中古マンションの査定価格と市場価格の違い
【目次】

しかし、「査定価格=売れる価格」と思い込んでしまうのは大きな誤解です。
実は中古マンションの売却では「査定価格」と「市場価格」にズレが生じるケースが少なくありません。
このコラムでは、そんな「査定価格」と「市場価格」の違いについて解説していきます。
中古ワンルームマンションの査定価格と市場価格について
この章では、「査定価格」と「市場価格」がそれぞれどのような基準で決められるのかを解説していきます。
マンションの査定価格とは
査定価格は、不動産会社が「この物件なら○○万円くらいで売れるのでは」と算出する予想価格です。おおむね3カ月程度で成約できるという前提に基づいています。売主が物件を売却する前に知りたい情報であり、売出価格の目安になります。
査定価格は次のような要素をもとに決まります。
・過去の成約事例(周辺の類似物件がいくらで売れたか)
・現在の売出中物件の価格(ライバル物件の状況)
・物件の個別要素(築年数、専有面積、階数、方角、リフォーム状況など)
・需給バランス、市場動向(人気エリアかどうか、金利や景気動向)
また、収益物件においてはどれくらいの収益が見込めるかという点も重要な評価軸になります。例えば、家賃収入や利回り・空室率等です。
このように査定価格はさまざまな要因が関係しています。査定をする会社によって何を重視するかが異なるため、査定価格は変わってきます。まずは、複数社に査定を依頼し、信頼できる会社に依頼をするようにしましょう。
マンションの市場価格とは
市場価格とは、実際に物件が「売れる価格」のこと。つまり、買主がその価格で購入を決断し、売買契約が成立する価格のことです。
市場価格は、以下のような外部要因にも左右されます。
・金利や金融政策の変動
・エリアの再開発・人気の変動
・季節要因(引っ越しシーズンなど)
・景気や人口動態
これにより、同じ物件でも1〜2ヶ月で価格が上下するケースもあるため、リアルタイムの市場動向を把握することが重要です。
査定価格と市場価格の差
実際の取引現場では、査定価格通りの金額で売却できるとは限りません。上記で述べた外部要因等のさまざまな要因により。市場は常に査定時の状況から変化していきます。
また、査定とは異なり売却には実際に買主が存在するため、買主の希望や交渉などその時々によって異なる状況が要因となり、市場価格が決まります。
実際に買主の状況や市場動向、競合物件等の影響により査定金額よりも下の金額で売却されるケースが多い反面、需要が集中して高く売れるケースもあります。
注意点として、不動産会社の中には高い査定金額で売主を呼び込み、実際にはその金額よりも大きく下がった金額で取引されるというケースが中には存在します。そのため、査定の金額だけで判断するのではなく、依頼をする会社は慎重に選ぶようにしましょう。
このように、査定価格は市場価格とはズレが生じます。査定金額が高いからといって期待値だけで売却活動を始めると、「なかなか売れない」「値下げせざるを得ない」といった事態になることもあります。そのため、査定価格はあくまでも予想であるということを念頭に置いておきましょう。
売却方法による価格の違い(仲介と買取)
査定価格と市場価格を理解したうえで、次は売却方法によってその金額が大きく変わることも知っておきましょう。
仲介で売却する場合
仲介での売却は不動産会社が買主を探し、売主とのマッチングを図る方法です。市場価格に近い価格で売れる可能性が高くなります。
ただし、売却までに時間がかかることもあるため、時間がかかってもよいからなるべく高く売却したいという方におすすめの方法です。
買取で売却する場合
買取での売却は、不動産会社が直接買い取るため、すぐに現金化が可能です。しかし、査定価格の7〜8割程度で取引される場合が多いので、とにかく早く売却して現金化したいという方におすすめの方法です。
このように、査定価格と市場価格の違いを理解したうえで、ご自身の状況を考えて売却方法を選ぶとよいでしょう。
まとめ
不動産の価格は、「査定価格」だけで判断してしまうと、実際の売却活動でつまずくことがあります。大切なのは、査定価格はあくまでも予想であり、実際にその金額で売れるとは限らないということです。
まずは複数社に査定を依頼し、査定の根拠や戦略を聞くことで、自分の物件がどの価格帯で売れるのかを客観的に見極めることができます。依頼をする不動産会社を査定金額だけで判断するのではなく、会社の評判や口コミ等を参考にして信頼できる会社を見つけ、後悔のない売却活動をしましょう。
\ FGHにおまかせ /

宅地建物取引士 / 賃貸不動産経営管理士 / 住宅ローンアドバイザー
株式会社FGH 代表取締役社長
株式会社アーバンフォース 代表取締役社長
2007年2月フォースグループ創業以来、投資用不動産仲介の第一線でキャリアを積む。
中古ワンルームマンションはもちろん、不動産全般に関する多岐にわたる経験と知識でお客様からの信頼も厚い。
これまで400名以上のお客様の資産形成のお手伝いをしている。
このコラムを書いている人

持田 透摩
1999年 愛知生まれ神奈川育ち。前職は証券会社で営業に従事。2024年にFGH入社。保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士
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