賃貸管理はストレスも多い?
【目次】
賃貸管理の仕事はストレスが溜まることも多いです。
管理業務を行う管理会社のスタッフサイドにもストレスがありますし、管理を依頼しているオーナーにもストレスがあります。
自主管理しているオーナーのストレスの種類は、管理委託のオーナーのストレスともまた違います。
そこでそれぞれの立場やケースから、どんなストレスを抱えているのか見ていきましょう。
最後にはストレスを解消するためのノウハウについてもご紹介!
どんな仕事であっても、辛いことやストレスはあります。
仕事をしたくないと感じるのは誰しもです。しかしストレスとうまく付き合ったり、解消することができればきっと賃貸管理も楽しくできます。
管理会社に依頼する大家のストレス
管理会社が意向を聞き入れず、勝手なことばかりする
管理会社に管理を依頼しているオーナーのストレスの多くが、管理会社が勝手なことをすることです。
頼んでいたことをやらないばかりか、勝手に裁判を起こしその費用を請求された、無断で修繕会社からリベートを取っていたなど悪質な管理会社は様々なことを行います。
本来であれば管理会社が勝手な判断を下すことはありません。
費用が絡むことであればなおさらです。大きな問題であれば必ずオーナーに判断を仰ぎます。
そのため自分の意向を無視するような管理会社とは、即刻手を切るべきです。
そうした管理会社はオーナー仲間の中でもブラックリストに載っている会社であるケースが大半です。
横の繋がりを作りオーナー同士で管理会社の情報を流すのも、悪い管理会社に騙されない対策として有効です。
管理会社の管理がずさんなことへのストレス
管理の質が著しく低い管理会社もあります。
清掃がきちんと行われていない、連絡しても返答がないなど管理の実態がずさんな会社の管理物件は、薄汚れてしまっています。
汚れた物件は雰囲気が悪くなり、優良入居者の退去に繋がります。
入居してくるのが質の悪い入居者ばかりになると、揉め事が増えたり、家賃の下落にも繋がります。
管理実態の酷いケースは星の数ほどありますが、その中の一つに入居者が退去の連絡を1ヶ月前に出していたにも関わらず、管理会社はそれをすっかり忘れ放置したまま。
何ヶ月も空室のまま何もされずに放置されていたということがあります。
管理会社は忘れていたと謝るだけですが、大家からすると空室になったのに入居者募集されないとなると、賃貸経営に大きな影響を及ぼします。
決して謝ったから許される問題ではないのです。
この件では結局管理会社のミスということで、空室期間の家賃保証を受けることで合意しましたが、その合意を取り付けるために費やした労力と時間は無駄でしかありません。
本来であれば不要だった労力をかけることになったのです。
管理がずさんな管理会社には必ず兆候があります。
最初の兆候は報告が減ったり、完全になくなることです。管理会社の連絡の頻度を気にしてみて下さい。
賃貸管理会社・自主管理によるストレスの第一位はクレーム対応
賃貸管理会社のスタッフや自主管理しているオーナーの抱えるストレス第1位が、クレーム対応によるストレスです。
24時間対応の管理会社では夜のクレーム番をさせられるスタッフもいます。
真夜中にクレームの電話が入るのは、精神的にきついものがあります。
クレーム対応の仕事に関しては入れ替わりが激しい仕事トップ3に入るほど、誰しもやりたがらない仕事です。
クレーム対応に関してはある意味、向き不向きがあります。真面目で責任感の強い人ほど精神を病みやすいです。
仕事と割り切ったり、あっけらかんとした性格の人であれば、何を言われても受け流すことができます。
つまりクレーム処理は、いい加減な方が得をします。
深く考えすぎず、何を言われても気にしないようにしましょう。
