
賃貸経営におけるリスク
賃貸経営におけるリスクを考えた時、まず賃借人の家賃滞納を思い浮かべるオーナー様は多いのではないでしょうか。
所有物件をご自身で管理をされたことがあるオーナー様であれば、滞納者のことで苦い経験をお持ちの方もいらっしゃると思います。
今回は賃借人の家賃滞納について詳しく解説していきます。
全ての賃借人に行われる入居審査
賃貸借契約を締結する前に必ず行うのが入居審査です。
入居審査では、賃借人となる個人・法人に対して主に下記の内容を確認します。
反社会的勢力の組織、又は類似する組織、又はその組織に属する個人、及び関与していないか
不動産取引において最初に確認するべき重要な項目です。
入居者を含め過去に犯罪履歴はないか
おもに前科と前歴を確認します。
この二つの違いとして、前科は有罪判決を受けた経歴、前歴は有罪判決に至らない犯罪歴や嫌疑になります。
賃貸料を支払い続ける能力が備わっているか
法人の場合は損益計算書や貸借対照表から法人の経営状況を確認し、個人の場合は年収や住宅手当補助の有無、預貯金などを確認し現在の支払い能力を判断します。
過去に滞納や夜逃げなどの履歴はないか
現在は支払い能力があると判断ができても、過去に滞納や夜逃げの履歴がある場合には警戒が必要です。
本人確認時の電話の受け答えに問題はないか
申込時に提示を受けた電話番号が本人のもので間違いないかを確認しつつ、本人なら知っていて当然の質問を投げかけることによって本人になりすます「名義貸し」を防止します。
また電話の受け答えを確認し、入居後にトラブルを起こす可能性のある方ではないかも判断します。
家賃を支払えなくなる理由
入居審査を通過したはずの賃借人が家賃の支払いができなくなる背景には、入居審査時からと比較して収入の減少、又は支出の増加が理由に挙げられます。
収入の減少
企業の働き方改革により残業が減り収入が減った。
怪我や病気により働けなくなった。
転職したらうまくいかず退職し再就職先が決まらなくなってしまった。
鬱を患い仕事を退職し働くことが困難になってしまった。
支出の増加
物価上昇により節約するだけでは生活ができなくなった。
何かしらの理由で借金ができてしまい返済に追われるようになった。
老若男女を問わず、鬱が原因で働くことが困難な状況という理由は特に増加傾向にあるように感じます。
滞納者の心理と行動
滞納者となってしまった人の心理はさまざまではあるものの、滞納者とお話すると大きく3つの傾向があるように思います。
①恥ずかしい、申し訳ない気持ちはあるものの自分で問題を解決することができない。
②収入の減少や働けない理由は自分のせいではないので滞納のことを責められたくない。
③家賃の支払いが滞っているぐらいで大袈裟だ。
①のような滞納者であれば早い段階で解決へ導いて差し上げることができるのですが、残念ながら②③のような主張される滞納者の方が多く、共通して全く連絡が取れなくなってしまう傾向があります。
滞納者と連絡が取れなくなってしまうと、手紙を送ったり訪問もしなくてはならず、仮にお会いできたとしても悪態をつかれたり、開き直られたりと解決には程遠い現実と向き合うことになります。
滞納者が家賃の支払いもしない、退去の意思も示さないとなれば、法的措置を含むさまざまな手段に訴え、費用と時間をかけて最終的に強制退去に動くしかありません。
まとめ
賃貸管理会社の仕事は、契約や更新業務などの契約管理、修繕や原状回復などの室内管理、家賃の回収と送金を行う家賃管理、そして滞納者だけでなく、騒音や異臭などさまざまな問題を生む賃借人と向き合いトラブル改善を目指す入居者管理があります。
賃貸管理会社は、オーナー様が健全な賃貸経営を行えるように多くの場面で尽力をしていることをこの機会に知ってもらえたら嬉しく思います。
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宅地建物取引士 / 賃貸不動産経営管理士 / 住宅ローンアドバイザー
株式会社FGH 代表取締役社長
株式会社アーバンフォース 代表取締役社長
2007年2月フォースグループ創業以来、投資用不動産仲介の第一線でキャリアを積む。
中古ワンルームマンションはもちろん、不動産全般に関する多岐にわたる経験と知識でお客様からの信頼も厚い。
これまで400名以上のお客様の資産形成のお手伝いをしている。