マンション家賃の相場
賃貸物件は諸条件により家賃の相場が異なりますが、オーナーとしては「家賃をいくらに設定すれば良いか」と悩まれる方が多いでしょう。
相場に合わない賃料設定にすると入居者がなかなか見つからなかったり、逆に賃料を安くしすぎても収益が上がらずローンの返済すら難しくなったりします。
家賃設定時には、ご自身の考えだけでなく管理会社・仲介会社などの意見にも耳を傾け、家賃相場に詳しい不動産屋さんに相談すると、妥当な家賃の決め方ができます。
賃料の設定基準
賃料の設定基準としては、「積算法」「賃貸事例比較法」という算出方法があります。
・積算 (利回り) 方式
基礎価格×期待利回り+必要経費=積算賃料
基礎価格は、 更地価格から借地権価格または借家権価格を控除した積算賃料を求めるための基礎となる価格です。
期待利回りは、 法定利率によるものと現実的な利回りによるものに分類でき、必要経費には、 公租公課、 管理費などが含まれます。
しかし、積算法自体は不動産売買取引額を決定する時の指標であり、賃料算定で用いられることはそう多くありません。
・賃貸事例比較法
その名の通り、周辺の競合物件の家賃と比較して算出する方法です。
募集する部屋とできるだけ条件の似た部屋の家賃を集め、立地の違い、階数の違いなどを考慮して算出します。
家賃を決める要素
・建物の構造(木造・鉄筋コンクリート・鉄筋など)
・間取り(部屋数や広さ)
・位置(階数、角部屋など)
・面積(広さ)
・築年数(古いほど安く、新築が最も高い)
・付属設備(エアコン、浴室乾燥、IH機器)
・風呂・トイレ(ユニットか独立か)
・建物(敷地内駐車場、セキュリティー、宅配ボックス)
・最寄り駅からの距離
・スーパー、コンビニまでの距離、最寄り駅からの道にあるか
・学校、病院など
・郵便局など公共施設
上記以外にも、特別な条件設定によって価値を付加する方法もあります。
金銭的な価値としては、敷金や礼金の金額を下げる、敷引きをしない、フリーレントなどが代表的です。
また、ペット可や楽器可、2人入居可、女性のみ入居可にすることで金銭以外の価値を入居者にアピールできます。
これらの条件を設定することで、競合物件とは異なる魅力を提示することができ、入居者に選ばれやすくなるでしょう。
まとめ
近年では、ネットやスマホアプリなどで物件を検索する時代となっていますが、このような検索システムに引っかかるような家賃に設定することも重要です。
一般的に、物件検索システムは賃料を5千円単位で設定できるようになっているため、家賃を目安に設定しておくと、ヒットしやすくなります。
例えば、物件の家賃を6万1千円に設定していれば、ユーザーが6万円以下の検索条件を設定した場合、物件は候補から外れてしまいます。
また、自分で判断しにくいなら専門家である不動産鑑定士に依頼し、「鑑定評価」を受けて活用することもおすすめです。
鑑定評価は、不動産の専門家である不動産鑑定士が適切な賃料はいくらなのかを鑑定してくれるので、家賃を設定するときだけでなく、家賃の改定をしたい場合に相談してみるのもよいでしょう。
このコラムを書いている人
小松 麻弓
株式会社FGH大阪支店 大阪府出身 好きな食べ物はメロン。美味しいものが大好きです。おおきに! 保有資格:賃貸不動産経営管理士
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