入居者から寄せられるクレームで一番多いのは、騒音、ゴミ出し、設備不良に関するトラブルです。
クレームを対応するかどうかの線引きは、緊急性があるかないかです。
例えばガスが漏れているという連絡にはすぐに対処しなければいけません。
しかし隣の部屋がうるさいというクレームは緊急性が低く、じっくり対処する必要があります。
なぜかと言うとその部屋の前に住む人、向こう隣に住む人に、事情を聞くと全くうるさくないと答える時があるからです。
うるさいと感じるのは一人だったというケースもあり、この場合には緊急性がありません。
そのためエレベーターに隣近所に配慮して、夜間は大きい音を出さないようにと張り紙をする程度の対応で済みます。
クレーマーはどんなことにも文句をつけるので、うるさいと言われた入居者が難癖をつけられた被害者だったということもあるのです。
緊急に対応すると被害者に文句を言う結果に繋がります。
クレームは緊急性の度合いで、対応のスピードを決めて下さい。
自主管理がうまくいかないことへのストレス
自主管理がうまくいかないとイライラしますよね?空室が埋まらない、クレーム対応に疲れる、夏場の清掃がきつい・・などイライラの原因は、多岐に渡るでしょう。
ペット不可にしているはずがペットを隠れて飼う入居者がいたり、入居者トラブルが警察沙汰に発展することもあります。
自主管理のメリットは管理会社に支払う費用が不要なため、利回りがよくなるということが挙げられます。
大家として経験を積めば、自ずと管理スキルも高くなります。
自主管理のストレスに関しては、メリットが大きいのでデメリットも大きいと割切しかないのかもしれません。
それができないのであれば、管理会社に任せることでストレスフリーを手に入れるかです。
ただし管理会社を間違えると、管理会社へのストレスを感じてしまう羽目にもなります。
どうすれば自分が最もストレスを感じず、楽しくオーナー業ができるのか自分自身と向き合ってみて下さい。
賃貸管理業務のストレスはこうして解消しよう
クレームにはマニュアルで対応・予めクレームが起きないような対策を施す
クレームの対応は精神的に本当に負担が大きいです。
そのためクレームが来た際は、マニュアルを作り、このクレームにはこう対応すると事前に決めておくことが大切です。
クレームが来るたびどうしよう?と、悩んでいてはいけません。
マニュアルがあればそれに沿った対応を行えばいいだけなので、必要以上に悩むことがなくなります。
そして予めクレームが起きないように、できるだけ対策を施しておくことも大切です。
入居者にできないことはできないと、契約前にきちんと説明をしましょう。
人が怒りの感情を持つ時は、自分で物事をコントロールできない時です。
期待した言葉が返ってこない、期待したサービスが受けられない、思うように物事が進まない、こんな時に人は怒ってしまうのです。
こんなことわざわざ説明する必要ない、こんなサービスがないのは当たり前だと考えているサービスであっても、このサービスが受けらえるのは当然だと考える入居者がいるのです。
そのためサービスが受けられるないと知った段階で、入居者は怒りの感情を持ち、ぶつけてきます。
できること、できないことを事前に説明し、入居者に納得させることが大切です。
できないのはしょうがない、最初に説明を受けたと、納得すれば入居者も必要以上に怒りません。
入居者やオーナーと関係作りをすることで仕事が楽しくなる
入居者から連絡が来る時は決まって問題があった時です。問題がなければ入居者は連絡してきません。
そのため入居者との関係にストレスを感じるのは当然のことです。
しかしこちらから入居者にアプローチし、挨拶をしたり、世間話をする関係になるとどうでしょう?
入居者との関係が楽しくなってきませんか?
