不動産投資「自己資金0」のカラクリ

公開日2019/01/21
更新日2022/12/20

不動産投資「自己資金0」のカラクリ

「自己資金0(もしくは少額)から始められる不動産投資」という広告を一度はご覧になられた方は多いのでないでしょうか?なんだか気軽に始められそうで、魅力的なキャッチコピーです。

 

新築ワンルームのデベロッパーや、販売会社のセミナー・電話営業では、「少額の自己資金で始められる」というキャッチコピーと、「ハイレバレッジで資産が拡大できます!」など、さまざまなメリットを紹介しているため、ついつい契約してしまうケースも多いかと思います。

 

今回は、自己資金0のカラクリをお伝えいたします。

  • 販売価格 2,500万円 手元の資金なし!

[内訳]

・販売価格:2,500万円

・借入金額:2,500万円(銀行融資可能額)

・自己資金:0

 

購入者側からすると、自己資金ゼロで始められる“気軽さ”と、営業マンの絶妙で巧みなトークで勧められれば、自然と購入まで進んでしまいそうです。
 
ローンが付くのだから、物件もそれくらいの価値がある、と言われるとそんな気もしないでもないように思ってしまいますが実際のところは・・

・借入金額:2,500万円(融資可能額)=物件担保評価1,950万円+借入者査定550万円

と、こんな感じで融資が下りていたりする場合もあります。

 

融資可能額 と物件価値は必ずしもイコールではない

金融機関が評価しているのだから、それぐらいの価値があるのではないか、と思われるかもしれませんが、『融資可能額』と『市場の取引価格』はイコールになりません。
 
以前のコラムでも少し触れさせていただきましたが、不動産会社が売主となっている物件は、大半が金融機関と提携していますので、市場価格以上の融資額を引き出せる仕組みとなっています。

 

 

余談ですが、スルガショックが公になる前では、売主である不動産会社の言値で融資額が決められていた、なんて話もございました。
 
なんでもそうですが甘い話しには、気を付けたほうがいいかもしれません。

 

ローンが悪いわけではない

ローンのメリットは、少額のキャッシュで資産を拡大できること、いわゆる「レバレッジを効かすこと」です。
 
ただ、その分と同様の損失が発生するリスクもあります。例えば一つの基準としてローンの支払いが家賃収入の80%以下であればコントロールできる範囲内のリスクと言えるでしょう。
 
キャッシュフローがギリギリ、または支払い過多で不動産購入を考えている方は一度落ち着いて考え直しても良いかもしれません。

 

このコラムを書いている人

渡邉 幸也

渡邉 幸也

1990年 秋田県鹿角市生まれ 東京都日野市育ち 2013年 株式会社FGH入社。不動産業界歴10年のノウハウを生かし収益不動産のプロフェッショナルとして、数多くの不動産を仲介する。 現在は、投資用不動産の売却・販売など幅広く担当している。 保有資格:宅地建物取引士

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