不動産投資で注意すべきリスク7選!対策方法は?
【目次】
不動産投資におけるリスクとは
不動産投資をする上で、リスクの回避は最も重要視すべきことの一つ。
リスクの種類や対策方法を知らなければ、予想外の支出も増えるかもしれません。
最悪の場合、経営が苦しくなる可能性も考えられます。
不動産投資をするにあたって「どのようなリスクがあるのか」「対策方法としてなにができるのか」は、非常に気になりますよね。
今回は、不動産投資で注意すべきリスクと対策方法について紹介していきます。
リスクの種類や対策方法を知っておけば、受ける影響を最小限に抑えることができるでしょう。
空室リスク
不動産投資で最も注意すべきなのが、空室リスク。
空室リスクとは、経営している不動産に入居者が入らず、収入が下がるリスクのこと。
空室が埋まらなかった場合、税金やローンの返済などの固定費の支出が収入を上回り、赤字になってしまいます。
空室リスクの対処法3選
空室リスクに対処する代表的な方法として下記の3つがあります。
•リノベーションなどで入居しやすい環境を整える
•営業が強い不動産会社に管理を依頼する
•家賃を相場以上に下げる
なぜ空室がでているのか、原因を分析することが大切です。
空室リスクの代表的な問題点として「見栄えが良くない」「不動産会社への営業が弱い」「家賃が高い」などがあげられます。
疑問に思ったことを不動産会社などに相談し、適切な対処法をとっていきましょう。
サブリースだけに頼りすぎるのはNG
空室リスクを下げる方法として、サブリースという手法もあります。
サブリースとは、空室の有無にかかわらず、サブリース会社に一定の家賃を補償してもらう制度のこと。
満室経営で毎月100万円の家賃収入があるアパートの場合、家賃の80%である毎月80万円をサブリース会社に保証してもらう代わりに、経営を全てサブリース会社に任せることができます。
サブリースの利用で、空室リスクを回避できる可能性は高いですが、契約におけるトラブルも多く見受けられます。
代表的なトラブルは、下記の通りです。
•家賃保証が大幅に下がった
•突然契約を打ち切られた
•サブリース会社が倒産したため、家賃保証制度がなくなった
突然、契約上不利になったり、契約自体がなくなったりして、経営が厳しくなったというケースも少なくありません。
サブリースだからといって全て丸投げにするのではなく、自分でもある程度の知識を身につけておくことをオススメします。
近隣環境リスク
不動産投資における近隣環境のリスクとは、近隣環境の変更により、不動産の賃貸需要が下がる可能性のこと。
具体的な代表例と対策方法を確認していきましょう。
近隣環境リスクの代表例3選
近隣環境のリスクの代表例は、下記の3つです。
•近くにあった大型の大学が移転した
•利便性が高いスーパーやデパートが移転になった
•パチンコ店やゲームセンターができて、騒音が気になるようになった
これらは、いずれも賃貸需要を大きく下げる原因となります。
自分ではコントロールできないリスクのため、購入時のリスク対策が必要です。
近隣環境リスクの対処法
近隣環境のリスクの対策方法は、ターゲットを絞り込みすぎないことです。
例えば大学が近くにあるからといって、大学生のみにターゲットを絞るのではなく「30代以下・未婚・大学生」というように、入居者の想定を広げましょう。
ターゲットを広げれば、近隣環境の変化が賃貸需要に影響を与えることは少なくなります。
周辺環境に頼りすぎることをやめ、環境が変化しても入居者を維持できるような仕組みを整えましょう。
金利上昇のリスク
不動産投資は、「固定金利」と「変動金利」からローンを選択することができます。
固定金利は金利が高い一方、ローン期間中に金利が変わることがありません。
それに対し変動金利は金利が安い一方、ローン期間中に金利が上昇する可能性があります。
例えば、4,000万円のアパートを購入するために10年ローンを組んだ場合、金利が1%増えただけで、10年間で200万円以上の負担が増えます。
現在は低金利で推移しているとはいえ、今後金利が上昇するリスクは無視できません。
金利が上昇するリスクが気になる場合は、多少金利が高くても固定金利にすることをおすすめします。