入居者も一度も顔を見たことのない管理会社のスタッフにはついつい攻撃的になりますが、常日頃挨拶をしたり、物件の掃除を行なってくれる管理会社のスタッフには好意を持つので、そんな人に攻撃的な話はしません。
クレームがあった時も言葉を選び、優しく伝えてくれるはずです。
こちらもどんな入居者なのかよく知っているので、どう対処すればいいのか分かります。
オーナーとの関係も同様です。
問題があった時にだけオーナーに連絡するのではなく、何の問題も連絡もない時にもオーナーに連絡しましょう。
体調どうですか?今日は暑いですね、といった内容で十分です。
気にかけてもらって嬉しくない人はいません。
こうしてオーナーとの関係も親密にしておけば、何かあった際もトラブル解決がうまく行きやすいです。
自分の限界を知り、外部に助けを求める
自主管理をしている大家は、管理がうまくいかないとストレスを感じるでしょう。
しかし全て自分で管理をしようとするという考えは捨ててください。
できないことはできない、外部に助けを求めることでストレスから解放されます。
またストレスの大きい仕事だけは外部に委託するという選択肢もあります。
人によりどの仕事をストレスに感じるかはそれぞれです。
清掃をストレスに感じる人もいれば、クレーム対応をストレスに感じる人もいます。
やりたい仕事だけやり、やりたくない仕事は、管理会社に任せてもオッケーです。
自分でやろう、自分で解決しようとするから、ストレスに押しつぶされてしまうのです。
対処できないクレームはその時だけ、弁護士に対応を丸投げしたり、相談して助けてもらいましょう。
大家向けの相談窓口も多数設定されています。外に助けを求めることで精神的に楽になります。
クレーマーについて理解する
クレーマーについての理解があれば、クレーマーの言葉に一憂することもなく、冷静に対処できます。
クレーマーは自分を正当化します。
どう考えても非常識で、こんなことでクレームが入るのか!とびっくりしてしまうことでも、平気でクレームを入れてきて、そちらが悪いの一点張りです。
クレーマーは自分を正当化したい、相手を屈服させたい!という気持ちが強く働いています。
そのため素直に謝り、話を聞いてあげるだけでクレーマーのイライラがなくなることもあるのです。
相手が落ち着きを取り戻し、まともになってからこちらの主張を展開した方が上手くいきます。
負けるが勝ちということもあるのです。クレーマーに付き合う方が時間の無駄です。
またあまりに非常識で酷いクレーマーは、追い出すこともできます。
クレーマー化した入居者が他の入居者に迷惑をかけている場合、強制退去に踏み切ることができます。
法律事務所などと連携し、法的手段を取り退去させることができるのです。
クレーマーのような入居者は退去を迫られると、態度が改まることもあります。
そのため一度法的手段に出ることを通知し、それでも態度が改まらない場合にのみ出て行ってもらいましょう。
退去となると途端に態度を変えるクレーマーは、その後逆に扱いやすくなります。
悪質なクレーマーに我慢して付き合い、心を病む必要はありません。
賃貸管理はストレスが溜まる仕事だと言われていますが、ノウハウを作ったり、外部の専門家に助けを求めることでストレスを軽減することができます。
上手く付き合うことで、ストレスフリーの管理ができるのです。
またクレーマーについて学び、理解を深めることで、クレーマーを説得することも容易になります。
賃貸管理会社は従業員のストレスマネジメントを行ないましょう
ストレスマネジメントとは、ストレスによって心身に悪影響が出ないように対策を行うことです。
管理会社ではストレス解消を社員任せにするのではなく、会社が進んで社員のストレスケアを行うことが必要です。
大企業であればストレスチェックをしっかり行なっていることもありますが、制度はあっても形骸化していることもあります。
社員は人材。人財とも表現されます。会社にとって財産なので、社員のメンタルケアに力を入れましょう。
部下としっかりコミュニケーションを取ることも、ストレス解消に繋がります。
何も大層なことをする必要はなく、部下の悩みやストレスを聞き、一緒に悩み、提案をして挙げてください。
こうすることで離職率を低下させることができます。
このコラムを書いている人
マンション経営ラボ 編集者
最新の不動産投資情報や株式、投資信託、為替など幅広い投資コンテンツを掲載。 オーナー様自身で最適な不動産の購入・売却・運用の判断材料になる情報をタイムリーに提供いたします。
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