コロナ禍以後、増加する入居者相談・・と事故の話。
はじめまして。㈱アーバンフォースで賃貸管理を担当している徳永です。
今回のコラムでは賃貸管理会社目線で感じたコロナ禍以降の変化についてお話しさせていただきます。
生活様式の変化
昨今、新型コロナウイルスの影響で私たちの生活様式は大きく変化しています。
業種によっては、仕事が制限されてしまい収入が減ってしまった方、また仕事を失ってしまった方もいらっしゃるかと思います。
友人や離れた家族に会えない、リモートワークで同僚とも顔を合わす機会が減るなど、プライベートや仕事において人とのコミュニケーションが極端に減った方、飲食店の営業時間の制限もあり、外食が減り、持ち帰りやデリバリーを活用することで食生活が変わった方も多いと思います。
生活様式に変化が起きたことで、賃貸に住む入居者様達に様々な問題が起き、相談件数が増加しています。
コロナ以降に増えた相談種別について
・賃料支払いの延期、または減額
入居者様から寄せられる相談の内容で最も多いのは、やはり家賃の支払いに関してです。
仕事を失ってしまった方をはじめ、特に飲食関係・ナイトワーク(お酒や来店人数などの制限)、宿泊事業関係(県を跨いでの移動の制限、オリンピックの無観客による外国客の需要の低迷)、営業職(訪問などのBtoC営業の制限)、に従事されている方は厳しい経済状況にあることを垣間見ます。
ご相談頂いた際には、家賃の支払いならオーナー様にご相談したり、住居確保給付金の制度をご案内をさせていただいております。
・隣接居住者の騒音に対する苦情
ステイホームやリモートワークの増加により、コロナ前と比べて入居者様が日中に室内で過ごす時間が格段に増えたことで、
今まで気にならなかった隣接するお部屋の生活音、または環境音が気になるようになり、ストレスを感じていらっしゃる方が増えているようです。
騒音に関するご相談を頂いた際は、音や声の発生源の特定を行い、私共から注意喚起、マンションであれば管理組合への報告をしております。
経済的なご相談は、増加することを予想していましたが、騒音へのご相談は想像以上に増加した印象です。
やはり、今まで居室内で日中を過ごすことが少なかった方にとっては、リモートワークやステイホーム等の生活環境の変化がストレスになってしまう事もあるようです。
担当物件ではじめての事故
昨年の今頃でしょうか、まだ暑さが残るある日、1本の電話が鳴りました。
電話の相手は、入居者様がお勤めされている会社の同僚の方で、入居者様が2日間無断欠勤しているとのこと・・
入居者様の勤務態度は真面目で無断欠勤をするような人ではなく、事件や事故に巻き込まれているのではないかというものでした。
すぐに入居者様が住むマンションに向かい、安否の確認のため警察の方と一緒に玄関を開錠すると・・
同僚の方のご心配のとおり・・死因は自死だったようです。
後に相続人様から聞いたお話では、入居者様の口座には3,000万円近くの預貯金があり、金銭面で問題を抱えていたわけではなかったそうです。
入居者様は普段から人付き合いが多い方ではなく、自粛生活が続く中でより孤独感を強めていたのではないか、仕事一筋の真面目な性格から仕事(営業職)が制限される現状に目的意欲を失ってしまったのではないか?そんなお話をいただきました。
実際の深層心理はもちろん私には分かりませんが、はじめて担当物件での事故を経験し、コロナ禍以降ストレスを抱えている方が増えているんだと実感しています。
私たちに出来ること
賃貸管理会社の立場として私たちにできることは、
なによりも入居者様がなるべくストレスなく生活できるような環境をつくりたいと考えています。
入居者様やオーナー様が、気軽に相談できるようなサロンのような存在でありたい、
そんな管理会社になるよう励まなければいけないと感じています。
このコラムを書いている人
徳永 裕幸
1982年 神奈川県出身 2014年アーバンフォース入社 保有資格:宅地建物取引士/不動産賃貸経営管理士/管理業務主任者
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