【第9回】仮想通貨との比較
2019.9.30
代表取締役会長 渡邊 勢月矢
【第9回】仮想通貨との比較
仮想通貨の歴史はまだまだ浅く、顧客保護のための保証制度はまだ十分とは言ない状況です。
株やFXにもリスクはあるけれど、これらは金融庁が管轄しています。不動産も国交省が管轄しています。
そのように国のお墨付きがあるものは、投資の性質に違いはあれどそこまでの問題は起こりえません。
それを理解して余剰資金で行うのであれば良いでしょう。
そもそも仮想通貨は実体を持っていない通貨です。
デジタルデータとして存在している「お金」なのです。
本来、貨幣は特定の国家が発行しているものですが、仮想通貨の発行には特定の国や金融機関が関わっていません。
仮想通貨と似たものとして「暗号通貨」がありますが、これは暗号を用いて安全性を高めた仮想通貨です。
つまり、仮想通貨は存在しないものです。
株式投資であれば会社に株券があります。株券が紙というだけですが、こと仮想通貨については本当に実体がありません。
ですから危険ですし、これを「投資」と呼ばない方がいいと思います。
2017年は主要通貨となるビットコインが1年で20倍に急騰しました。
メディアでも派手に取り上げられ、「億り人」と呼ばれる投資成功者が続出して、仮想通貨バブルの年となりました。
たしかに当時買っていた人は、一時的に儲かったのかもしれません。
私自身をいえば2014年にリップルという仮想通貨を、騙されたと思って投げ銭で買いました。
すると5万円が90万円になりました。
長らく、それを持っていたことすら忘れていたので「そういえば私、持っていましたよね?」と問合せたところ、すごく伸びていたのです。
これは2017年11月の話です。ちょうどいいタイミングで売りました。しかし、これはただラッキーなだけです。
2018年1月のコインチェック・ショック(コインチェックから580億円もの仮想通貨が引き出された事件)以降、仮想通貨バブルははじけ主要通貨の価格が軒並み下落しました。
取引量も急減、多くのプレイヤーが退場したことがわかります。
仮想通貨取引所に対する規制強化の影響もあり、ビットコインは昨年で76%も下落したといいます。
ですから皆が皆「億り人」になっているわけではありません。
このコラムを書いている人
渡邊 勢月矢
株式会社FGH代表取締役会長 CPM ® (米国不動産経営管理士)徳島県生まれ、広島県育ち。 大学卒業後、中小企業の営業支援を行う会社に就職。「個人投資家の目線に立った不動産売買仲介事業をしたい」との想いを抱き2007年2月、株式会社アーバンフォースを設立。その後、賃貸・売買部門を独立させ、株式会社FGHを設立・ホールディングス化。年間1000件以上の仲介案件を手掛け、通算10000件以上の適正な流動化を実現し、不動産所有者、購入希望者双方のニーズを満たすサービスを提供し続けている。 保有資格:宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士
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