修繕リスク
不動産は、築年数が古くなってくると大規模な修繕が必要になる可能性があります。
国土交通省の資料である「民間賃貸住宅の計画修繕ガイドブック」によると、マンションであれば、新築から30年までで一戸当たり約225万円の費用が必要とされています。
築年数が古くなった中古物件を購入する場合は、さらに費用が必要となってくるでしょう。
修繕費用を甘めに見積もってしまうと、後の資金繰りが悪化する原因となります。
修繕リスクの対策方法は、下記の2点です。
•定期的なメンテナンスを行い、物件を長持ちさせる
•修繕費は事前に多めに積み立てておく
修繕費は、見積もりが甘いと、将来的にキャッシュフローが悪化する原因にもなります。
しっかりと修繕費の準備や建物の管理をすることで、修繕リスクに対策しましょう。
災害リスク
不動産投資において、経営している不動産が災害にあうリスクもあります。
もし災害にあった場合、建物が傷んで資産価値が下がるほか、入居率も低下する恐れがあります。
代表的な災害リスクは下記の通りです。
•地震
•火災
•洪水
各災害のリスクと、具体的な対策方法を確認していきましょう。
地震リスク
地震リスクは地震により、建物に被害が及ぶリスクのこと。
代表的な被害は以下の3つです。
•液状化現象により、建物が埋まる
•大きな揺れによって建物が倒壊する
•壁にひびがはいる
被害にあった不動産は、大規模な修繕が必要となるほか、資産価値が大きく下落してしまう可能性があります。
日本は世界でも有数の地震大国であるため、特に注意したいリスクです。
火災リスク
火災も注意すべきリスクの一つです。
火災が発生した場合、多額の修繕費がかかります。
また、死者が出た場合は、事故物件扱いになってしまいます。
特に木造の不動産を購入した場合に重要なのが、火災リスクの回避です。
浸水や洪水リスク
浸水や洪水は、住宅の資産価値を下げる原因となります。
特に、河川に近い物件は注意が必要。
建物の汚染や悪臭により、多額の修繕費がかかるケースになることも少なくありません。
近年は異常気象の影響もあり、大型の台風が増えているので、浸水や洪水は無視できないリスクです。
災害リスクの対策方法
災害リスクの対策方法は下記の2つです。
•ハザードマップを確認し、災害リスクが高い地域は避ける
•火災保険と地震保険に加入する
ハザードマップは、自然災害の被害地域を予測し、被害範囲を予想している地図のこと。
国土交通省が提供しているため、非常に信頼度が高いデータとなっています。
不動産の災害リスクを抑えるためには、ハザードマップ中の自然災害リスクが高い地域を避けて購入するのが良いでしょう。
また、火災保険と地震保険は必ず加入しておくべきです。
火災保険は火災だけではなく、下記の災害も補償対象になります。
•落雷
•破裂
•爆発
•風災
•雪災
•盗難
補償範囲は、加入者側で選ぶことが可能です。
なるべく補償範囲を広くすることで、あらゆる自然災害リスクの対処ができます。
地震保険は「火災保険に加入していること」が条件となっており、地震だけでなくそれが原因で起きた津波•噴火•火災•損壊なども幅広く補償してくれます。
近年は大規模な地震が多発していますので、地震保険にも必ず加入しましょう。
家賃が下落するリスク
将来的に、不動産の家賃が下落するリスクも考えられます。
不動産投資をするときは、将来の家賃が下落する想定をした上で、利益がでるかどうかを検証する必要があります。
家賃が下落する理由
家賃が下落する理由は様々ですが、代表的な理由は下記の3点です。
•保有している不動産の築年数が古くなってきた
•近くに新築マンションが乱立した
•近隣環境の悪化で、利便性が悪くなってきた
家賃が下落する理由は、物件そのものが原因となるケースと、周りの環境が原因となるケースが考えられます。
具体的な対策方法を確認していきましょう。
家賃下落リスクの対策方法
家賃下落リスクの対策方法は次の3点です。
•リフォームやリノベーションをする
•インターネット無料などを導入し、差別化を図る
•住みやすい地域(駅が近い、学校が多いなど)の不動産を購入する
入居者が「住み続けたい」と思う環境を維持することで、家賃の下落率を抑えられるはずです。
