の生活に関する法律行為を行うことができるので、身上監護が必要な場合に利用すると良いでしょう。

任意後見制度の場合、契約をしていても、被後見人が認知症などで判断能力に問題が生じるまでは効力が発生しません。

そして、任意後見制度はあくまで“本人の保護”のためにある制度なので、任意後見人は財産の投資など積極的な運用はできないのです。
任意後見人は裁判所の監督を受けるので、被後見人が不動産などを所有していても、先程述べたように投資などの運用はできず、売却も難しくなります。

家族信託について

まず、「信託」とは、自分(委託者)の財産を人(受託者)に託し、自分が決めた人(受益者)の利益のため、信託目的に沿って財産を管理・運用してもらう制度のこと。自身が受益者になることも可能です。
そして、財産を管理する受託者を家族に指定する方法を「家族信託」といいます。

委託者が不動産を所有している場合、受託者には任意後見制度のような制限はなく、運用や売却が可能になります。
さらに、二次相続の方法を指定できることで、相続対策としての遺言制度を補完する役割も担っています。

家族信託は契約と同時に効力が発生しますが、おもに財産管理に特化した制度なので、柔軟な財産管理ができる反面、任意後見制度のような身上監護はできません。

まとめ

「任意後見制度」と「家族信託」について解説しましたが、どちらの制度もメリットだけでなくデメリットも存在します。
どちらが良いというわけではなく、目的に応じてどちらかを選択する、もしくは併用を選択することが大切です。

将来の財産管理について、今からしっかり考えてみましょう。

このコラムを書いている人

sakamoto

sakamoto

1985年 愛媛県今治市生まれ 宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、管理業務主任者、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、簿記2級、JNA日本ネイリスト協会本部認定講師

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