物件のメンテナンスや購入前のリサーチをして、将来の家賃下落リスクを最小限に抑えましょう。
人口動態リスク
不動産には、人口動態によるリスクがあります。
人口動態によるリスクは主に下記の2つがあげられます。
•未婚化リスク
•人口減少リスク
未婚化リスク
日本は未婚化が進んでいるため、ファミリータイプの不動産需要の減少が予想されます。
実際に、内閣府の資料「少子化をめぐる現状」を見てみましょう。
2015年時点の未婚化率は男性23.4%,女性14.1%と非常に高い数値となっており、2035年には男性29.0%,女性19.2%とさらに増加することが予想されています。
そのため、戸建てや2LDK以上のマンションなど、ファミリー向けの賃貸需要も今後減少する可能性が高いといえるでしょう。
人口減少リスク
日本では、少子高齢化による人口減少が進んでいます。
総務省「日本の人口推計」によると、2020年1月時点での日本の総人口は1億2,602万人。
2010年1月時点の日本の総人口が1億2,805万人だったので、10年間で約200万人の人口が減少しました。
また、総務省「我が国における総人口の長期的推移
」を確認してみると、2030年には総人口が1億1,522万人に、2050年には9,515万人まで減少するとされています。
特に、賃貸需要の高い生産年齢人口(15歳~64歳)を中心に、人口が減少していくのが大きな問題です。
総人口がピークだった2005年の時点では、生産年齢人口は8,442万人でした。
しかしながら、今後の展望をみると、2050年には4,930万人まで減少すると予想されています。
人口の減少は、部屋を借りる人が減ることにもつながるので、不動産投資にとって大きなリスクだと考えられます。
人口動態リスクの対策方法
このような人口動態リスクの対策方法は2つあります。
•購入する物件を単身者、2人世帯に絞る
•都市部に絞って、不動産投資をする
未婚化に対する対策方法として、購入する物件を単身者、2人世帯に絞るという方法があります。
単身者、2人世帯の比率は増加傾向にあります。
総務省の資料である「平成30年 グラフで見る世帯の状況」によると、世帯数の構成割合は平成元年度には単独世帯20.0%、夫婦のみ世帯16.0%と合わせて36.0%しかなかったのに対して、平成28年度には単独世帯26.9%、夫婦のみ世帯が50.6%と大幅に増加していました。
これは未婚化や、仕事を退職し子どもが自立していった65歳以上の世帯の増加が要因とされています。
今後も、未婚化や高齢化が進むと予想されるため、単独世帯や2人世帯の需要の増加が予測されます。
そのため、少数世帯向けの不動産投資は有効な手段となるでしょう。
人口減少の対策方法として、都市部に絞って不動産投資をする方法もあります。
都市部人口の減少は、都市部よりも地方の方が顕著です。
例えば、総務省の資料「総務省の都市部への人口集中、大都市等の増加について」によると、2015年時点での人口シェアは関東圏、名古屋圏、大阪圏で51.8%、三大都市圏以外では48.2%となっていました。
今後も、首都圏に人口が集中すると見込まれており、2050年時点には三大都市圏では56.7%、三大都市圏以外では43.3%になると予想されています。
(※関東圏・・東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県 名古屋圏・・愛知県、岐阜県、三重県 大阪圏・・大阪府、兵庫県、京都府、奈良県)
このように、人口シェアが大きくなっていく三大都市圏の物件に絞ることで、人口減少のリスクを下げることができます。
不動産投資におけるリスクと対策方法まとめ
今回は、不動産投資におけるリスクと対策方法を解説してきました。
不動産投資には、考慮しなければならないリスクが多いですが、そのほとんどはあらかじめ対策することができます。
投資の際に起こるさまざまなリスクへの対策を立て、悪影響を最小限にとどめておくことが大切なのです。
このコラムを書いている人
マンション経営ラボ 編集者
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